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おむつかぶれに亜鉛華軟膏はどう使う?効果と正しい塗り方を解説
この記事を監修した医師

小児科専門医/院長
濵野 翔
赤ちゃんのおしりが赤くなっていると、見ている親御さんもつらくなりますよね。
おむつかぶれは、赤ちゃんのデリケートな肌に起こる皮膚炎です。
この記事では、おむつかぶれの治療薬の効果的な塗り方、おむつかぶれを繰り返さないための予防法を解説します。
正しいケアで、赤ちゃんのすべすべおしりを取り戻しましょう。
おむつかぶれとは?原因と症状

赤ちゃんの肌は荒れやすい
赤ちゃんの肌は、皮膚の表面を外部の刺激から守るバリア機能が未熟なため、わずかな刺激で容易に皮膚の炎症が起きてしまいます。
尿に含まれるアンモニアや便に含まれる消化酵素によって、肌に刺激を与えることがおむつかぶれの原因の1つです。
おむつそのものが肌と擦れたり、おしりふきで拭いたりすることも、皮膚の表面を傷つけることにつながります。
おむつの中は尿や汗で湿度が高くなるため、皮膚がふやけやすくなることも悪化の原因です。皮膚がふやけるとバリア機能が低下し、わずかな刺激でも傷つき、炎症が起こりやすくなります。
症状
おむつかぶれは、軽い赤みから痛みを伴うものまでさまざまです。
初期症状は、おむつが直接当たるおしりや太ももの付け根、性器の周りが赤くなることです。
症状が進行すると、小さな赤い発疹(丘疹)ができたり、皮膚の表面がむけてじゅくじゅくし、泣いて痛みを訴えるようになります。
小児科でよく処方される軟膏

外来では、お子さんの肌の状態に合わせていくつかのお薬を使い分けます。 それぞれの役割を知っておくと、安心してケアを続けられます。
ワセリンやヘパリン類似物質などの「保湿剤」
お肌の水分を保ち、外からの刺激から守るバリアの役割をしてくれます。 乾燥肌のケアだけでなく、よだれかぶれやおむつかぶれの予防にも使われます。 毎日続けることで、肌トラブルが起きにくい状態を作ることができます。
穏やかに炎症を鎮める「非ステロイド性抗炎症薬(アズノールなど)」
鮮やかな青色が特徴の軟膏で、カモミール由来の成分が含まれています。 ステロイドは入っておらず、おむつかぶれや軽い肌荒れの炎症を穏やかに鎮めます。 長期間使っても皮膚が薄くなる心配が少なく、繰り返す軽い肌トラブルに使いやすいお薬です。
水分を吸い取り肌を保護する「亜鉛華軟膏」
真っ白で少し硬めのドロッとした軟膏です。 ジュクジュクとした浸出液を吸収して乾燥させ、お肌を保護する働きがあります。 おむつかぶれでおしりが赤くただれてしまった時などに、たっぷり乗せて使われます。 水で洗っても落ちにくい特徴があるため、無理にこすらずベビーオイルなどで優しく落とすのがコツです。
赤みやかゆみを抑える「ステロイド外用薬」
湿疹や虫刺されなどで、肌に炎症が起きている時に使われるお薬です。 ステロイドと聞くと不安に感じる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、症状に合わせて適切な強さの薬を必要な期間だけ使えば、安全に炎症を鎮めることができます。 自己判断で量を減らすと長引く原因になるため、指示された量をしっかり塗ることが大切です。
細菌の繁殖を抑える「抗菌薬(抗生物質)」
とびひや、傷口からばい菌が入って化膿してしまった時などに処方されます。 細菌をやっつけるためのお薬なので、普通の湿疹や乾燥肌には使いません。 良くなったように見えても菌が残っていることがあるため、医師の指示通りに最後まで使い切りましょう。
カビの一種をやっつける「抗真菌薬」
カンジダというカビの一種が原因で起きる皮膚炎に使われるお薬です。 おむつかぶれだと思ってケアをしていても、赤いブツブツが広がる時に処方されます。 ステロイドや保湿剤では治らないため、専用のお薬で原因菌をしっかり叩く必要があります。 見た目が綺麗になっても菌が潜んでいることがあるため、指示された期間は塗り続けてください。
おむつかぶれの薬の塗り方

