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川崎病「発熱が続いているけど、このまま様子を見ても大丈夫?」
子どもの発熱が5日以上続く…川崎病の可能性と長引く熱の原因
「また熱が下がらない…」と、子どもの長引く発熱に不安を感じていませんか?特に5日以上続く高熱は、川崎病などの重大な疾患のサインかもしれません。この記事では、小児科専門医が川崎病の症状や診断、治療法について詳しく解説します。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、科学的根拠と専門医(小児科・アレルギー科)監修による信頼性の高い情報提供を心がけています。 当クリニックは、西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分とアクセスしやすく、練馬区、中野区、杉並区、西東京市など西武線沿線にお住まいの多くの保護者の皆様にご利用いただいております。アレルギー専門外来やおねしょ(夜尿症)外来といった専門的な診療に加え、365日診療体制で、急な体調変化にも対応できる点が強みです。 当院の理念「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」に基づき、お子様一人ひとりの状況と保護者の方のお気持ちに寄り添った医療を提供いたします。

もくじ
はじめに:川崎病とは?
川崎病は、主に乳幼児に発症する原因不明の全身性血管炎で、特に心臓の冠動脈に影響を及ぼす可能性があります。日本では年間約15,000人の子どもが発症しており、特に1歳前後の乳児に多く見られます。発熱が5日以上続く場合は、川崎病を含むさまざまな疾患の可能性を考慮する必要があります。
川崎病の原因と診断
川崎病の原因は明確には解明されていません。
川崎病自体は感染症ではありませんが、一年の中で流行する時期があります。ウイルスや細菌の感染後に免疫反応が過剰に働くことで発症する、といったメカニズムが考えられています。
また、遺伝的な要因も関与すると考えられており、兄弟で発症する例もあります。
診断は、臨床症状と血液検査、心エコー検査などを組み合わせて総合的に行われますが、最も重要なのは臨床症状と、心臓の冠動脈に異常がないかを確認することです。
川崎病の診断

以下の主要症状のうち5つ以上の存在が基準となります:
- 発熱(38℃以上の高熱が5日以上続きます)
- 両目の結膜の充血
- 唇の赤みや亀裂、イチゴ舌
- 不定形の発疹
- 手足の赤みや腫れ、指先の皮むけ
- 首のリンパ節の腫れ
これらの症状がすべて現れるわけではなく、部分的な症状でも川崎病の可能性があります。特に乳児(1歳未満)や年長児では症状が典型的でない場合もあるため、注意が必要です。
血液検査では、白血球(WBC)、CRP(C反応性タンパク)、赤血球沈降速度(赤沈、ESR)といった炎症の数値が増加します。特に細菌と戦う「好中球」という成分が増えるのが特徴です。
肝酵素(AST、ALT)が軽度〜中等度に上昇することがあります。血管炎の影響で、アルブミン(Alb)というタンパク質の数値や、ナトリウム(Na)が低下することがあります。
これらの数値だけで、川崎病と診断できるわけではありませんが、重要な指標になります。
川崎病の怖いところ

川崎病で最も注意しなければいけないのは、心臓に栄養を送る「冠動脈」に瘤(こぶ)ができてしまう合併症(冠動脈瘤)です。この冠動脈の病変は、熱が出てから10日以降に現れ始め、2~4週目が最も拡大しやすいと言われています。
しかし、後遺症である冠動脈瘤の発生を最小限に抑えるためには、できるだけ早く治療を開始し、炎症を抑えることが重要と言われています。
症状がすぐに揃ってしまうようなわかりやすい川崎病はすぐに治療を行うことができますが、川崎病の症状が十分に揃わずに治療開始が遅れ、冠動脈が拡大してしまうこともあります。
早めの対応が重要なので、こどもの熱が5日以上続いたら、川崎病も考えて血液検査などを検討していくことが大事です。川崎病症状が揃い切っていなくても、積極的に治療(入院)をしたほうがよいと判断されることもあります。
川崎病の治療法

