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子どもの尿に血が!?考えられる原因と至急受診すべきケース
お子さんの尿が赤かったり、茶色っぽかったりするのを見つけると、驚きと不安でいっぱいになることでしょう。
「急いで救急外来に行くべきか」「様子を見てよいのか」と迷う保護者の方は多くいらっしゃいます。
目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)が出た場合、自己判断はせず、まずは小児科を受診して原因を調べることが基本です。
本記事では、子どもの血尿について、考えられる原因や受診の目安を小児科専門医が詳しく解説します。

もくじ
まず確認!至急受診すべき「危険サイン」と受診の目安

血尿が見られたとき、ほかにどんな症状があるかで緊急度が変わります。 以下の症状を伴う場合は、夜間や休日であっても、救急医療機関の受診をご検討ください。
- おしっこが極端に少ない、または全く出ない
- 顔や足に強い「むくみ」が見られる
- 激しい頭痛や嘔吐(おうと)を伴う
これらの症状は、急性糸球体腎炎など、腎臓の急激な働きの下落を示している可能性があります。
一方で、「元気があり、血尿以外の症状がない」場合は、慌てずに翌日の診療時間内に小児科を受診してください。
なぜ血尿が出るの?尿が作られる仕組み


原因を知るために、まずは尿が作られる仕組みを簡単に知っておきましょう。
血液は腎臓の「糸球体(しきゅうたい)」という毛細血管の集まりに送られます。 ここは3層構造のフィルターになっており、老廃物だけを通過させ、血液やタンパク質などの大切なものは漏らさない仕組みです。 ここで作られた尿の元が、尿管、膀胱、尿道を通って体の外へ出ます。
つまり、血尿が出るということは、**「フィルターが壊れて血が漏れている」か、「尿の通り道のどこかで出血している」**かのどちらかと考えられます。
子どもの血尿で考えられる主な原因と病気

子どもの血尿には、さまざまな原因が考えられます。代表的なものを整理して解説します。
尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎)
膀胱や腎臓に細菌が感染し、炎症が起こっている状態です。特に女の子に多く見られます。 排尿時の痛みや頻尿、発熱などを伴うことが多く、尿検査で細菌の有無を調べて診断します。
出血性膀胱炎
細菌ではなく、アデノウイルスなどのウイルスが原因で起こる膀胱炎です。 突然の目に見える血尿や、排尿痛が現れます。抗生物質が効かない場合に疑われることが多いです。
糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)
腎臓のフィルター(糸球体)に炎症が起こる病気です。
急性糸球体腎炎:溶連菌に感染した後に起こることが多く、血尿、むくみ、高血圧などが急に出現します。入院が必要になることもあります。(関連:溶連菌感染後急性糸球体腎炎について)
IgA腎症:小児の慢性的な腎炎の代表です。普段から血尿が続きますが、風邪を引いたときに赤や茶褐色の尿が出ることがあります。(関連:慢性糸球体腎炎について)
激しい運動や外傷(ヘモグロビン尿など)
剣道のように足の裏を強く打ち付ける運動を繰り返すと、足の血管内で赤血球が壊れることがあります。 中身の成分(ヘモグロビン)が尿に漏れ出し、赤黒い尿が出ることがありますが、これは腎臓の病気ではありません。 また、激しい運動で筋肉が壊れ、筋肉の成分が尿に出る「横紋筋融解症」でも褐色尿が出ることがあります。
その他のまれな原因
- 尿路結石:子どもではまれですが、結石が尿路を傷つけて出血することがあります。
- 家族性血尿:遺伝的に腎臓のフィルターが弱く、血尿が続く体質です。
- ナットクラッカー症候群:お腹の血管に腎臓の静脈が挟まれて圧迫され、血流が滞ることで血尿が出ます。経過観察になることが多いです。
- 腫瘍:非常にまれですが、腎臓や膀胱の腫瘍が原因になることもあります。
血尿と間違えやすい「尿の色の変化」

