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高熱のあと体中に発疹…それって突発性発疹?対処法と注意点【ベスタの小児科医が解説】
「昨日まであんなに高熱だったのに、熱が下がったら今度はブツブツが…!」「これって、もしかして突発性発疹?」「機嫌も悪くて、どうしたらいいの?」 大切なお子さんの急な高熱と、その後に現れる発疹。初めて経験される親御さんは特に、不安でいっぱいになりますよね。もしかしたら、インターネットで情報を検索し、この記事にたどり着いた方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そんな保護者の方の不安や疑問に寄り添い、突発性発疹について、小児科専門医・アレルギー専門医の視点から分かりやすく解説します。この記事を読むことで、以下のことが分かります。
- 突発性発疹の基本的な知識(原因、特徴的な症状の経過)
- 熱が出た時、発疹が出た時の具体的なホームケア方法
- 注意すべき合併症(特に熱性けいれん)とその対処法
- いつ医療機関を受診するべきかの目安
- 突発性発疹とアレルギー性発疹の違い、アレルギーが心配な時の相談先
- 保育園や幼稚園はいつから行けるのか
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、科学的根拠と専門医(小児科・アレルギー科)監修による信頼性の高い情報提供を心がけています。 当クリニックは、西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分とアクセスしやすく、練馬区、中野区、杉並区、西東京市など西武線沿線にお住まいの多くの保護者の皆様にご利用いただいております。アレルギー専門外来やおねしょ(夜尿症)外来といった専門的な診療に加え、365日診療体制で、急な体調変化にも対応できる点が強みです。 当院の理念「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」に基づき、お子様一人ひとりの状況と保護者の方のお気持ちに寄り添った医療を提供いたします。
はじめに:突発性発疹ってどんな病気?
突発性発疹(とっぱつせいほっしん)は、主に乳幼児期(特に生後6ヶ月から2歳くらいまで)にかかりやすい、ウイルス感染症の一つです 。多くのお子さんが経験する病気で、「初めての発熱が突発性発疹だった」というケースも少なくありません 。
その名前の通り、突然の38℃以上の高熱が3~5日ほど続いた後、熱が下がるのと前後して、お腹や背中を中心に顔や手足にも赤い発疹が現れるのが典型的な特徴です 。
親御さんにとっては、「高熱が続いて心配…」「やっと熱が下がったと思ったら今度は発疹で、しかもなんだかすごく不機嫌…」と、次から次へと心配事が押し寄せてくるように感じられるかもしれません。特に初めてのお子さんの場合や、周りに経験者がいない場合は、どう対応して良いか分からず途方に暮れてしまうこともあるでしょう。この記事が、そんな保護者の方の不安を少しでも和らげ、適切な対応をとるための一助となれば幸いです。
突発性発疹の主な原因:見えないウイルスとの戦い
突発性発疹の主な原因は、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)、次いでヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)というウイルスです 。これらのウイルスは非常にありふれたもので、多くの場合、家族など身近な人(症状が出ていない健康な人からのこともあります)の唾液などを介して感染すると考えられています 。
多くのお子さんは2歳から3歳頃までにこれらのウイルスに感染し、免疫を獲得すると言われています 。そのため、乳幼児期に非常によく見られる感染症なのです。一度かかると基本的にその型のウイルスに対しては免疫ができますが、原因ウイルスが2種類あるため、稀に2回突発性発疹を経験することもあります 。
症状と経過:熱から発疹へ、そして「不機嫌」の謎
突発性発疹の症状は、特徴的なパターンで進行します。
