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体がむくんでいたら注意!子どものネフローゼ症候群とは【ベスタの小児科医が解説】
「朝起きたら、子どものまぶたが腫れている…」「最近、靴下の跡がくっきり残るようになった…」そんな症状に心当たりはありませんか?
子どもの体のむくみは、成長過程でよくあることと思われがちですが、実は腎臓の病気「ネフローゼ症候群」のサインかもしれません。
この記事では、小児科専門医がネフローゼ症候群の基礎知識を丁寧に解説。当クリニックは、練馬区、中野区、杉並区、西東京市など、特に西武線沿線にお住まいの皆さまの「かかりつけ医」として、365日、土日祝日も診療を行っています。「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という診療理念のもと、一人ひとりのお子さまとご家族に寄り添った医療を提供しますので、どうぞ安心してご相談ください。
ネフローゼ症候群とは?
ネフローゼ症候群とは、腎臓のフィルター機能が障害され、尿中に大量のタンパク質が漏れ出る病気です。その結果、血液中のタンパク質が減少し、体内の水分バランスが崩れてむくみが生じます。小児では、特発性ネフローゼ症候群(原因不明)が多く、特に2~6歳の男児に多く見られます。
主な症状
- むくみ(浮腫):特に顔、足、腹部に現れます。
- 体重の急増:数日で1~2kg増えることもあります。
- 尿の異常:尿の量が減少し、泡立つことがあります。
- 全身のだるさや食欲低下:元気がなくなることがあります。
原因と診断
多くの場合、原因は不明です。腎臓のフィルターの生まれつきの構造異常や、免疫異常(ネフリン抗体など)が病気の発生に関わっているとされています。風邪などの感染症がきっかけとなり、急に発症することがあります。
診断には、尿検査でのタンパク尿の確認、血液検査でのアルブミン値の低下などが必要です。
必要に応じて、腎臓の組織を調べる腎生検や遺伝子検査を行うこともあります。
治療法💊
治療の中心はステロイド薬(プレドニゾロン)の内服です。
約80~90%の子どもは、ステロイド治療により蛋白尿が消失し、症状が改善します(寛解)。
しかし、再発することも多く、再発を繰り返す場合には、免疫抑制薬や生物学的製剤を使用することもあります。
日常生活での注意点⚠
- 感染症予防:風邪などの感染症が再発の引き金となることがあります。
- 定期的な尿検査:家庭での尿検査で早期発見が可能です。
- 食事管理:塩分を控えめにし、バランスの良い食事を心がけましょう。
- 定期的な通院:症状がなくても、定期的な受診が大切です。
よくある質問(FAQ)💡
Q1: ネフローゼ症候群は治りますか?
A1: 多くの子どもは、適切な治療により症状が改善します。ただし、再発することもあるため、継続的な管理が必要です。
Q2: 学校や保育園に通っても大丈夫ですか?
A2: 症状が安定していれば、通園・通学は可能です。主治医と相談の上、活動内容を調整しましょう。
Q3: どのような時に受診すべきですか?
A3: 顔や足のむくみ、尿の異常、体重の急増などが見られた場合は、早めに受診してください。
おわりに
子どもの体のむくみは、成長過程でよくあることと思われがちですが、実は腎臓の病気「ネフローゼ症候群」のサインかもしれません。
早期発見・早期治療が大切です。尿検査を行えば、すぐに判断できます。
当クリニックでは、365日診療を行っており、急な症状にも対応可能です。
中村橋駅から徒歩1分とアクセスも良好です。
お子さまの健康に関するご相談は、いつでもお気軽にお問い合わせください。
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出典
- 日本小児腎臓病学会. 小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2020.
- 日本小児腎臓病学会. 小児腎臓病学 改訂第3版.
医療上の免責事項 本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や状況に応じた医学的な診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。
監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医