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赤ちゃんが発熱!髄膜炎の可能性は?見逃さないためのポイント【ベスタの小児科医が解説】
「あれ、なんだか熱っぽい…」「いつもより元気がないみたい…」 大切なお子さんの体調変化は、ご家族にとって何よりも心配なことですよね。特に、まだ言葉でうまく症状を伝えられない赤ちゃんが急に高熱を出すと、「もしかして、何か重い病気なのでは…」と不安に駆られるのは当然のことです。
その心配な病気の一つに「髄膜炎(ずいまくえん)」があります。名前を聞くとドキッとしてしまうかもしれませんが、髄膜炎は早期発見と適切な対応が非常に重要です。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、科学的根拠と専門医(小児科・アレルギー科)監修による信頼性の高い情報提供を心がけています。 当クリニックは、西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分とアクセスしやすく、練馬区、中野区、杉並区、西東京市など西武線沿線にお住まいの多くの保護者の皆様にご利用いただいております。アレルギー専門外来や腎夜尿症外来といった専門的な診療に加え、365日診療体制で、急な体調変化にも対応できる点が強みです。 当院の理念「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」に基づき、お子様一人ひとりの状況と保護者の方のお気持ちに寄り添った医療を提供いたします。
もくじ
はじめに:赤ちゃんの髄膜炎とは?
髄膜炎とは、脳と脊髄を覆っている「髄膜」という膜に炎症が起こる病気です 。この炎症は、主にウイルスや細菌などの病原体が髄膜に感染することで引き起こされます 。
特に赤ちゃん(新生児や乳児)は、免疫機能がまだ十分に発達していないため、大人や年長児に比べて感染症にかかりやすく、髄膜炎も例外ではありません 。また、赤ちゃんは自分で症状をうまく伝えられないため、「元気がない」や「食欲の低下」など、いつもと違う様子には注意が必要です。
こんな症状に要注意。見逃してはいけないサイン⚠️
赤ちゃんの髄膜炎は、初期には風邪のような症状と区別がつきにくいことがあります。
特に生後3ヶ月未満の赤ちゃんの38℃以上の発熱は、髄膜炎を含む重症感染症のリスクが高いため、時間外であっても必ず速やかな医療機関の受診が必要です。
- いつもと違う不機嫌さ、泣き止まない
「なんだかいつもと様子が違う」「抱っこしても何をしても泣き止まない」「あやしても笑わない」といった、原因のわからない強い不機嫌は注意が必要です 。
- ぐったりしている、元気がない、眠ってばかりいる
「ぐったりして力がない」「刺激への反応が鈍い」「いつもより明らかに眠りがち」といった状態は危険なサインです。
- 哺乳力の低下、嘔吐を繰り返す
「おっぱいやミルクを欲しがらない、飲めない」「飲んでもすぐに吐いてしまう」といった症状も要注意です。
- 大泉門(だいせんもん)の膨らみ
頭のてっぺんにある、骨がまだ閉じていない柔らかい部分(大泉門)がパンパンに張っている、膨らんでいる場合は、髄膜炎のサインの一つです。
- けいれん
けいれんが5分以上続く、左右非対称、けいれん後も意識が戻らない場合は特に緊急性が高いです。
- 首の後ろが硬くなる (項部硬直;こうぶこうちょく)
首を前に曲げようとすると抵抗があったり、痛がったりします。機嫌が悪く首を触られるのを嫌がるなどの様子が見られることがあります赤ちゃんでは分かりにくいこともあります。
髄膜炎の種類と原因:ウイルス性と細菌性の違い
髄膜炎は、原因となる病原体によって大きく「ウイルス性髄膜炎」と「細菌性髄膜炎」に分けられます。その他、稀に真菌(カビ)や結核菌などが原因となることもあります 。
ウイルス性髄膜炎(無菌性髄膜炎)
- エンテロウイルス(手足口病やヘルパンギーナの原因にもなる)、ムンプスウイルス(おたふくかぜの原因)、ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルスなどが代表的です。夏場に流行するエンテロウイルスによるものが比較的多く見られます 。
- 発熱、頭痛、嘔吐が主な症状です。細菌性髄膜炎と比べれば症状は比較的軽いです。
- 多くの場合、後遺症を残さずに自然に回復します。
- 特効薬はなく、症状を和らげる対症療法(解熱剤、水分補給など)が中心となります。
細菌性髄膜炎
- B群溶血性レンサ球菌(GBS)、大腸菌などが主な原因菌です。ワクチンのおかげでインフルエンザ菌b型(Hib:ヒブ)、肺炎球菌は最近全くみなくなってきました。
- ウイルス性よりも重症化しやすく、進行も早いことが多いです。高熱、激しい頭痛、嘔吐に加え、意識障害、けいれん、項部硬直などが現れやすいです 。
- 診断や治療が遅れると、命に関わったり、重い後遺症(発達の遅れ、知的障害、てんかん、難聴など)を残すリスクが高まります 。細菌性髄膜炎は緊急性の高い病気として扱われます。
- 原因菌に合わせた抗菌薬(抗生物質)の迅速な点滴投与が不可欠です。入院治療が必要となります 。
これらの鑑別には髄液検査が必要です。髄膜炎が疑われる症状があれば、まずは小児科専門の医師の診察を受けることが最も大切です。小さい赤ちゃんの発熱では小児科を専門的に診療しているクリニックを受診するようにしてください。
髄膜炎の検査と診断:小児科では何をする?
