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子どもがとびひに感染したら保育園を何日休む?症状と登園基準を解説

子どもの肌にできた水ぶくれ。「あせもかな?」と思っていたら、あっという間に全身に広がってしまうことがあります。それは強い感染力を持つ皮膚の病気「とびひ」かもしれません。
とびひは集団生活で感染が広がりやすく、潜伏期間が2〜5日あるため、気づかないうちに周囲に感染が広がることもあります。
とくに、水ぶくれ・ただれ・かさぶたなどの病変から出る浸出液(じくじゅくした汁)**に菌が含まれ、手やタオルを介して広がります。早めに治療を始め、患部を覆うことが感染拡大予防のポイントです。
出席停止の明確な基準がなく、登園の目安に迷う保護者の方も少なくありません。
この記事では、とびひの症状や登園の目安、家庭でできるケアについて、詳しく解説します。お子さまのつらさを早めに和らげ、周囲への感染を広げないためにも、まずは基本から確認していきましょう。
もくじ
とびひ(伝染性膿痂疹)とは?

子どもの肌に水ぶくれやかさぶたができ、あせもや虫刺されとは違う様子の場合、その症状は「とびひ」の可能性があります。
正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といい、細菌による皮膚感染症です。主な原因菌は黄色ブドウ球菌やA群レンサ球菌(溶連菌)で、子どもによくみられる感染症です。
健康な皮膚には細菌の侵入を防ぐバリア機能があります。しかし、あせもや虫刺されの傷があると細菌が入り、「とびひ」を発症します。子どもは皮膚のバリア機能が十分に発達していないため、感染しやすい傾向です。
患部をかいた手でほかの部位に触れると、症状が広がることがあります。汗をかきやすい夏場は特に注意が必要です。
とびひは症状の現れ方によって2つのタイプに分けられます。水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)と痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)です。
水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)の症状
「水疱性膿痂疹」の主な症状は水ぶくれ(水疱)です。乳幼児から学童期の子どもに多く見られます。
原因の多くは黄色ブドウ球菌です。
症状の経過には、以下のような特徴があります。
- 赤みとかゆみのある水ぶくれができる
- 水ぶくれが拡大し膿(うみ)を形成する
- 水ぶくれが破れる
- 水ぶくれがやぶれた皮膚がただれる(びらん)
かゆみから患部をかきむしり、やぶれた水疱から染み出た液体によって次々と症状が広がるのが、水疱性膿痂疹の大きな特徴です。
痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)の症状
痂皮性膿痂疹は、年齢を問わずにみられるタイプのとびひです。アトピー性皮膚炎など、もともと皮膚のバリア機能が低下している方に起こりやすい傾向があります。
主な原因菌はA群レンサ球菌(溶連菌)ですが、黄色ブドウ球菌も同時に感染していることもあります。水疱性膿痂疹と異なり、季節に関係なく発症するのが特徴です。
症状には以下のような特徴があります。
- 皮膚に赤みや膿疱(膿を持ったぶつぶつ)ができる
- 膿疱がやぶれたあと、黄色味をおびた厚いかさぶたができる
- 皮膚のやや深い部分まで炎症が及び、痛みを感じることがある
水疱性膿痂疹のような大きな水ぶくれは目立たないことが多いのも特徴です。症状が強い場合、発熱やリンパ節の腫れ、のどの痛みなどの全身の症状があらわれることもあります。
原因となる溶連菌が関与して、まれに腎炎を引き起こすこともあるため注意が必要です。
とびひは保育園で広がりやすいので注意

保育園や幼稚園のような集団生活の場では、とびひは感染が広がりやすいとされています。
とびひの感染が広がりやすい主な理由は、子どもたちの生活環境と身体的な特徴にあります。
子どもたちは遊びの中で手をつないだり、じゃれ合ったりする機会が多く、知らないうちに患部へ触れてしまうことがあります。患部をかいた手で触れたおもちゃやタオル、絵本などをほかの子が使うことで、間接的に菌が広がることも少なくありません。
園ではタオルや寝具の共有を避けること、家庭では手洗い・爪切り・患部の保護を徹底することが大切です。
このような理由から、集団生活では短期間で感染が広がることがあります。感染拡大を防ぐためにも、早めに医療機関を受診し適切な治療を受けることが大切です。
子どものとびひで保育園は何日休む?登園基準と目安

