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子どもがおしっこを痛がる・熱がある時の目安と尿路感染症
「おしっこすると痛い…」
何度もトイレに行ったりしている
子どものおしっこのトラブルには、細菌が原因の「尿路感染症」から、心因性のものまでさまざまな理由があります。
この記事では、熱の有無や年齢による症状の違い、おうちでのケアと受診の目安について、小児科専門医がわかりやすく解説します。迷ったときの判断材料として、少しでも安心のお手伝いができれば幸いです。

まず確認!「熱があるか・ないか」で原因が異なります
尿路感染症とは、おしっこの通り道(膀胱・尿道・腎臓など)に細菌が入り込んで増えてしまう病気です。
子どもの場合、まずは「熱があるかどうか」が、状態を把握するための大きな目安になります。
もくじ
🔴 熱がある場合(腎臓まで炎症が及んでいる可能性)
細菌が膀胱を通り越して、腎臓まで達している状態(腎盂腎炎など)が疑われます。
主な症状:
高熱、不機嫌、ミルクを飲まない、ぐったりしている
特徴:
咳や鼻水といった風邪の症状がないのに、高熱だけが出ることが多いです。とくに乳児の場合は、重症化しやすいため注意が必要です。
受診の目安:
乳幼児で「風邪症状がないのに38度以上の熱が続く」場合や、水分がとれずぐったりしている場合は、早めに小児科をご受診ください。
発熱を伴う尿路感染症の場合、腎臓への将来的なダメージ(腎瘢痕など)を防ぐため、発熱から48時間以内に適切な抗菌薬治療を開始することが重要とされています *1)。
🔵 熱がない場合(膀胱や尿道などの炎症)
熱がなく元気であれば、細菌が膀胱や尿道の出口にとどまっている状態(膀胱炎や亀頭包皮炎など)のことが多いです。
主な症状: おしっこをする時の痛み、頻尿(何度もトイレに行く)、下腹部の痛み、男の子のおちんちんの先の赤みや腫れ
特徴: 幼児から小学生の女の子(膀胱炎)や、男の子(亀頭包皮炎)によく見られます。
受診の目安: おしっこの痛みが強くて排尿を嫌がる場合や、血尿が出ている場合、症状が2〜3日以上続く場合はご相談ください。
どんな検査をする?痛い検査はある?

診断のためには、主に以下のような検査を行います。
お子さんの負担にならないよう、症状に合わせて必要なものだけを提案しますのでご安心ください。
尿検査: 診断には、不純物が混ざっていないきれいな尿検体を採取することが不可欠です *1)。適切に採取されたおしっこの中に、白血球(ばい菌と戦う細胞)と一定数以上の細菌が確認されると尿路感染症と診断されます *2)。
血液検査: 高熱が続いている場合や、ぐったりしている場合に行い、全身の炎症の強さを確認します。
画像検査(超音波など): 腎臓の腫れや、おしっこの通り道に生まれつきの特徴(奇形など)がないかを確認することがあります。
症状に合わせた治療法とホームケア

熱の有無や、全身の状態によって治療の進め方が変わります。
高熱がある場合(入院や点滴の検討)
腎臓に炎症が起きている場合、基本的には抗菌薬(抗生物質)の点滴治療や内服治療が必要です。
全身の状態が悪い場合や、生後数ヶ月の赤ちゃんの場合は、大きな病院での入院治療をご紹介することもあります。
熱がない場合(飲み薬とホームケア)
膀胱炎などの場合は、ご自宅で抗菌薬の飲み薬による治療を行います。
男の子の亀頭包皮炎の場合は、塗り薬を使うこともあります。
ご自宅では水分をこまめに、少し多めにとらせてあげてください。
感染症じゃないかも?その他の「おしっこトラブル」
おしっこが近い、痛がるという症状は、ばい菌の感染以外でも起こります。
心因性頻尿(ストレスや緊張)
とくに4〜7歳くらいの女の子によく見られます。
トイレトレーニングが終わった後などに、「また漏らしたらどうしよう」という不安から、何度もトイレに行ってしまう状態です。
夜寝ている時や、何かに夢中になっている時はトイレに行かないのが特徴です。
ご家族が「大丈夫だよ」と優しく声をかけ、プレッシャーを減らしてあげることで、成長とともに自然と落ち着いていきます。
過活動膀胱や便秘の影響
急におしっこをしたくなったり、間に合わずに漏らしてしまったりすることがあります。
実は、慢性的な「便秘」がおしっこの通り道を圧迫し、頻尿や尿路感染症の原因になることも少なくありません。
便秘がちなお子さんは、まずお通じの習慣を整えることが大切です。
尿路感染症を何度も繰り返す場合

