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小5のおねしょが治らない…考えられる原因と改善方法をわかりやすく紹介

「もう小学5年生なのに、まだおねしょが…」と悩んでいませんか? 宿泊行事を前に、お子さんが不安な様子を見せていると、親としても心配になりますよね。
夜尿症は珍しいことではありません。有病率は小学1年生で10%、小学5年生でも5%程度とされており、クラスに1人か2人は同じ悩みを抱えているのが現実です。(※1)
この記事では、夜尿症の特徴や原因、受診の目安、治療法、家庭での対策についてわかりやすく解説します。
小学校高学年に多い夜尿症の特徴

おねしょが続く小学校高学年に多い、夜尿症の特徴を解説します。
成長とともに治りにくいケースの傾向
小学5年生になっても治らないおねしょは、自然治癒に時間がかかる場合があります。
10歳前後の時期は体が成長する一方で、尿量を調節する抗利尿ホルモンの分泌サイクルや尿を溜める膀胱の機能が整っていないためです。おねしょをしてしまう心理的なストレスも、症状に影響することがあります。
おねしょがほぼ毎晩続く、昼間にもおもらしがある場合などは、生活習慣の工夫だけでは改善しにくいことがあります。家族に成人近くまで夜尿症だった方がいる場合は、遺伝の影響も考えられ、専門的な治療が必要になることもあるでしょう。
早めに治療を始めることが、子どもの自信や学校生活の安心につながります。
小学校高学年に多い夜尿のタイプ
夜尿症は、夜のおねしょだけが症状だと思われがちですが、以下の2つのタイプに分けられます。

子どもの状態に近いタイプを知ることは、適切な治療をするうえで重要です。
思春期の心身の変化と夜尿の関連
小学5年生は思春期の入り口にあたり、心身の変化がおねしょの治りにくさに影響することがあります。
小学校高学年〜中学生は、体の成長と自律神経の発達がズレやすく、精神的にも不安定になりやすい時期です。
本人は自覚がなくても、学校での人間関係や勉強のプレッシャーなどのストレスが自律神経系や睡眠の質に影響を及ぼし、排尿のコントロールが難しくなることがあります。また、おねしょ自体がストレスとなり、悪循環に陥ることもあります。
友人関係や勉強や受験の悩み、体の変化への戸惑いなどが重なり、一度治まっていたおねしょが再発することも珍しくありません。中学受験のための塾通いや、部活動・クラブチームでの運動量増加など、身体や脳の疲労によって、睡眠が深くなると尿意に気づきにくくなります。
「おねしょをしている」という事実は自尊心を傷つけ、宿泊行事を避けたり、友達との関わりを控えたりする原因にもなります。体の問題だけでなく、思春期特有の心の変化にも寄り添う姿勢が大切です。
おねしょが続く主な原因

