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こどもの周期性発熱(PFAPA症候群)について
この記事を監修した医師

小児科専門医/院長
濵野 翔
こどもが毎月のように高熱を出し、保育園や幼稚園を休んでばかりいる。 そのたびに病院へ行っても風邪と言われ、お薬を飲んでも熱が下がらない。 そのような状況が続くと、保護者の方はとても心配な気持ちを抱えられると思います。 今回は、そのような症状を引き起こす「PFAPA症候群」について詳しくお話しします。
もくじ
毎月のように高熱を繰り返す病気です

PFAPA症候群は、こどもの周期的な発熱の中で最もよく見られる病気です。
主に5歳未満の乳幼児期に発症することが多く、数週間ごとの規則正しい間隔で高熱が出ます。
ウイルスや細菌による感染症ではなく、免疫システムが過剰に反応して起こると考えられています。 熱は自然に任せると3日から6日ほど続き、その後にすっかり解熱します。
一般的な風邪との違いと特徴的な症状
この病気は、痛みを伴う口内炎、のどの赤みや腫れ、首のリンパ節の腫れを伴うことが特徴です。 細菌感染ではないため、抗生物質や一般的な解熱鎮痛剤を飲んでも熱はなかなか下がりません。 咳や鼻水といった風邪の症状を伴わないことや、熱が下がると普段通り元気であることも見分けるポイントです。
どのようにして診断されるのでしょうか

ほかの病気ではないか慎重に確認します
PFAPA症候群には、この病気を一発で確定できるような特別な血液検査などがありません。 そのため、症状の経過を詳しく伺い、ほかの病気ではないことをしっかり確認して総合的に判断します。
具体的には、診察や検査を通して、アデノウイルスやEBウイルスといった感染症ではないことを確かめます。 それに加えて、川崎病や、白血球の一種が減る周期性好中球減少症、ほかの遺伝的な発熱の病気を除外していきます。 また、熱がない期間に血液の炎症反応が完全に正常に戻っていることも、診断の大切な手がかりになります。
規則正しい発熱の記録がお手伝いになります
診断の大きな助けとなるのが、ご家庭で記録していただいた発熱のメモやカレンダーです。 典型的には3週間から8週間ほどの一定のサイクルで、時計のように正確に熱を繰り返します。 毎月同じパターンで熱を出すとお気づきの場合は、ぜひその記録を医師にお見せください。
ステロイド薬の効果が治療的診断になります
治療の選択肢と、日常生活での予防

熱がでたときのステロイド薬
発熱が始まってすぐのタイミングでステロイド薬を飲むと、速やかに発作が抑制され熱が下がります。ステロイドは注意が必要な面もあるので、どのようなタイミングでステロイド薬を飲むかは、主治医と相談しておきましょう。
ステロイドを使用する際の重要な注意点
発作の頻度をへらす予防薬
発作の頻度を減らす予防として、シメチジンという元々は胃薬として使われるお薬を毎日飲むこともありますが、令和8年現在は販売中止しています。
一部で有効例が報告されているため、ロイコトリエン拮抗薬(モンテルカストなど)が使用されることもありますが、有効性のエビデンスは低いと言われています。
扁桃摘出術
生活への支障が大きい場合は、口蓋扁桃を摘出する手術を行うと、非常に高い確率で発熱が消失します。
口腔内プロバイオティクスK12株;口内環境を整える新しい治療の可能性
近年、特定の乳酸菌が口の中の環境を整え、発作を和らげる可能性が研究されています。 標準治療ではありませんが、発熱発作の回数や日数を減らし、症状を軽くする安全な選択肢として期待されています。
Use of Streptococcus Salivarius K12 in a cohort of PFAPA patients
日常生活で発作を防ぐ特別な方法はありません
親御さんから、食事や生活習慣などで発作を防げないかとご相談をいただくことがあります。 残念ながら、PFAPA症候群は日常生活の工夫だけで発熱を予防することはできません。『昨日の遊びで疲れさせたから熱が出たのでは』と、ご自身を責める必要は全くありません。 熱がない期間は何も制限する必要はないので、普段通り元気に遊ばせてあげてください。
将来への不安や心配について

成長とともに自然に良くなる病気です
毎月のように高熱を出す姿を見ていると、将来何か重い病気にならないかと不安になると思います。 しかし、PFAPA症候群は脳や発育に影響を与えるようなことはなく、将来的に別の重篤な病気に進行することもありません。 多くの場合、小学校の中学年から高学年になる頃には発作の間隔が空いていき、自然に消失することが一般的です。 焦らずに、お子さまのペースに合わせて気長にお付き合いしていくことが大切です。
よくあるご質問

毎月熱を出すので保育園の先生にどう伝えればいいですか?
A. 連絡帳には、現在の体温や食欲の有無を書いてください。それに加えて、以前から同じ間隔で熱を繰り返していることや、かかりつけ医に相談していることをお書きいただくと先生も安心してお子さまを見守ることができます。
発作が起きている間はお風呂に入れないほうがいいですか?
A. 39度以上の高熱があり、お子さまがぐったりしている時はお風呂はお休みし、温かいタオルで体を拭いてあげてください。熱が下がり本人が元気であれば、短時間の入浴は問題ありません。
ステロイド薬をこどもに飲ませるのが少し怖いです。
A. PFAPA症候群の治療で使うステロイドは、発熱の始まりに1回から2回だけ飲むという非常に短期間の使用です。長期的に飲み続けるわけではないため、副作用の心配は極めて少ないお薬の使いかたです。
食事で発熱を防ぐことはできますか?
A. 特定の食べ物や食事制限によって発熱を予防することはできません。発作のない期間は食事を制限する必要はないので、バランスの良い食事を心がけて普段通りにお過ごしください。
中村橋駅近くのベスタこどもとアレルギーのクリニックへ

こどもの繰り返す発熱は、保護者の方にとって身体的にも精神的にも大きな負担となります。 ただの風邪なのか、それともPFAPA症候群のような別の病気なのか、ご自宅で判断するのは難しいものです。 熱の記録をつけていただき、気になることがあればいつでも当院へご相談にお越しください。
免責事項 本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の疾患の診断や治療を代行するものではありません。お子さまの症状がご心配な場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診察を受けてください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