川崎病と診断されたら、心臓の合併症(冠動脈瘤)を防ぐために、速やかに入院して治療を開始します。治療の開始が早いほど、後遺症のリスクを大きく減らすことができます。
治療計画は、お子さん一人ひとりの状態に合わせて慎重に立てられます。
■ 基本となる治療
まず、川崎病治療の柱となるのが以下の2つです。
(1) 免疫グロブリン大量療法 炎症を強力に抑える「免疫グロブリン」という血液製剤を、約12-24時間かけてゆっくりと点滴で投与します。この治療により、7~8割のお子さんは速やかに熱が下がり、各症状も消退し、回復に向かいます。
(2) アスピリン療法 炎症を抑え、血液が固まって血の塊(血栓)ができるのを防ぐために内服します。
■ リスクに応じた治療
基本治療だけでは効果が不十分な「治療抵抗例」が約2~3割存在します。
治療開始前の血液検査データなどから、免疫グロブリンが効きにくいリスクを予測し、リスクが高い場合には、初回の免疫グロブリン投与と同時にステロイドやシクロスポリンなどを併用する強化治療を行うことが最近増えてきています。
■ 効果が不十分な場合の追加治療
基本治療や初回強化療法を行っても、十分に熱が下がらなかったり、再び熱が上がってきたりする場合には、さらに追加の治療を検討します。
- 主な追加治療の選択肢:
- 免疫グロブリンの再投与
- ステロイドの併用・追加・増量
- インフリキシマブ(生物学的製剤)
- シクロスポリンの併用
- 血漿交換療法 など
川崎病の予後とフォローアップ

適切な初期治療により、川崎病にかかったほとんどのお子さんは完全に回復し、後遺症なく普段の生活に戻ることができます。
【冠動脈に後遺症が残らなかった場合】
退院後も引き続き、心臓外来でエコーフォローを行っていきます。心エコー検査で冠動脈に異常が見られなければ、アスピリンの内服は1,2か月で終了となります。運動などの日常生活に制限はありません。
【冠動脈に後遺症が残った場合】
冠動脈に瘤(こぶ)などの後遺症が残った場合は、将来的に血管が狭くなったり(狭窄)、血の塊(血栓)ができて詰まったりするリスクを管理するため、長期的なフォローアップが不可欠です。フォローアップは、お子さんの状態に合わせて、小児循環器の専門医と連携しながら行います。
- 定期検査: 心エコー検査、心電図検査、血液検査などを行います。
- 内服治療: アスピリンなどの抗血小板薬の内服を続ける必要があります。
- 生活管理: 運動の制限が必要になる場合があります。
*アスピリン内服中のインフルエンザ罹患はライ症候群のリスクがあるため、インフルエンザワクチンの接種が強く推奨されます。

よくある質問(FAQ)
Q1: 川崎病はうつりますか?
A1: 川崎病は感染症ではなく、人から人へうつることはありません。ただし、感染症をきっかけに発症することもあるので、一年の中で流行する時期があります。
Q2: 川崎病と似た症状の感染症はありますか?
A2: 溶連菌感染症、アデノウイルス感染症、エルシニア感染症は、川崎病と似た症状を起こします。ただし、仮にこれらの感染症が検査で陽性だったとしても、川崎病の症状が揃っていれば(その感染症だけで説明がつかない症状が揃っていれば)、川崎病の治療を行います。
Q3: 川崎病の予防法はありますか?
A3: 現在、川崎病の明確な予防法はありません。早期発見と適切な治療が重要です。
Q4: 川崎病と診断された場合、どのような生活上の注意が必要ですか?
A4: 医師の指示に従い、定期的な検査とフォローアップを受けることが大切です。また、激しい運動は医師の許可が出るまで控えるようにしましょう。
Q5: 中村橋駅からベスタクリニックへの行き方は?
A5: 西武池袋線「中村橋駅」北口を出て、徒歩1分です。駅前の中杉通りを北に向かっていただき、右手に松屋が見える1つ目の道を左に曲がってください。1階が薬局(ココカラファイン)のビルの2階にございます。提携駐車場(40台)や駐輪場(15台)もございますので、お車や自転車でもお越しいただけます。詳しいアクセス方法は、こちらのアクセス案内ページをご覧ください。
おわりに(保護者の皆さまへ)
お子さんの発熱が5日以上続く場合、川崎病を含むさまざまな疾患の可能性があります。早期の診断と治療が、お子さんの健康を守る鍵となります。当クリニックでは、365日診療体制で急な発熱にも対応しています。心エコー検査による冠動脈の確認や血液検査も行っています。練馬区中村橋駅から徒歩1分とアクセスも便利です。お子さんの健康に関するご相談は、いつでもお気軽にお寄せください。
医療上の免責事項
本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や状況に応じた医学的な診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。
監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
本記事は小児科専門医・アレルギー専門医が監修しています。
出典
- 日本川崎病学会「川崎病診断の手引き 改訂第6版」
- 日本小児循環器学会「川崎病急性期治療のガイドライン 2020年改訂版」
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この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