体の発達や生活リズムなどが影響し、小学校高学年でもおねしょが続くことがあります。ここでは、おねしょの代表的な原因を解説します。
夜間に作られる尿が多い
夜に作られるおしっこの量が多いと、おねしょが起こりやすくなります。
私たちの体は通常、夜になると「抗利尿ホルモン」というホルモンを分泌し、腎臓に働きかけて尿を濃くし、量を減らす仕組みがあります。この働きによって、寝ている間はおしっこの量が少なくなり、朝までぐっすり眠れるのです。
成長途中の子どもでは、この抗利尿ホルモンの分泌リズムがまだ十分に整っていないことがあります。その場合、夜になっても尿の量があまり減らず、寝ている間にたくさんのおしっこが作られてしまいます。
これを「夜間多尿」と呼び、夜尿症の原因の一つと考えられています。夜の間に作られる尿の量が膀胱に溜められる量を超えてしまうと、脳が目を覚ます前におしっこが出てしまい、おねしょしてしまうのです。
「夜間多尿」かつ「尿意に気づいて起きられない」タイプの子の場合、おねしょの頻度はより上がります。
膀胱に溜められる尿量が少ない
膀胱の容量が年齢平均よりも小さいと、夜尿症が起こりやすくなります。
成長途中の子どもは膀胱が刺激に敏感で、少量の尿でも尿意を感じてしまい、夜間に膀胱が膨らみにくいことがあります。昼間のトイレの回数が多い、急な尿意で我慢できない場合は、膀胱の容量がまだ小さめなのかもしれません。
本来は尿がある程度溜まると脳に尿意が伝わりますが、その働きが十分でないと、眠っている間におしっこが出てしまうことがあります。冷えや便秘も膀胱の広がりを妨げるため、夜尿につながりがちです。
膀胱に溜められる尿量の目安は「(年齢+2)×25ml」で、10歳なら約300mlです。(※1)夜間の尿がこの量を超えると、おねしょが起こりやすくなります。
深い眠りで尿意に気づきにくい
睡眠が深すぎて、脳が尿意に気づけないこともおねしょの主な原因です。揺すっても起きないほど眠りが深い子どもに見られ、日中の疲れや睡眠リズムの乱れが、さらに深い眠りを招きます。
深い眠りそのものが問題なのではなく、膀胱からの刺激に反応して覚醒する機能が未発達であることが関係しています。この機能は成長とともに徐々に整っていくと考えられています。
夜中にトイレに起こすと睡眠の質が下がり、逆効果になります。
便秘・ストレス・病気が関係する場合
身体機能の問題だけでなく、便秘やストレス、ほかの病気が、おねしょの背景に隠れていることもあります。便秘によって腸が膀胱を圧迫されると尿をためにくくなり、便秘の改善だけで夜尿が良くなる場合もあります。
進級や転校、友人関係、家庭環境の変化などのストレスは自律神経のバランスを乱し、ホルモン分泌や膀胱の働きに影響することがあり、いったん治ったあとに再発する二次性夜尿症のきっかけになることも少なくありません。
さらに、腎臓などの病気が背景にあると、尿を濃縮する力が弱まり、夜間の尿量が増えることがあります。
医療機関の受診タイミング

夜尿症に対し、家庭での対策に行き詰まりを感じたら、早めに医師に相談をしましょう。ここでは、夜尿症の受診タイミングや診療科の選び方を解説します。
受診の判断基準
小学5年生になってもおねしょが続く場合は、医療機関への相談を検討しましょう。特に、週に1回以上の頻度でおねしょが続いている、一度治ったのに再発した、昼間にもおもらしがある場合は注意が必要です。
高学年になると宿泊行事などへの不安が強くなりやすいため、早めに医師のサポートを受けることが大事です。
小児科と泌尿器科の選び方
受診する際は、まずはかかりつけの小児科や夜尿症外来を検討しましょう。
小児科医は、子どもの健康や発達を総合的に診る専門家で、思春期の心のケアにも配慮してくれます。生活習慣の見直しなど、基本的なアドバイスから始めたい場合にもおすすめです。
泌尿器科は、腎臓や膀胱、尿道の専門家です。尿路感染症やエコー検査で異常を指摘されたとき、昼間のおもらしなど膀胱の働きに不安があるときは、受診の目安になります。小児科で改善が見られない場合も相談できます。
診療科に迷うときは、普段から慣れている小児科に相談するのが安心です。小児科医が子どもの状態を踏まえて、必要に応じて適切な科へつないでくれます。
小児夜尿症の主な治療法

小学5年生のおねしょ治療では、本人のやる気を引き出しながら、医学的なアプローチを組み合わせることが大切です。ここでは、生活習慣の見直しのポイントや医療機関で行われる夜尿症の治療を解説します。
生活習慣の見直し
おねしょ治療の土台となるのは、以下の生活習慣を整えることです。

正しい排尿のリズムを親子で一緒に整えていくことから治療が始まります。
アラーム療法
夜尿症に有効とされているのが、水分に反応するセンサーを使ったアラーム療法です。(※1)医療保険の対象ではないため、導入する際は費用面の確認が必要です。
アラーム療法では、排尿が始まった瞬間に音で知らせることで、子どもの排尿感覚を育てます。パンツにつけたセンサーが尿を感知してアラームが鳴ることで、脳が膀胱の状態を認識しやすくなり、排尿感覚が整っていきます。(※1)
最初はアラームが鳴っても起きられないことがあるため、家族が子どもを起こしてトイレへ誘導することが大切です。続けていくことで、夜間でも尿意で目覚めやすくなったり、膀胱に溜められる量が増えたりすることが期待されます。
アラームで起きられなくても叱らず、体質によるものと理解して、親子で取り組むと成功につながりやすいです。即効性はないものの、根本的な改善が期待できる方法として推奨されています。
抗利尿ホルモンなどの薬物療法
おねしょの治療では、夜間の尿量や膀胱の働きに合わせて薬が使われることがあります。
抗利尿ホルモン薬は、夜に作られる尿の量を減らす作用があり、夜間多尿型のおねしょに有効です。ただし、服用後は水分制限が必要になります。膀胱が過敏に収縮しやすい場合には抗コリン薬が用いられ、膀胱の緊張を和らげてためられる尿量を増やしますが、口の渇きや便秘などの副作用が出ることがあります。
薬の種類や使用の判断は、おねしょのタイプや子どもの状態を踏まえて医師が行います。
家庭でできる夜尿対策と子どもへの接し方

