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こどもがやけどをした時、どう対応する?正しい処置と受診の目安
この記事を監修した医師

小児科専門医/院長
濵野 翔
不意のやけどは日常的に急に起こり得ます。
いざという時に落ち着いて対応できるよう、お家でできる正しい処置と病院へ行く目安をお伝えします。
もくじ
子どものやけどは家庭内が80%

子どもは大人よりも皮膚が薄く、同じ温度でも短時間で深いやけどになりやすい特徴があります。
およそ80パーセントのやけどが家庭内で発生しており、そのうち半分は台所で起きているというデータが示されています。
Epidemiologic Investigation of Burn Patients in Sichuan Province, China
1歳前後の歩き始めの時期は好奇心旺盛で、手の届く範囲が広がるため、特に注意が必要です。
熱い飲み物やスープなどをこぼしてしまう
炊飯器や電気ケトルの蒸気に触れてしまう
ストーブやヒーターなどの暖房器具に近づく
使用中のアイロンやヘアアイロンに手を伸ばす
湯たんぽやカイロなどによる低温やけど
鍋やフライパンなどの調理器具に手を伸ばしてしまう
火や油、花火などによるやけど
正しい応急処置の手順を教えてください

まずは流水でしっかり冷やす
水道から出る弱めの流水を直接やけど部分に当て、最低でも10分、できれば15〜30分程度を目安に痛みが和らぐまで冷やし続けます。水流が強すぎると皮膚がはがれてしまう恐れがあるため、シャワーのように水圧を分散させたり、桶や浴槽に水を張ってその中で冷やしたりするのも有効です。
服を着ている場合は服の上から冷やす
衣類と皮膚がくっついているときに慌てて服を脱がせると、皮膚が一緒に剥がれてさらなるダメージを与えてしまう恐れがあります。まずは服を着たまま流水をかけてしっかり冷やし、十分に冷えてから衣類を脱がせるか、病院でハサミで切ってもらうのが安全です。
顔などは冷やしたタオルを使う
顔のように直接水をかけられない部位は、冷水でしぼったタオルを当てて冷やしてください。
やってはいけないNG行動

氷や保冷剤を直接当ててはいけません
冷えすぎて血流が悪くなり、正常な皮膚まで凍傷になってしまう恐れがあるため避けてください。
水ぶくれをつぶす
水ぶくれの膜は、傷ついた皮膚の内側を守り、外部から細菌が入るのを防ぐ大切なバリアの役割を果たしています。つぶしてしまうと細菌感染のリスクが高まり、治りが遅くなったり傷跡が残る原因になったりするため、つぶさないようにしてください。もし破れてしまった場合でも、皮膚をはがさずに清潔なガーゼなどで軽く覆うにとどめます。
自己判断で薬や消毒液を塗る
市販の軟膏や油などを勝手に塗ると、熱がこもって悪化したり、感染の原因になることがあります。また、消毒液は刺激が強く、傷口の細胞を傷つけて自然な回復を妨げてしまうことがあるため、使用は控えることが推奨されています。
救急車を呼ぶべき状況とは?

やけどの範囲が広い(全身の約10%以上)
やけどの範囲が全身の約10%以上に及ぶ場合は危険です。片腕や片足全体で約10%、背中もしくはお腹全体で約20%が目安となります。
顔面や呼吸に関わる部位のやけど
顔面にやけどを負っている場合や、熱い煙などを吸い込んで気道(呼吸の通り道)にやけどを負っている可能性がある場合は、呼吸困難に陥る恐れがあるため非常に危険です。
皮膚が白や黒に変色している
やけどをした部分の皮膚が白色や黒色(褐色)に変色している場合は、皮膚の深くまでダメージが及んでいる「Ⅲ度熱傷」の疑いがあります。神経まで損傷している場合は、逆に痛みを感じないことがありますが、重症ですので直ちに受診が必要です。
意識がない・ぐったりしている
意識がもうろうとしている、ぐったりしている、出血して顔色が悪いといった全身状態の悪化が見られる場合です。また、水分が取れずにおしっこが出ていないような脱水症状がある場合も危険です。
電気や化学薬品によるやけど
コンセントなどによる電気やけど(感電)や、化学薬品によるやけどの場合です。これらは表面の見た目以上に、体の深部までダメージが及んでいる可能性があります。
とっさの対応のポイント
病院に行くべきかどうか、迷っています