- 潜伏期間: ウイルスに感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、約10~14日間です 。
- 突然の高熱: 何の前触れもなく、突然38℃~40℃程度の高熱が出ます。この熱は通常3~5日間続きます 。不思議なことに、高熱の割には比較的機嫌が良く、食欲もそこそこあるお子さんが多いのが特徴の一つです 。もちろん、ぐったりしたり、食欲が落ちたりするお子さんもいます。
- 解熱と発疹の出現: 高熱がスッと下がると(あるいは下がり始める頃に)、お腹や背中を中心に、直径数ミリ程度の赤いポツポツとした発疹が現れ始めます 。この発疹は、その後、胸、首、顔、手足へと広がっていきます。発疹はかゆみを伴わないことがほとんどで、3~4日ほどで自然に消え、跡を残すことも通常ありません 。
- 不機嫌(通称:不機嫌病): 熱が下がり発疹が出る頃になると、今まで比較的元気だったお子さんが一転して非常に機嫌が悪くなることがあります 。泣いてぐずったり、抱っこをせがんだり、夜眠れなくなったりと、親御さんにとっては試練の時期かもしれません。この「不機嫌」は、発疹が消える頃(3~4日程度)には自然と落ち着いてくることが多いです 。はっきりとした原因は分かっていませんが、病気による不快感や体力の消耗などが影響しているのかもしれません。
- その他の症状: 発熱時に軽い咳や鼻水、下痢や軟便を伴うこともあります 。また、まぶたの腫れや首のリンパ節の腫れ、大泉門(頭のてっぺんの骨が開いている部分)が少し膨らむことなどが見られる場合もあります 。
- 典型的でないケースも :全てのお子さんがこの典型的な経過をたどるわけではありません。中には、熱だけで発疹が出ないケース(不顕性感染を含む)や、逆に熱はほとんど出ずに発疹だけが出るケースも報告されています 。実際に、感染しても症状がはっきり出ない不顕性感染は20~40%程度あると言われています 。このような場合は、突発性発疹と気づかれないまま過ぎることもあります。
こんな時は医療機関を受診しましょう🏥
突発性発疹は基本的には自然に治る病気ですが、以下のような場合は医療機関の受診を検討してください。
- 生後6ヶ月未満の赤ちゃんの発熱
- 高熱が4~5日以上続く
- 水分をあまり摂れず、おしっこの量が減っている、ぐったりしているなど脱水のサインが見られる
- 呼吸が苦しそう、顔色が悪い
- 呼びかけへの反応が鈍いなど、意識の状態がおかしい
- けいれんを起こした(後述します)
- その他、いつもと様子が著しく異なり心配な場合
特に、週末やお仕事帰りなどで「かかりつけ医が閉まっている…」と困った経験はありませんか? ベスタこどもとアレルギーのクリニックは365日診療しています。練馬区中村橋駅すぐの当クリニックは、練馬区内はもちろん、中野区、杉並区、西東京市、板橋区、武蔵野市などにお住まいの皆さまにもご利用いただきやすい立地です。急な発熱や発疹でご不安な時は、いつでもご相談ください。
注意したい合併症:熱性けいれん
突発性発疹で最も注意したい合併症が熱性けいれんです 。熱性けいれんは、急に熱が上がる時に起こりやすく、生後6ヶ月から5歳くらいのお子さんに見られます。突発性発疹は高熱が出ることが多いため、熱性けいれんを合併しやすい病気の一つと言えます。
もし、お子さんが熱性けいれんを起こしたら…
初めてけいれんを見ると、誰でもパニックになってしまうものです。しかし、まずは保護者の方が落ち着くことが大切です。
- 安全確保と観察
①慌てずに安全な場所に寝かせる:周りに危ないものがない平らな場所に横向きに寝かせましょう。吐いたものが喉に詰まらないようにするためです 。
②衣服をゆるめる:首元など、衣服をゆるめて呼吸を楽にしてあげましょう 。
③時間を確認する:けいれんが始まった時間と、どのくらい続いているかを確認しましょう 。
④けいれんの様子を観察する:体のどこがどのようにけいれんしているか(左右対称か、片方だけかなど)、顔色、目の動きなどを冷静に観察してください。動画で撮影できると、後で医師に説明する際に役立ちます。
⑤口には何も入れない、体を揺さぶらない:舌を噛むことを心配して口に物を入れたり、体を強く揺さぶったりするのは危険なのでやめましょう 。
- けいれんが止まったら
♢ほとんどの熱性けいれんは5分以内、長くても10分以内には自然に止まります 。