とびひは感染力が強い皮膚の病気です。しかし、インフルエンザのように法律で「何日間は出席停止」と明確に定められているわけではありません。
登園できるかどうかの判断は、子どもの症状の程度や治療の状況、通っている保育園の方針によって異なります。自己判断で登園すると、周囲に感染を広げる可能性があります。
ここでは、登園の可否を判断する際の具体的な基準や目安を解説します。
保育園を休む日数の目安
とびひには「必ず〇日休む」という一律の決まりはありません。適切な治療を開始し、感染が広がる可能性が低いと医師が判断すれば、翌日から登園できる場合もあります。
厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、病変部を外用薬で処置し、浸出液がしみ出ないようにガーゼ等で覆えていれば通園可能とされています。
一方で、症状の程度によっては自宅での療養が望ましいこともあります。お休みが検討される主な目安は以下のとおりです。
- 患部が広範囲で、ガーゼなどで覆いきれない
- かゆみが強く、無意識にかきむしってしまう
- 新しい水ぶくれが増えている
これらの状態では、感染が広がりやすいと考えられます。
また、保育園ごとに対応方針が異なる場合があります。医療機関を受診のうえ、園のルールを確認して判断しましょう。
登園再開の基準
登園を再開するタイミングは、自己判断ではなく医師の許可を得ることが大切です。医師は、ほかの子どもへ感染が広がる可能性がなくなったかどうかを確認したうえで判断します。
登園再開の一般的な目安は以下のとおりです。
- 患部から滲出液(黄色い汁)が出てこないようガーゼなどで適切に覆える
- 熱や不機嫌がなく、全身状態良好である
これらを満たし、医師が「登園可能」と判断した場合に登園できます。最終的な対応は園の方針によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
プールはいつから参加できる?
とびひが治るまでは、基本的にプール活動は控えましょう。プールの水を介して感染するわけではありませんが、患部をかいて悪化したり、肌の接触やタオル共有で周囲にうつしたりする可能性があるため、治癒するまでプール(水遊び・水泳)は控えましょう。
また、塩素が治りかけの皮膚に刺激になることがあり、ガーゼや絆創膏も水中では剥がれやすくなります。
登園が許可されていても、これは「患部を適切に覆った状態での通常の生活」を想定した目安です。プールは特別な状況と考え、発疹がきれいに治り、医師から参加の許可が出るまでは見学などで対応しましょう。
登園許可証は必要?
とびひが治って登園を再開する際に、「登園許可証」などの書類が必要かどうかは、保育園の方針によって異なります。
厚生労働省のガイドラインでは、とびひは医師の意見書(いわゆる登園許可証)の提出が必須とされている感染症ではありません。基本的には、保護者が記入する「登園届」で対応可能な病気とされています。
ただし、園独自のルールとして医師が記入した登園許可証の提出を義務付けている場合もあります。
保育園に連絡する際に、以下の点を確認しておくと、その後の手続きがスムーズです。
- 登園再開時に、書類の提出が必要か
- 保護者が記入する「登園届」か、医師が記入する「登園許可証」か
- 園指定の書類があるか
事前に確認しておくと、登園できる状態になってから慌てる心配もありません。受診の際は、必要書類があるかどうかをあらかじめ園に確認しておきましょう。
とびひ罹患後に保育園で注意すべきポイント

