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赤ちゃんの「ガクッ」「ビクッ」は異常?
点頭てんかんとモロー反射を見分ける6つのポイント
この記事を監修した医師
もくじ

赤ちゃんがふいに「ガクッ」と体を震わせたり、「ビクッ」と手足を広げたりすると、「病気なのかな」と心配になりますよね。こうした動きの多くは、生まれたばかりの赤ちゃんによく見られる生理的な反応です。
ただ、なかには点頭てんかんという病気の症状として現れることもあり、見分けがつきにくい場合があります〔1〕。この記事では、練馬区中村橋の小児科医が、両者の違いと受診の目安をお伝えします。
この記事の要点3つ
- ビクッとした動きの多くは、モロー反射などの生理的な反応です
- 点頭てんかんは、短い動きが何度も続く「まとまり」が特徴です
- 迷ったら動画を撮って、早めに小児科を受診しましょう
こんなことでお悩みではありませんか?
✔ 寝入りや寝起きに体がガクッとする
✔ 同じ動きが続き、見分けがつかない
✔ 受診したほうがよいか迷っている
赤ちゃんの「ガクッ」「ビクッ」は、どんな動きでしょうか?
モロー反射は、大きな音や体がふいに揺れたときに起こる反射です。
- 両腕を左右に広げる
- 抱きつくように伸ばしたあと、ゆっくり戻る
- 生後まもなくから見られる
- 多くは生後3か月ごろから、少しずつ目立たなくなっていく

点頭てんかんとは、どんな病気でしょうか?
点頭てんかん(West症候群)は、乳児期に起こるてんかんの一つです。
- 生後3〜12か月ごろに始まることが多いとされています
- 首や体が前に折れるような短い動きが、連続して繰り返し起こるのが特徴です

早く気づいて適切に対応することが、お子さんの発達を守るうえで大切だといわれています。
見分けるための6つのポイント
- 動きの「まとまり」:モロー反射は1回ずつ起こることが多い一方、点頭てんかんは数回から数十回と続けて起こることがあります。
- 動きの形:モロー反射は両腕が左右対称に広がるのが典型的です。点頭てんかんは、首や体が前に折れる動きが中心になることがあります。
- きっかけ・タイミング:モロー反射は音や揺れなどのきっかけで起こることが多いです。点頭てんかんは、特にきっかけがなく起こることもあり、寝起きや眠りに入る前後に起こりやすいといわれています。
- 機嫌や反応:モロー反射のあとは、抱っこなどで落ち着きやすいです。点頭てんかんでは、ぼんやりしたり周りへの反応が乏しくなったりすることがあります。
- 発達の様子:点頭てんかんでは、それまでできていた笑う、首がすわる、手を伸ばすなどの動きが少なくなることがあります。
- 発症年齢:モロー反射は生まれてまもなくから見られ、多くは生後3か月ごろから少しずつ目立たなくなります。点頭てんかんは、生後3〜12か月ごろに始まることが多いとされています。

ひとつだけで判断するのは難しいため、いくつかの点をあわせて見ることが大切です。
動画を撮って受診するとよい理由は?
気になる動きは短く、診察室では見られないことがよくあります。動画があると、医師が動きの形や回数を確認しやすくなります。
- 動きの始まりから終わりまで、続けて起こる様子がわかるように撮る
- 日時と回数をメモしておく
- 眠っていたか、起きていたかもメモしておく

迷ったときは、まず動画を撮っておくのがおすすめです。
動画だけで見分けられる?診断に使われる「脳波検査」
モロー反射と点頭てんかんは、動きがとてもよく似ています。お持ちいただいた動画だけで確実に見分けるのは、小児科医でも難しいことがあります。
また、乳児良性スパズム(成長とともに自然に見られなくなる、心配の少ない動き)など、ほかの動きと見分ける必要があることもあります〔2〕。
そのため、診断には次のような検査が使われます。
- 脳波検査:脳の電気的な活動を調べる検査です。ただし、動きが起きていないときは、病気があっても異常が出ないことがあります
- 発作時ビデオ脳波検査:動きが起きているときの脳波と映像を同時に記録する検査です。もっとも確かな方法とされていますが、できる医療機関は限られ、多くは入院して行います
早めに受診をおすすめするのは、どんなときでしょうか?
次のようなときは、早めに小児科を受診してください。
- 同じような動きが何度も続く、またはまとまって起こる
- 首がすわる、笑う、手を伸ばすなど、できていたことが少なくなった
- ぐったりしている、顔色が悪い、呼びかけへの反応が弱い
- 発熱をともなう、呼吸が苦しそうに見える
夜間や休日で心配が強いときは、お住まいの地域の小児救急電話相談(#8000、地域により異なります)や、救急の窓口をご利用ください。
当院でできること
当院(練馬区中村橋)では、小児科の診療として、赤ちゃんの気になる動きについてご相談を承っています。在籍する医師は全員、日本専門医機構認定の小児科専門医です。
お持ちいただいた動画を見ながら経過をうかがい、点頭てんかんなどが疑われる場合は、発作時ビデオ脳波検査や専門の治療ができる医療機関をご紹介します。
練馬区周辺で「これは大丈夫なのかな」と迷われたときも、どうぞお気軽にご相談ください。
参考文献
- 〔1〕The Moro reflex: insights into the pathophysiology of generalized tonic-clonic seizures and infantile spasms
- 〔2〕Benign spasms of infancy: a mimicker of infantile epileptic disorders
医療上の免責事項
本記事は、赤ちゃんの動きに関する一般的な情報をまとめたものです。個別の診断や治療方針を示すものではありません。気になる症状があるときは、直接医師にご相談ください。
FAQ(よくある質問)
Q1. 動画をうまく撮るコツはありますか?
お顔の表情や目の動き、手足の曲がり具合などがわかるよう、少し離れて全身を明るい場所で撮影していただけると診断の大きな助けになります。
Q2. 乳児良性スパズムとは何ですか?
点頭てんかんと似たビクッとする動きが、何度も続けて起こること(シリーズ形成)がありますが、脳波に異常はなく、発達の遅れや退行も伴わない良性のものです。多くは2歳ごろまでに自然に見られなくなります(自然消失)。ただし、点頭てんかんとの見分け(鑑別)には、専門医の診察が必要です。
Q3. モロー反射はいつまで続きますか?
個人差はありますが、多くは生後3か月ごろから、脳の発達とともに少しずつ目立たなくなっていきます。
Q4. 発達の退行(たいこう)に気づくにはどうすればいいですか?
「目が合わなくなった」「あやしても笑わなくなった」「今までできていた寝返りをしなくなった」など、日々のふれあいの中での違和感が重要なサインとなります。
Q5. 休日に症状が出た場合でも診てもらえますか?
はい。当院は練馬区周辺の皆様が安心できるよう、土日祝日も診療しています。気になるときはご相談ください。
この記事を監修した医師
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属