水ぶくれができている場合
やけどの範囲が「子どもの手のひら」より大きい場合
顔、首、手足の指、関節、陰部などをやけどした場合
赤ちゃん(1歳未満)のやけどの場合
痛みの様子がおかしい場合
症状が悪化している場合
ご自宅でのケア方法(軽症の場合)

1. まずはしっかり冷やす
2. 患部を清潔に保つ
3. 薬の塗布と保護
摩擦などが気になり、患部を保護したいときは、白色ワセリンなどの軟膏を塗ってください。ガーゼ保護も有用です。
4. 治りかけ・やけど跡のケア
消毒は不要という新しい常識と湿潤療法

昔はやけどやケガをしたら消毒液を塗り、乾かしてかさぶたを作るのが一般的でした。現在では、消毒液は傷を治そうとする細胞の働きを弱めてしまうため、基本的には使わないことが推奨されています。
湿潤療法(モイストヒーリング)
市販のハイドロコロイド製剤は、乳幼児には要注意
やけどを起こさないための予防策と家庭でのポイント

子どものやけどを防ぐためには、家庭内の環境を見直すことが最も効果的です。まずは、給湯器の温度設定を50度以下にしておくことで、お風呂場や洗面所での予期せぬやけどを防ぐことができます。
また、テーブルクロスは子どもが引っ張って上の熱い飲み物をかぶる危険があるため、使用を控えるのが無難です。
さらに、ハイハイやつかまり立ちの時期に多いのが、炊飯器や加湿器の蒸気によるやけどです。蒸気口から出る熱気は非常に高温で、わずか1秒触れただけでも深いやけどになります。蒸気が出る家電は子どもの手が届かない場所に置き、電気ケトルは湯漏れ防止機能が付いたものを選ぶと安心です。
FAQ

Q1: 練馬区の中村橋駅周辺で休日に子どもがやけどをしてしまいました。どうすればよいですか?
A1: まずは流水で15分から30分ほど患部を冷やしましょう。水ぶくれができている場合や、お子さんの手のひらより広い範囲の場合は、休日診療所や救急外来を受診しましょう。片腕や片足ほどの広い範囲の場合や、顔のやけど、声のかすれなど気道熱傷が疑われる場合はすぐに救急車を呼んでください。
Q2: やけどにマキロンなどの消毒液をかけてもいいですか?
A2: 消毒液は傷を治そうとする細胞の働きを弱めてしまうことがあるため、ご家庭での消毒はお勧めしていません。まずは水道水で冷やしたり洗ったりすることが第一の対応です。
Q3: 処方された軟膏はどのくらいの量を塗ればいいですか?
A3: ガーゼが直接傷にくっつかないよう、傷口のほうに軟膏をアイシングクッキーのクリームのようにたっぷりと厚めに塗ってから、ガーゼをそっと乗せてあげましょう。
Q4: 保育園に行く前に市販のキズテープを貼ってもいいですか?
A4: 小さなお子さんの場合は誤って口に入れたり、中で細菌が増えてしまったりするリスクがあります。年齢制限の注意書きを確認し、乳幼児にはワセリンとガーゼでケアするのが無難です。
Q5: ワセリンとガーゼでケアしていますが、お風呂に入れてもいいですか?
A5: お風呂に入って問題ありません。ガーゼを外し、石けんの泡で傷口を優しく撫でるように洗い、シャワーでしっかり流しましょう。お風呂上がりに再びワセリンと新しいガーゼで保護しましょう。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでの対応方針

練馬区の中村橋駅近くにある当院では、やけどの初期対応として、傷の洗浄と痛みを和らげる保護処置を行っています。
お家でのケアが難しい深い傷や、顔のやけどなどでより専門的な傷跡ケアが必要と判断した場合は、速やかに近隣の形成外科などの専門医へご紹介いたします。
医療上の免責事項
本記事の記載内容は、一般的な医療情報を提供するものであり、個別の患者様に対する医学的アドバイスや診断を代わるものではありません。症状にご不安がある場合は、医療機関を直接受診し、医師の診察を受けてください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