もし乳幼児が熱を伴う尿路感染症を何度も繰り返す場合は、「膀胱尿管逆流症(VUR)」という、おしっこが膀胱から腎臓へ逆流してしまう生まれつきの体質が隠れていることがあります。
この場合は、より詳しい検査や専門的なフォローアップが必要になります。
赤ちゃんや女の子はよく尿路感染症になりますが、2-3歳以上の男の子が尿路感染症になることは非常に珍しいです。
その場合も詳しい検査を行うことが大事です。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックの診療体制
当クリニックは、西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分とアクセスしやすく、練馬区周辺にお住まいの多くの保護者の皆様にご来院いただいております。
365日診療体制を整えており、休日や夜間にお子さんが急な高熱を出した際や、おしっこのトラブルでご不安な時も、専門医がしっかりとサポートいたします。
引用文献
*1) Mattoo, T. K., Shaikh, N., & Nelson, C. P. (2021) ‘Contemporary Management of Urinary Tract Infection in Children’, Pediatrics, 147(2), e2020012138. Available at: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33479164/
*2) Subcommittee on Urinary Tract Infection (2011) ‘Urinary tract infection: clinical practice guideline for the diagnosis and management of the initial UTI in febrile infants and children 2 to 24 months’, Pediatrics, 128(3), pp. 595-610. Available at: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21873693/
FAQ
Q1. 子どもが「おしっこが痛い」と言いますが、熱はありません。すぐに受診すべきですか?
A1. 熱がなく水分もとれていて元気なら、夜間や休日に慌てて受診しなくても、翌日の日中の受診で様子を見られることが多いです。水分を多めにとらせてあげてください。ただし、血尿が出ている場合や痛みが強くて排尿できない場合は早めにご相談ください。
Q2. 乳児が風邪の症状もないのに高熱を出しています。尿路感染症でしょうか?
A2. 咳や鼻水がないのに高熱(38度以上)だけが続く場合、乳児では尿路感染症(腎盂腎炎など)の可能性があります。重症化を防ぐためにも、早めに小児科を受診して尿検査などを受けることをお勧めします。
Q3. おしっこの検査はどうやってするのですか?まだおむつが外れていません。
A3. おむつをしている赤ちゃんの場合は、おちんちんや陰部の周りに「採尿バッグ」という専用のシール付きビニール袋を貼って、自然におしっこが出るのを待ちます。痛い検査ではないのでご安心ください。
Q4. トイレに行く回数が急に増えました。尿路感染症以外の原因はありますか?
A4. 熱や痛みがなく、夜寝ている時はぐっすり眠れている場合、ストレスや不安からくる「心因性頻尿」の可能性があります。また、便秘がおしっこのトラブルを引き起こすこともありますので、生活習慣や排便の様子も確認してみてください。
Q5. 練馬区の中村橋駅近くで、休日に子どものおしっこのトラブルを診てもらえますか?
A5. はい、当クリニック(中村橋駅徒歩1分)は365日診療を行っております。土日や祝日でも、お子さんの急な発熱やおしっこの異変に対応いたしますので、ご不安な際はお気軽にご相談ください。
尿路感染症、頻尿、排尿時痛について気になることがあれば、当院の腎夜尿症外来にご相談ください。血液検査、尿検査、腹部超音波検査が実施可能です。
腎臓専門外来の案内:https://www.besta-kids.jp/special-outpatient/#link03
検尿異常:https://www.besta-kids.jp/2025/05/09/1745/
肉眼的血尿:https://www.besta-kids.jp/2025/05/02/1687/
ネフローゼ症候群:https://www.besta-kids.jp/2025/05/24/1852/
慢性糸球体腎炎:https://www.besta-kids.jp/2025/09/01/2649/
溶連菌感染後急性糸球体腎炎:https://www.besta-kids.jp/2025/08/28/2574/
尿路感染症:https://www.besta-kids.jp/2025/05/02/1666/
包茎:https://www.besta-kids.jp/2025/05/16/1823/
夜尿:https://www.besta-kids.jp/2025/05/16/1773/
監修者
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
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参考文献
- 小児腎臓病学 改訂第3版
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属