♢けいれんが止まり、意識が戻って普段と変わらない様子であれば、診療時間内に医療機関を受診しましょう。当クリニックは365日診療していますので、土日や祝日(診療時間をご確認ください)でもご相談いただけます。
♢夜間や休日の場合、練馬区にお住まいの方は練馬区夜間救急こどもクリニック(電話:03-3994-2238)や、全国どこからでも相談できる東京都の「子供の健康相談室(#8000)」も選択肢の一つです。
- すぐに救急車を呼ぶ場合(または医療機関へ直行)
♢けいれんが5分以上続く
♢短時間でも、けいれんを繰り返す(1日に2回以上など)
♢けいれんが左右非対称である
♢けいれんが止まった後も意識が戻らない、または朦朧としている
♢呼吸が苦しそう、顔色が紫色など、呼吸の状態がおかしい
まれな合併症について
ごくまれですが、突発性発疹は脳炎や脳症といった重い合併症を引き起こす可能性も報告されています 。けいれんが非常に長く続く、意識障害が改善しない、嘔吐が激しいなど、普段と明らかに違う重篤な症状が見られる場合は、ためらわずに救急要請または夜間休日診療所を受診してください。このような重篤な合併症の可能性を念頭に置くことも、お子さんの命を守るためには重要です。
突発性発疹の検査と診断:熱と発疹の「物語」が手がかり
「うちの子、本当に突発性発疹なのかな?」と疑問に思う親御さんもいらっしゃるでしょう。
診断は主に症状の経過から 突発性発疹の診断は、多くの場合、特徴的な症状の経過、つまり「数日間の高熱の後に熱が下がり、その後に発疹が現れる」という一連の「物語」に基づいて、医師が臨床的に行います。小児科医は、発熱のパターン、発疹の見た目(色、形、分布など)、その他の症状(機嫌、食欲、下痢の有無など)を総合的に評価して診断します。特に熱が出ているだけの段階では、他の風邪や感染症(例えば尿路感染症や川崎病など)の可能性も考慮しながら慎重に診察を進めるため、すぐに突発性発疹と断定できないこともあります。
特別な検査は通常行いません。 血液検査でウイルスに対する抗体を調べたり、ウイルスそのものを検出したりすることも理論的には可能ですが、診断のために必須ではなく、一般的には行われません。お子さんへの負担も考慮し、典型的な症状であれば検査なしで診断されることがほとんどです。
治療法とホームケア:おうちでの過ごし方と安心のポイント💡
- 水分補給をしっかりと: 高熱や下痢(もしあれば)によって体から水分が失われやすいため、脱水症状を防ぐことが最も重要です。母乳やミルク、湯冷まし、麦茶、赤ちゃん用のイオン飲料や経口補水液(OS-1など)を、少量ずつこまめに与えましょう 。一度にたくさん飲ませようとすると吐いてしまうこともあるので、焦らず少しずつ、回数を多くするのがポイントです。
- 安静と睡眠を十分に: 体がウイルスと戦っている時は、体力を消耗します。十分な休息と睡眠が回復を早めます。無理に寝かしつける必要はありませんが、騒がしい場所は避け、静かにリラックスできる環境を作ってあげましょう。
- 消化の良い食事を: 食欲がない時は無理に食べさせる必要はありません。お子さんが欲しがる時に、おかゆ、よく煮込んだうどん、すりおろしたリンゴ、野菜スープなど、消化が良くて食べやすいものを少しずつ与えてみましょう 。下痢をしている時は、牛乳や乳製品、冷たいもの、油っぽいものは控えた方が良いでしょう。
- 解熱剤は上手に使う: 熱が高いからといって、必ずしも解熱剤を使わなければならないわけではありません。熱があっても比較的元気で、水分も摂れているようなら、解熱剤なしで様子を見ても大丈夫です 。ただし、熱が高くてぐったりしている、眠れない、水分を受け付けないなど、お子さんがつらそうにしている場合は、医師の指示に従って解熱剤(アセトアミノフェンなど、子ども用のもの)を使いましょう。
注意! 大人が使う解熱剤(アスピリンやロキソプロフェンなど)は、子どもの体に重い副作用(ライ症候群など)を引き起こす可能性があるため、絶対に使用しないでください 。
