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「おたふくかぜ」と診断された。ホームケアと受診の目安
朝起きたらお子さんの耳の下や頬がふっくらと腫れていて、驚かれたことと思います。
このページでは、当院でおたふくかぜと診断された方、またはその疑いとして経過を見ることになった方に向けて、お家での過ごし方や注意したい症状についてまとめました。
もくじ
おたふくかぜってどんな病気でしょうか

おたふくかぜは、正式には「流行性耳下腺炎」と呼ばれ、ムンプスウイルスというウイルスが原因で起こります。
一番の特徴は、耳の下にある耳下腺という部分の腫れと痛みです。左右両方が腫れることが多いですが、片方だけが腫れることもあります。
熱が出るお子さんもいれば、全く出ないお子さんもいらっしゃいます。
片方だけの腫れは別の病気のこともあります
診察の際にもお伝えしたかもしれませんが、初めて片方の耳下腺だけが腫れた場合、それが本当におたふくかぜなのか、すぐには判断が難しいことがあります。
何度も耳の下が腫れる「反復性耳下腺炎」という病気の最初の1回目である可能性もあるからです。
そのため、ひとまずはおたふくかぜに準じてお家で様子を見ていただくようにお願いしています。
子どもの耳の下が腫れている!おたふく?リンパ節?原因と緊急性の目安
また、おたふくかぜにかかることはありますか?
今回が本当におたふくかぜであったなら、十分な免疫ができるため、もう一度かかることは基本的にはありません。
ただし、反復性耳下腺炎だった場合は、また腫れることがあります。
お家での過ごし方について

ムンプスウイルスをやっつける特効薬はないため、お子さん自身の力で治っていくのを見守ることになります。腫れや痛みのピークは2〜3日目くらいで、その後1週間ほどかけてゆっくりと引いていきます。
お薬(解熱鎮痛薬)の使い方
熱が高くてつらそうな時や、痛みが強くて眠れない、食事がとれないといった時には、処方されたアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬を上手に使ってあげましょう。痛みが和らぐことで、しっかり休めるようになります。
お食事の工夫について
耳の下が腫れていると、噛むことや飲み込むことで痛みを感じやすくなります。特に、レモンや梅干しのような酸っぱいものは、唾液がたくさん出て痛みが強くなることがあるので避けてあげてください。
おかゆやうどん、ゼリーやプリンなど、噛まずに飲み込める柔らかくて喉越しの良いものを少しずつあげてみてください。
気をつけておきたい合併症のサイン

ほとんどのお子さんは自然に治りますが、まれに別の症状を引き起こすことがあります。以下のような様子が見られたら、早めにご相談ください。
髄膜炎を疑う症状
頭をとても痛がる、何度も繰り返し吐いてしまう、首の後ろが痛くて頭を前に曲げられない、といった症状がある時は、ウイルスが脳を包む膜に炎症を起こす髄膜炎の可能性があります。
ムンプス難聴について
呼びかけても反応が鈍い、テレビの音をいつもより大きくする、耳が聞こえづらいと本人が言う、といった様子には気をつけてあげてください。おたふくかぜによる難聴は回復が難しいことが多いため、少しでもおかしいなと感じたらすぐにお知らせください。
思春期以降で注意したいこと
小学校高学年や中学生以上のお子さんの場合、男の子なら精巣炎による陰嚢の痛み、女の子なら卵巣炎による強い腹痛が起こることがあります。痛みが強い場合は我慢させず、早めに受診してください。
園や学校はいつから行けるようになりますか

おたふくかぜは感染力が強いため、お休みする期間が法律で決められています。
基準は「耳下腺などの腫れが現れてから5日を経過し、かつ全身の様子が良くなるまで」となっています。
腫れ始めた日を0日目として数え、最低でも5日間はお休みが必要です。
通園や通学を再開する際には治癒証明書(登園許可証)が必要になることが多いので、園や学校に確認してみてください。
家族にうつさないためのポイント

おたふくかぜは、ウイルスを含んだ咳やくしゃみを吸い込む飛沫感染と、ウイルスがついた手で口や鼻を触る接触感染で広がります。
お子さんが咳をしている時はマスクをつけてもらい、手洗いやうがいをしっかり行いましょう。また、タオルや食器を一緒に使うのは避けてください。一度おたふくかぜにかかると生涯続く免疫ができるため、看病はすでにかかったことがある大人が担当できると安心です。
気になる質問

熱が下がったらお風呂に入ってもいいですか?
熱が下がり、お子さんの元気があれば、シャワーなどでサッと汗を流してあげて大丈夫です。ただし、長風呂は体力を消耗してしまうので、短時間で済ませるようにしてください。
腫れを冷えピタなどで冷やしてもいいですか?
お子さんが冷やして気持ちよさそうにするのであれば、冷やしたタオルや冷却シートを貼ってあげても構いません。嫌がる場合は無理に冷やす必要はありません。
兄弟にうつる可能性は高いですか?
おたふくかぜは感染力が強いため、一緒に生活しているご兄弟にはうつりやすいです。潜伏期間が2〜3週間と長いため、忘れた頃に症状が出ることがあります。体調の変化に気をつけてあげてください。
不安な時は中村橋駅近くのベスタこどもとアレルギーのクリニックへ

お家で様子を見ている間も、お熱が長引いていたり、痛みがひどくなっている気がするなど、ご家族から見て心配な変化があれば遠慮なくご連絡ください。
お子さんが少しでも早く元気になれるよう、一緒に見守っていきましょう。
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、診察に代わるものではありません。お子様の症状には個人差があります。実際の診断や治療については、必ず医師の診察を受けてください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