家での環境づくりは、夜尿が続く子どもの心を支える大切な要素です。ここでは、家庭でできる夜尿対策と子どもへの接し方を解説します。
夜尿量を把握する
家庭では、おねしょ日記をつけ、子どもの尿量を把握することから始めましょう。(※1)
夜尿量は、以下の手順で測定します。
- 寝る前に乾いたおむつの重さを量る
- 朝に濡れたおむつの重さを量り、「おねしょ量」を計算する
- 朝一番の尿量も量る
- 「おねしょ量+朝一番の尿量」を計算する(夜間に作られた尿量がわかる)
- 結果を排尿日誌に記録する
記録を続けると、生活習慣の改善が実感しやすくなり、子どもの自信や治療への前向きさにつながることがあります。
水分摂取のタイミングと量を見直す
おねしょ対策で大切なのは、水分量そのものを減らすのではなく、夕方以降の飲み方を整えることです。
午前中から夕食前にかけてはしっかり水分をとり、学校では水筒を持参するなど、こまめに飲める環境を整えましょう。一方で、夕食時の水分はコップ1杯程度を目安にし、夕食後から就寝までは水分を控えます。
塩辛い物や甘いお菓子は喉の渇きを強めるため控え、夕食は薄味で食物繊維を意識して便秘予防につなげると効果的です。また、緑茶や紅茶、コーラなどカフェインを含む飲み物は利尿作用があるため、夜は避けたほうがよいでしょう。
寝る前の排尿を習慣にする
おねしょがある子には、寝る前にトイレに行く習慣をつけることが推奨されます。
布団に入る2〜3時間前と寝る直前の2回トイレに行くと安心です。歯磨きや着替えとセットにして寝る前の流れに組み込むのも排尿の習慣化につながります。
緊張すると尿が出にくい子もいるため、寝る前にしりとりなどの言葉遊びで気持ちをほぐすと、リラックスして排尿を促せます。本人がしっかり起きている状態で、トイレを済ませることが大切です。
怒らず安心させる親の接し方
おねしょへの接し方の基本は、怒らず、焦らず、ほかの子と比べないことです。
特に小学校高学年になると、本人も気にしていることが多いため、叱られると必要以上に落ち込んでしまうことがあります。失敗しても大丈夫だと伝え、朝まで眠れた日は前向きに声をかけるようにしましょう。
夜尿症は体の発達と関係しており、本人の努力だけでは改善が難しい場合もあります。周囲の過度なプレッシャーは、かえってストレスにつながることがあります。できた日を一緒に確認したり、カレンダーに印をつけたりすると、無理なく継続しやすくなります。
状況に応じて声かけや関わり方を調整しながら、見守る姿勢を大切にしましょう。
まとめ
夜尿症は、夜間の尿量や膀胱の働き、体の成長など、さまざまな要因が関わっています。家庭では、子どもが安心して夜尿対策に取り組める環境づくりが大切です。結果に一喜一憂するのではなく、日々の変化を温かく見守ることが、子どもの自信につながります。
まずは生活習慣の見直しから始めて、改善が見られない場合や宿泊行事などで不安を抱えているときは、小児科の医師に相談してみましょう。専門家のサポートを受けることは、おねしょ改善の前向きな一歩になります。
ベスタこどもとアレルギークリニックでは、夜尿症に関する相談も受け付けています。小学校高学年になってもおねしょが続き、不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 日本夜尿症学会:「夜尿症診療ガイドライン2021」
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監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