- 衣類と室温の調整: 熱の上がり始めで悪寒がして手足が冷たい時は、少し厚着にしたり、布団を一枚増やしたりして温かくしてあげましょう。熱が上がりきって体が熱く、汗をかいているようなら、薄着にして熱がこもらないようにし、汗をかいたらこまめに着替えさせてあげてください。室温は、大人が快適と感じる程度(夏場なら25~28℃、冬場なら23~25℃くらい)に保ち、乾燥しすぎないように湿度(40~60%が目安)にも気を配りましょう。加湿器を使ったり、濡れタオルを室内に干したりするのも良い方法です。
- 入浴は体調と相談して: 高熱でぐったりしている時や、元気がない時は無理に入浴させる必要はありません。体力を消耗させてしまう可能性があります。しかし、熱がそれほど高くない、または解熱していて機嫌が良く元気であれば、シャワーで汗を流したり、短時間お風呂に入ったりしても構いません。長湯は避け、湯冷めしないように入浴後はすぐに体を拭いて服を着せてあげましょう。発疹が出ていても、熱が下がっていれば入浴は問題ありません。
発疹のケアについて
突発性発疹の発疹は、通常かゆみを伴わないため、特別な塗り薬は必要ありません 。自然に消えていくのを待ちましょう。
「これでいいのかな?」と不安になったら
初めてのことで戸惑ったり、「この対応で合っているのかな?」と不安になったりするのは当然のことです。症状が長引く、いつもと様子が違うなど、少しでも心配なことがあれば、遠慮なく医療機関にご相談ください。 特に、練馬区中村橋駅周辺や富士見台駅、石神井公園駅など西武池袋線沿線にお住まいの親御さんにとって、当クリニックの365日診療は、週末や「こんな時間にどうしよう…」という時の心強い味方です 。私たちは、親御さんの不安に寄り添い、安心を提供できるよう努めています。
予防と再発、保育園・幼稚園はどうする?
突発性発疹について、予防法や再発の可能性、そして保育園や幼稚園への登園についても気になるところですね。
予防について
残念ながら、突発性発疹には特別な予防接種(ワクチン)はありません 。原因となるウイルスは非常にありふれており、完全に感染を防ぐことは難しいのが現状です。 しかし、一般的な感染症対策として、日頃からの手洗いやうがいを心がけることは、他の感染症予防にもつながりますので大切です 。
再発はするの?
前述の通り、突発性発疹の原因ウイルスには主にヒトヘルペスウイルス6型と7型の2種類があります。そのため、一度6型にかかった後に7型に感染するなどして、稀に2回かかることがあります 。ただし、多くのお子さんはどちらか一方のウイルスに感染して免疫を獲得し、一度きりの経験となることがほとんどです。
保育園・幼稚園への登園(登校)の目安
お子さんが突発性発疹にかかった場合、いつから保育園や幼稚園に登園させて良いのかは、働く親御さんにとって非常に重要な問題です。
- 厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」によると、突発性発疹は、解熱し、機嫌が良く全身状態が安定していれば、発疹が残っていても登園(登校)可能とされています。具体的には、熱が下がってから24時間以上経過し、普段通りに食事がとれ、元気に遊べるようであれば、発疹がまだ少し残っていても問題ないとされています。突発性発疹は、熱が下がって発疹が出る頃にはウイルスの排出が減り、他の子への感染力は低いと考えられています。
- ただし、これはあくまで一般的な目安です。園によっては独自の登園基準を設けている場合や、医師による登園許可証の提出を求められることもあります 。そのため、必ず事前に通っている保育園や幼稚園に確認するようにしましょう。練馬区の保育園に通われている方も、各園の方針をご確認ください。
- 登園を再開する際は、念のため保育園や幼稚園の先生に、突発性発疹にかかったことを伝えておくと良いでしょう。
他の予防接種への影響
突発性発疹にかかった後は、一時的に免疫の働きに影響が出ることがあるため、他の予防接種(ワクチン)を受ける場合は、回復してから1~2週間程度の間隔をあけることが推奨されることがあります 。定期接種のスケジュールなどについては、かかりつけの小児科医とよく相談して進めるようにしましょう。
よくある質問(FAQ)🔍
ここでは、突発性発疹に関して親御さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1: 休日に子どもが突発性発疹のような症状で困ったらどうすればいいですか?