尿が赤くても、実際には血液が混じっていないケースも多くあります。
- 食べ物の影響:ビーツ、ベリー類、着色料の多いお菓子など。
- お薬の影響:アスベリン(咳止め)などの服用。
- 尿酸塩尿(レンガ尿):赤ちゃんのオムツによく見られる、オレンジ色のシミです。これは尿酸の結晶であり、心配はいりません。
当院での検査と治療の流れ

原因を特定するため、当院では以下の検査を行います。
- 尿検査:血液の混入や、細菌感染の有無を調べます。
- 血液検査:腎臓の働きや、全身の炎症状態を確認します。
- 超音波(エコー)検査:腎臓や膀胱の形に異常がないかを画像で確認します。
治療は原因に合わせて行います。膀胱炎であれば抗生物質を使用し、糸球体腎炎などで専門的な管理や入院が必要な場合は、適切な連携病院へすぐにご紹介します。
西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分、練馬区にある当院(ベスタこどもとアレルギーのクリニック)は、365日診療を行っています。 「いつもと違う尿が出た」とご不安なときは、専門の「腎夜尿症外来」へお気軽にご相談ください。
FAQ

Q1. 肉眼で見える血尿って、どんな色をしていますか?
A. 尿の色は原因によって様々です。腎臓からの出血が疑われる場合は「ワイン色、コーラ色、濃いウーロン茶色」などの赤〜茶褐色に、膀胱など尿の出口に近い場所からの出血は「鮮やかな赤色」になる傾向があります。オレンジ色の場合は血尿ではないことが多いですが、ご心配な場合は受診をおすすめします。
Q2. 子どもの血尿は、ストレスが原因で起こることはありますか?
A. ストレスそのものが直接の血尿の原因になることはありません。血尿の大部分は感染症や腎臓の病気によるものです。しかし、ストレスや疲労で免疫力が落ちると、膀胱炎などの感染症にかかりやすくなり、結果として血尿につながる可能性はあります。
Q3. 尿検査で「潜血陽性」と言われましたが、必ず血尿なのでしょうか?
A. 必ずしもそうではありません。尿検査のテープは、赤血球だけでなく、壊れた筋肉の成分などにも反応して陽性になることがあります。そのため、本当に赤血球が尿に混じっているかを顕微鏡で確認する検査(尿沈渣)を行うことが重要です。(関連:検尿異常について)
Q4. 赤ちゃんのオムツに赤いシミがありますが、これも血尿ですか?
A. オムツについたピンク〜オレンジ色のシミは、尿酸が結晶化したもの(れんげ砂様沈着)であることが多く、病的な血尿ではありません。ただし、オムツ全体が真っ赤に染まっているような場合は注意が必要です。判断に迷う場合は、そのままオムツをお持ちいただくか写真を撮ってご相談ください。
Q5. 中村橋駅からベスタクリニックへの行き方は?
A. 西武池袋線「中村橋駅」北口を出て、徒歩1分です。駅前の中杉通りを北に向かっていただき、右手に松屋が見える1つ目の道を左に曲がってください。1階が薬局(ココカラファイン)のビルの2階にございます。提携駐車場(40台)や駐輪場(15台)もございますので、お車や自転車でもお越しいただけます。
関連リンク
腎臓専門外来の案内:https://www.besta-kids.jp/special-outpatient/#link03
検尿異常:https://www.besta-kids.jp/2025/05/09/1745/
肉眼的血尿:https://www.besta-kids.jp/2025/05/02/1687/
ネフローゼ症候群:https://www.besta-kids.jp/2025/05/24/1852/
慢性糸球体腎炎:https://www.besta-kids.jp/2025/09/01/2649/
溶連菌感染後急性糸球体腎炎:https://www.besta-kids.jp/2025/08/28/2574/
尿路感染症:https://www.besta-kids.jp/2025/05/02/1666/
包茎:https://www.besta-kids.jp/2025/05/16/1823/
夜尿:https://www.besta-kids.jp/2025/05/16/1773/
参考文献
小児腎臓病学第3版
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この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