薬を塗る前にまず大事なこと
塗り薬の効果をしっかり引き出すには、薬を塗る前のスキンケアがとても重要です。
ポイントは「やさしく清潔にすること」と「しっかり乾かすこと」です。
おむつ交換の際、汚れが少ない場合はシャワーや霧吹きスプレーを使い、ぬるめのお湯で洗い流しましょう。
便が付いている場合は、ベビー用の石鹸をよく泡立て、手でなでるようにやさしく洗ってください。
おしりふきを使う場合は、擦らず、やさしく押し当てるようにして汚れを移し取るのがコツです。
おしりをきれいにしたら、次は水分を完全に取り除きましょう。湿ったまま薬を塗ると、蒸れの原因になったり薬の効果が薄れたりします。やわらかいタオルやガーゼを、おしりにそっと押し当て、水分を吸い取ってください。少し時間をおいて、自然に乾かすのも良い方法です。
亜鉛華軟膏の塗り方
下痢で肌がただれしまった場合に、最もよく用いられるのが亜鉛華軟膏です。
肌がみえなくなるくらい、たっぷり塗って使ってください。肌を保護するのが目的です。
下痢のたびに使用できますが、そのたびに軟膏を全部落とす必要はありません。うんちで汚れた軟膏のみ表面をつまんでとり、塗り足して使ってください。
亜鉛華軟膏の落とし方
油性の亜鉛華軟膏はシャワーだけだと落とせません。ベビーオイルやオリーブ油などでなじませながら優しくふき取りましょう。
症状がひどい場合の対処法
赤みが広がったり、ジュグジュグする場合は、亜鉛華軟膏に加え、炎症を抑える軟膏(ステロイド薬など)やバリアケアパウダーを使用することがあります。
バリアケアパウダーは、人工肛門(ストーマ)まわりの肌を守るための医療用の粉で、吸水性と肌の保護力に優れています。おむつかぶれのときに、排泄物や尿から肌を守り、治癒するのを助ける目的で使用されることがあります。バリアケアパウダーは医師の指導の下、おむつかぶれの症状がひどい場合にご購入を薦められるものです。じゅくじゅくして真っ赤にただれていると、軟膏がはじいて塗れなくなってしまうため、バリケアパウダーが効果を発揮します。
症状がひどい場合は以下の手順でぬっていきましょう。
- まず最初に、「やさしく清潔にすること」と「しっかり乾かすこと」が大切です。
- じゅくじゅくして真っ赤にただれている赤みや炎症がある部分にステロイド薬を塗ります。
- ステロイドを塗った後、皮膚がむけて汁が出ている部分にバリケアパウダーを使います。 患部に薄く雪が積もるように、軽く振りかけてください。パウダーが水分を吸って少しペースト状になることで、お肌に密着して保護してくれます。
- 最後に、ステロイドやパウダーを塗った上から、亜鉛華軟膏をたっぷりと重ねます。 これが一番外側の頑丈なバリアとなり、うんちやおしっこの刺激を跳ね返してくれます。 下の薬がはがれないように、バターを厚く塗るようなイメージで乗せていきましょう。
亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)と亜鉛華軟膏って違うんですか?

おむつかぶれの治療薬として代表的なのが、亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)と亜鉛華軟膏の2種類です。
2つの薬の主成分となる酸化亜鉛には、皮膚の表面に物理的な膜を作り、保護する作用があります。亜鉛華単軟膏と亜鉛華軟膏の違いは、以下のとおりです。
- 亜鉛華単軟膏(サトウザルベ®)は、しっとりして、伸びが良く、塗り広げやすいので、広範囲の赤みに適しています。
- 亜鉛華軟膏は、べたつきが強く、硬めの質感で、落ちにくく、より強力な保護膜を作りたいときに用います。
皮膚の状態によって処方される薬は異なりますが、どちらの薬も尿や便の刺激から肌を守るバリアとして大切な役割を果たします。
おむつかぶれの予防法

ここでは、おむつかぶれにならないためにできる、3つの予防法を解説します。
こまめにオムツを交換する
おむつかぶれ予防の基本は、おむつをこまめに交換することです。肌が刺激物にさらされる時間をできるだけ短くすることで、赤ちゃんの肌への負担を減らします。
以下のようなタイミングを目安にしてください。
- 授乳や食事の前後
- 便をしたことに気づいたとき
- 赤ちゃんが眠りから覚めたとき
- お出かけの前と帰宅したあと
- 入浴の前
清潔と保湿を保つ
おむつ交換の際は、おしりを清潔にし、皮膚のバリア機能をサポートする保湿ケアを行うことが大切です。
おしりの洗い方や拭き方は、汚れの程度に合わせて調整しましょう。おしりが便で汚れている場合は、ぬるま湯で洗い流すのが肌に優しく、汚れを落とせます。洗面器にお湯を張ったり、シャワーを使ったり、霧吹きスプレーを活用したりするとスムーズです。
石鹸は頻繁に使うと、肌に必要なうるおいまで奪ってしまうため、基本的には1日1回の入浴時のみにしましょう。湿った肌を放置するとふやけてしまい(浸軟:しんなん)、傷つきやすい状態になるため、水分が残らないようにしっかり乾かしてください。
清潔にしたあとの肌は、保湿剤でバリア機能を補い、刺激から守ってあげましょう。ワセリンなどの保湿剤を薄く塗ることで、皮膚の表面に保護膜を作り、尿や便の刺激物が直接肌に触れるのを防ぐことができます。
肌にあったオムツを使う
赤ちゃんの肌に長時間触れるおむつ選びは、かぶれ予防に重要です。サイズが合わないおむつは、摩擦や締め付けによる蒸れの原因になります。体型に合い、柔らかく刺激の少ない素材で、通気性がよく尿を素早く吸収するものを選びましょう。
赤ちゃんは成長が早いため、定期的にサイズを見直すことも大切です。特定のおむつで肌トラブルが起きやすい場合は、別のメーカーを試してみるのもいいでしょう。
まとめ

何よりも大切なのは、日々の予防ケアです。こまめなおむつ交換を心がけ、おしりを清潔でサラサラな状態に保ってあげましょう。
練馬区中村橋のベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、赤ちゃんのおむつかぶれのご相談も受け付けています。
赤ちゃんの肌トラブルでお悩みなら、ぜひお気軽にご相談ください。
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