A1:当クリニックは365日診療しており、西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分とアクセスも便利です。土日祝日、年末年始(診療時間は事前にご確認ください)も対応可能ですので、急な発熱や発疹でお困りの際は、Web予約でご相談ください。また、練馬区には練馬区夜間救急こどもクリニック(電話:03-3994-2238)があり、休日や夜間の急な病気に対応しています 。さらに、判断に迷う場合は、東京都の電話相談窓口「子供の健康相談室(#8000)」も利用できます。こちらは、小児科医師や看護師がアドバイスをしてくれます 。
Q2: 突発性発疹の発疹はアレルギーと関係ありますか?アレルギー専門医に相談した方が良い場合は?
A2: 突発性発疹の典型的な発疹は、ウイルス感染によるもので、直接的なアレルギー反応ではありません。そのため、通常かゆみもありません 。しかし、お子さんの発疹が強いかゆみを伴う、なかなか消えない、アトピー性皮膚炎の既往があるなど、アレルギーが心配な状況もあるかと存じます。そのような場合は、当クリニックのアレルギー専門医にご相談ください。アレルギー専門外来では、詳しい診察や必要に応じた検査(血液検査など)を行い、アレルギーの関与があるかどうかを判断し、適切なスキンケア指導や治療法をご提案します。詳しくは当院HPの「アレルギー外来」ページをご覧ください 。
Q3: ベスタこどもとアレルギークリニックへはどうやって行けますか?
A3: 西武池袋線「中村橋駅」北口を出て、徒歩1分です。駅前の中杉通りを北に向かっていただき、右手に松屋が見える1つ目の道を左に曲がってください。1階が薬局(ココカラファインさん)のビルの2階にございます。提携駐車場(40台)や駐輪場(15台)もございますので、お車や自転車でもお越しいただけます。詳しいアクセス方法は、こちらのアクセス案内ページをご覧ください。
Q4: 突発性発疹は一度かかったらもうかかりませんか?
A4: 突発性発疹の原因となるウイルスには、主にヒトヘルペスウイルス6型と7型の2種類があります。そのため、一度6型のウイルスで突発性発疹にかかったお子さんが、その後7型のウイルスに感染して、稀に2回目の突発性発疹を経験することがあります。ただし、多くのお子さんはどちらか一方のウイルスに感染して免疫を獲得するため、通常は一度きりの病気です。
Q5: 熱性けいれんが起きたら、その後はずっとけいれんしやすい体質になるのですか?
A5: 熱性けいれんは、乳幼児期に特有の、発熱に伴って起こるけいれんです。多くの場合、成長とともに脳が発達し、小学校入学頃までには自然に起こしにくくなります。突発性発疹で一度熱性けいれんを経験したからといって、必ずしも将来にわたってけいれんしやすい体質(てんかんなど)になるわけではありません。熱性けいれんを繰り返す場合や、非典型的なけいれんの場合は詳しい検査が必要になることもありますが、ほとんどは良好な経過をたどります。ご心配な場合は、一度医師にご相談いただき、正しい情報を得て安心されることをお勧めします。
おわりに(HPをご覧の皆さまへ)
この記事では、お子さんが突然の高熱と発疹に見舞われる「突発性発疹」について、その原因から症状、ご家庭でのケア、そして受診の目安まで、詳しく解説してまいりました。 突発性発疹は、多くのお子さんが一度は経験する比較的ありふれた病気です。しかし、親御さんにとっては、目の前のお子さんが高熱で苦しそうにしていたり、解熱後に「不機嫌病」とも言われるほど機嫌が悪くなったりする姿を見るのは、本当につらく、心配なことと思います。
大切なのは、まず慌てずに、この記事でお伝えしたような正しい知識を持って対応することです。お子さんの様子をよく観察し、適切な水分補給と休息を心がけ、必要な時には専門家の助けを借りる。この積み重ねが、お子さんの健やかな回復へと繋がります。
日々の育児、本当にお疲れ様です。お子さんの体調が優れない時は、ご自身のこともつい後回しになりがちですが、どうか無理をしすぎないでください。親御さんが心穏やかでいることが、お子さんにとって何よりの安心材料になることもあります。
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参考文献
- 厚生労働省. 保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版).
- 国立感染症研究所. 突発性発疹とは.
- 日本小児感染症学会 日常診療に役立つ 小児感染症マニュアル2017
- 日本皮膚科学会. 「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」, 「皮膚科Q&A」等.
医療上の免責事項
本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や状況に応じた医学的な診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。
監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医