とびひは治りかけの時期や登園再開後も、適切なケアを続けることが大切です。
登園を再開したあとも、家庭と保育園が連携し、子どもが安心して過ごせる環境を整える必要があります。これは、症状の再発を防ぐとともに、ほかの園児への感染拡大を防ぐためです。
登園再開後、保育園で注意すべきポイントをお伝えします。
患部はガーゼで覆い、露出を避ける
登園中は、患部をしっかり覆い、露出させないことが基本です。
水ぶくれやジュクジュクした部分から出る滲出液には原因菌が含まれており、手やおもちゃを介して感染が広がることがあります。患部を覆うことは、周囲への感染予防だけでなく、子ども自身が無意識にかきむしるのを防ぐ役割もあります。
感染を防ぐためにも、患部はガーゼや包帯で適切に保護しましょう。登園前に処置ができているかを確認することが、安心して園生活を送るためのポイントです。
患部を保護する際の注意点は以下のとおりです。
- 通気性があり、傷にくっつきにくいガーゼを選ぶ
- 患部より一回り大きいサイズで覆う
- 低刺激性テープやネット包帯でしっかり固定する
- ガーゼが湿ったらその都度交換する
保育園の先生にも状況を伝え、予備のガーゼやテープを預けておくと、万が一の際に対応してもらいやすくなります。
タオルや衣類の共有を避ける
とびひの感染拡大を防ぐためには、家庭や保育園での衛生管理が大切です。
特にタオル類は湿った状態が続きやすく、菌が付着しやすいため注意が必要です。患部に触れた手で使ったタオルをほかの人が使うと、感染が広がる可能性があります。兄弟や入浴時の保護者も例外ではありません。
以下のものは個人専用とし、共有を避けましょう。
- 手拭きタオルやバスタオル、プール用タオル
- 肌着やパジャマ、シーツ、枕カバーなどの衣類や寝具
- 体を洗うスポンジやボディタオル
洗濯は可能であれば子どもの衣類を分けて行うと安心です。日々の衛生管理を心がけることが、家庭内での感染拡大防止につながります。
患部をかきむしらない
とびひの患部は強いかゆみが出ることがあります。かきむしると皮膚が傷つき、症状が悪化しやすくなるため注意しましょう。
指や爪には目に見えない菌が付着していることがあり、かいてできた傷から菌が入り込むと炎症が広がる原因になります。患部に触れた手で別の部位に触れると、さらに症状が広がることもあります。
無意識にかくのを防ぐため、爪は短く整え、石けんで手洗いをこまめに行いましょう。かゆみが強い場合は、早めに医療機関を受診してください。
とびひの治療と家庭でのケア

子どものとびひは、適切な治療と家庭でのケアを組み合わせることで、改善が期待できます。治療の目的は、主に以下の3つです。
- 原因となる細菌をなくすこと
- 傷ついた皮膚のバリア機能を回復させること
- ほかの部位や周囲にうつさないこと
主な治療は、医療機関で処方される抗菌薬です。しかし、薬の効果を十分に発揮させるためにも、家庭で適切なスキンケアを合わせて行うことが大切です。
ここでは、処方薬の使い方や家庭での入浴時の注意点について説明します。
処方薬の使い方
とびひの治療は、原因菌の増殖を抑える抗菌薬が中心です。
患部に直接塗る外用薬(塗り薬)と、体の内側から作用する内服薬(飲み薬)があります。
症状が限られている場合は塗り薬、広範囲に及ぶ場合や重症例では飲み薬が処方されます。
塗り薬は患部に直接作用します。使用前は石けんで手を洗い、清潔な状態で塗りましょう。綿棒を使うと衛生的です。患部をこすらず、薬を優しくのせるように塗り広げてください。目に見える患部だけでなく周囲にもやや広めに塗ることがポイントです。
飲み薬は体の内側から菌の活動を抑えます。症状が改善しても、医師の指示どおりの期間は飲み切ることが大切です。途中で中止すると再発や耐性菌の原因になることがあります。かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬が併用されることもあります。
入浴時の注意点
とびひになっても、皮膚を清潔に保つために毎日シャワーを行いましょう。汗や汚れを洗い流すことは、症状の悪化防止につながります。
家族への感染を防ぐため、湯船につかるのは症状が落ち着くまで控え、シャワー浴を基本とします。
体を洗うときは、石けんをよく泡立て、たっぷりの泡でやさしくなでるように洗います。こすることは避けましょう。38〜40℃程度のぬるま湯で丁寧に流します。熱いお湯は、かゆみを強めることがあるため避けます。
入浴後は清潔なタオルで押さえるように水分を拭き取り、できるだけ早めに処方された塗り薬を塗ってガーゼで保護します。
まとめ
とびひで保育園を「何日休むか」に明確な決まりはありません。登園を再開する際は、自己判断せず医師の許可を得ることが大切です。水ぶくれやかさぶたなど、とびひを疑う症状があれば、早めに小児科や皮膚科を受診しましょう。
治療の基本は、処方された薬を指示どおりに使い切ることと、家庭での丁寧なケアです。患部をガーゼで保護し、爪を短く整えてかきむしりを防ぐことが、回復と感染拡大防止につながります。
とびひは広がりやすい感染症ですが、適切に対応すれば改善が期待できます。
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監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