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問診と診察
お子さんの症状(いつから、どんな症状があるか、熱の経過、哺乳状態、機嫌など)や、予防接種の状況、感染症の流行状況などを詳しく伺います。全身状態の観察、神経学的な診察(意識の状態、首の硬さ、反射の確認など)を行います。
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血液検査
炎症の程度(白血球数、CRPなど)や、全身状態を把握するために血液検査を行います 。細菌感染が疑われる場合には、血液培養検査(血液中の細菌を調べる検査)を行います。クリニックで白血球やCRPが異常高値の場合、入院施設のある連携医療機関に紹介いたします。
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髄液検査(腰椎穿刺:ようついせんし)
髄膜炎の診断を確定するために最も重要な検査が「髄液検査」です 。 腰の背骨の間から細い針を刺して、脳と脊髄の周りを満たしている「髄液」という液体を少量採取します。採取した髄液を調べることで、炎症の有無や程度、原因となっている病原体(ウイルスか細菌か、細菌の場合はその種類など)を特定することができます。
「腰に針を刺すなんて、痛くないのか?危なくないのか?神経が傷つかないのか?」とご心配されると思います。 腰椎穿刺は、赤ちゃんにとって負担がない検査とは言えませんが、状態をきちんと観察しながらであれば安全に行うことができます。適切な穿刺部位であれば神経を損傷することはありません。髄液検査は髄膜炎の診断と治療方針の決定に不可欠です。
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画像検査
けいれんが続く場合や、脳の合併症(脳膿瘍、水頭症など)が疑われる場合には、頭部超音波検査、CT検査、MRI検査などの画像検査が行われることもあります。
髄膜炎の治療法:入院は必要?ホームケアは?
髄膜炎の治療は、その原因(ウイルス性か細菌性か)によって大きく異なります。
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ウイルス性髄膜炎の治療
多くの場合、ウイルス性髄膜炎には特効薬がありません。そのため、症状を和らげる対症療法が中心となります 。
- 脱水を防ぐためのこまめな水分補給が基本です。
- 高熱や頭痛に対しては、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤を使用します。
- 症状が軽ければ、外来での経過観察も可能です。嘔吐が続いて水分が摂れない場合、頭痛が強い場合、全身状態が悪い場合などは入院になることがあります 。
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細菌性髄膜炎の治療
細菌性髄膜炎は、迅速かつ適切な治療が予後を大きく左右するため、診断がつき次第、あるいは強く疑われた時点ですぐに治療を開始します 。
- 原因となっている細菌に効果のある抗菌薬を、点滴で大量に投与します。治療期間は、原因菌の種類や重症度によって異なりますが、一般的に1~3週間程度です 。
- 細菌性髄膜炎の場合は入院治療が必要です。専門的な小児医療スタッフによる24時間体制での管理のもと、抗菌薬の投与や全身状態のモニタリングが行われます。
- 炎症を抑え、後遺症のリスクを軽減する目的で、抗菌薬と同時にステロイド薬が投与されることがあります 。
- 発熱やけいれんなど、出現している症状に対する治療も並行して行われます。
家庭でのケア(入院中・退院後)
退院後も内服がしばらくは無理をせず、十分な休息と栄養を心がけましょう。定期的な受診で、回復状態や後遺症の有無などをチェックしていくことになります。
髄膜炎の予防:ワクチンと日常生活でできること
重症化しやすい細菌性髄膜炎は、ワクチンで予防できるものがあります。
大切な赤ちゃんを守るため、予防接種は非常に重要です。
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ワクチン接種による予防
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- ヒブ(Hib)ワクチン(インフルエンザ菌b型):
かつて乳幼児の細菌性髄膜炎の最大の原因でしたが、このワクチンの導入により劇的に減少しました。(筆者がヒブによる細菌性髄膜炎の症例を最後にみたのは2012年です。)
- 小児用肺炎球菌ワクチン:
肺炎球菌も細菌性髄膜炎や細菌性肺炎の原因となります。このワクチンも重症化予防に非常に有効です。
以下のワクチンも髄膜炎予防に関連します。
- BCGワクチン(結核):定期接種。結核性髄膜炎の予防。
- おたふくかぜワクチン:任意接種。ムンプス髄膜炎を予防するために重要です。
- MRワクチン(麻しん・風しん):定期接種。
- 水痘(みずぼうそう)ワクチン:定期接種。水痘の合併症としての髄膜炎・脳炎を予防します 。
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日常生活での予防
- 手洗い・うがい:基本的なことですが、感染予防の第一歩です。
- 咳エチケット:咳やくしゃみをする際は、ティッシュや腕で口鼻を覆うようにしましょう。
- 栄養と休息:バランスの取れた食事と十分な睡眠は高い免疫力を維持します。
- 母親から赤ちゃんへの感染予防(B群溶血性レンサ球菌など):妊娠中の検査でB群溶血性レンサ球菌(GBS)が陽性だった場合、分娩時に母子感染を防ぐための対策(抗菌薬投与など)が行われることがあります 。
髄膜炎は怖い病気ですが、正しい知識を持ち、予防できることはしっかりと行い、万が一の際には迅速に対応することが大切です。練馬区のベスタこどもとアレルギーのクリニックは、中村橋駅すぐの場所で、365日、お子さんたちの健康をサポートします。
よくある質問(FAQ)🔍
Q1: 赤ちゃんの髄膜炎の症状で、特に「見分け方」として気をつけるべきことは何ですか?
赤ちゃん、特に月齢の低い乳児の髄膜炎は、発熱以外にも、①いつもと違う不機嫌さ・泣き止まない、②哺乳力の低下・嘔吐、③ぐったりして元気がない・眠りがち、④大泉門(頭のてっぺんの柔らかい部分)の膨らみ、⑤けいれん、といった症状がサインとなることがあります。一つでも当てはまる、または「いつもと何か違う」と感じたら、小児科専門医にご相談ください。
Q2: 髄膜炎の予防接種はどのようなものがありますか?ベスタクリニックで受けられますか?
はい、髄膜炎の原因となる細菌には、ヒブ(インフルエンザ菌b型)、肺炎球菌などがあり、これらに対するワクチンは定期接種として生後2ヶ月から接種が推奨されています。また、おたふくかぜワクチン(任意接種)も、合併症としての髄膜炎予防に繋がります。当クリニックでは、これらの予防接種を積極的に行っております。接種スケジュールやご不明な点は、お気軽にご相談ください 。
Q3: ベスタこどもとアレルギーのクリニックへはどうやって行けますか?
西武池袋線「中村橋駅」北口を出て、徒歩1分です。駅前の中杉通りを北に向かっていただき、右手に松屋が見える1つ目の道を左に曲がってください。1階が薬局(ココカラファインさん)のビルの2階にございます。提携駐車場(40台)や駐輪場(15台)もございますので、お車や自転車でもお越しいただけます。詳しいアクセス方法は、こちらのアクセス案内ページをご覧ください。
おわりに
この記事では、赤ちゃんの髄膜炎について、その症状の見分け方から原因、検査、治療、そして予防法まで、幅広く解説してまいりました。特に、乳児期の髄膜炎は症状が典型的でないことも多く、「いつもと違う」という保護者の方の直感が早期発見の鍵となることをご理解いただけたかと思います。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックは、練馬区中村橋駅すぐの場所で、365日、地域のこどもたちの健康を見守っています 。西武線沿線の練馬区、中野区、杉並区、西東京市の皆さまにとっても、いざという時に頼れるクリニックでありたいと考えています。小児科専門医として、髄膜炎のような急性疾患から、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどの慢性的なお悩み、夜尿症のご相談まで、幅広く対応いたします 。
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医療上の免責事項
本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や状況に応じた医学的な診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。
監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
