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子どもの尿に血!?考えられる原因と至急受診すべきケース【ベスタの小児科医が解説】
お子さんの尿に血が混じっているのを見つけたら、驚きと不安でいっぱいになることでしょう。
「子ども 血尿 急に出た」「血尿 子ども 放っておくとどうなる」など、検索して情報を集める保護者も多いのではないでしょうか。
本記事では、子どもの血尿について、原因や受診の目安、検査・治療法を小児科専門医がわかりやすく解説します。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、科学的根拠と専門医(小児科・アレルギー科)監修による信頼性の高い情報提供を心がけています。 当クリニックは、西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分とアクセスしやすく、練馬区、中野区、杉並区、西東京市など西武線沿線にお住まいの多くの保護者の皆様にご利用いただいております。アレルギー専門外来や腎夜尿症外来といった専門的な診療に加え、365日診療体制で、急な体調変化にも対応できる点が強みです。 当院の理念「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」に基づき、お子様一人ひとりの状況と保護者の方のお気持ちに寄り添った医療を提供いたします。
🔍血尿とは?
まず血尿とは、尿に赤血球が混じる状態を指します。肉眼で確認できる「肉眼的血尿」と、顕微鏡でしか確認できない「顕微鏡的血尿」があります。
尿のつくられ方
心臓から腎臓に送られた血液は、より細い血管へと分岐し、腎臓の糸球体という部位で尿へ変えられます。
糸球体というのは毛細血管のかたまりであり、そこで不要な老廃物や水分がこしとられ、原尿がつくられます。糸球体の毛細血管の壁は、3層構造(内皮細胞、基底膜、上皮細胞)で構成されており、老廃物など要らないものは通過していきますが、血球やタンパクなど大事なものは通ることができずに血管内に残る、というようなフィルターのような構造になっています。糸球体でつくられた原尿は尿細管という管を通る途中、ミネラルなど必要な成分が再吸収され、ほんとうに不要なものだけが尿へと排出されていきます。
そのようにして腎臓でつくられた尿は、尿管を通って、膀胱でためられ、尿道をとおり、体外へ排出されます。その通り道のどこかに異常があって血尿は生じている、と考えると原因が整理されやすいです。
例えば糸球体腎炎は、自分の免疫が間違えて自分の糸球体を攻撃してしまい、そこで炎症が起こることで発症します。炎症により、血球やタンパクのフィルター(バリア)が壊されるため、尿中に血球やタンパクが漏れ出てしまうのです。
👉子どもの血尿(主に肉眼的血尿)の原因
尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎)
膀胱や尿管、腎臓などに細菌が感染し、炎症が起こっている状態です。排尿時の痛みや頻尿、発熱などが主な症状ですが、血尿を伴うこともあります。特に女児に多く見られます。尿検査で感染の有無を調べることで診断できます。
出血性膀胱炎: 細菌感染以外にも、アデノウイルスやBKウイルスにより膀胱炎を発症することがあります。突然の肉眼的血尿、排尿痛、頻尿などの症状があります。尿検査では白血球や赤血球が多く見られますが、一般的に尿中ウイルス検査は行いません。細菌培養が陰性の場合や、抗菌薬が効かない場合にはウイルス性の出血性膀胱炎が疑われます。
尿路結石
腎臓や尿管に結石ができることで、血尿や腰痛、腹痛を引き起こすことがあります。
小児で尿路結石が起こることはまれなので、原因を詳しく調べることが重要です。
外傷・激しい運動
激しい運動で赤血球が壊れたり、外傷により尿路に損傷が生じたりすることで、血尿が出ることがあります。通常は一時的な血尿で、持続することは少ないです。
剣道でみられる赤黒い尿は、強い踏み込みを繰り返すことにより、足のうらの血管内の赤血球が壊される(=溶血する)ことで、赤血球内のヘモグロビンが尿に漏れ出ることにより生じると言われています。黒くみえるのは、ヘモグロビンがメトヘモグロビンへ酸化されることで、光の吸収特性が変化し、褐色に変わるためです。腎臓の調子が悪いせいではありません。
このような機序で生じる尿はヘモグロビン尿と呼ばれるもので、運動以外にも自己免疫性溶血性貧血、不適合輸血、マラリアなどで生じる場合もあります。
また、横紋筋融解症により、ミオグロビン尿が出現し、同様の褐色尿が現れることもあります。激しい運動や高度の外傷、薬剤などにより筋肉(横紋筋)が大量に壊れ、筋肉中のミオグロビンが尿に漏れ出てしまう疾患です。詳しいメカニズムは不明ですが、腎機能障害を生じてしまうことがわかっています。
糸球体腎炎
腎臓の糸球体に炎症が起こる病気で、血尿やタンパク尿、むくみ、高血圧などの症状が続きます。
溶連菌感染のあとに起こる急性糸球体腎炎は、血尿、蛋白尿、高血圧、浮腫、尿量低下などの症状が急激に現れ、肉眼的血尿で気づかれるケースもあります。一過性で自然軽快が期待できますが、高血圧や腎機能の管理のため、入院を要する場合も多いです。→https://www.besta-kids.jp/2025/08/28/2574/
小児で代表的な慢性糸球体腎炎であるIgA腎症は、血尿(+蛋白尿)が持続しますが、感冒時に赤や黒っぽい茶褐色の尿がでることがあります。 → 慢性糸球体腎炎:https://www.besta-kids.jp/2025/09/01/2649/
家族性血尿
遺伝的な要因で、血尿が続くことがあります。生まれつき、糸球体のフィルター(バリア)が脆弱なためと考えられています。症状の程度には個人差があります。軽症であっても定期的なフォローが必要です。
家族性血尿とは少し別の位置づけですが、アルポート症候群という遺伝性腎炎では、感冒時に血尿発作をきたすことがあります。
腫瘍(腎腫瘍・膀胱腫瘍)
小児ではまれですが、腫瘍が原因で血尿が出ることがあります。特に肉眼的血尿の場合は注意が必要です。
ナットクラッカー症候群(左腎静脈圧迫症候群)
大動脈と上腸間膜動脈に左腎静脈が挟まれて圧迫されることで、左腎静脈の血流がうっ滞し、血尿の原因になることがあります。発作的な肉眼的血尿が見られる場合は鑑別に挙げられます。エコーやCT検査で診断します。基本的には経過観察となることが多いです。
その他
まれですが、O157などの食中毒に続発する溶血性尿毒症症候群、出血性疾患・血液疾患(血小板減少性紫斑病、白血病)、薬剤などが肉眼的血尿の原因になる場合もあります。
血尿ではないが、混同されやすい尿色変化
食事の影響(ビーツ、ブラックベリー、ラズベリー、パプリカ、ニンジン、着色料)、薬剤(アスベリン)、肝臓・代謝性疾患の影響(ビリルビン尿、ポルフィリン尿)、尿酸塩尿(特に乳幼児)など
🏥受診の目安
肉眼的に血尿が確認できる場合は早急に医療機関を受診してください。
元気で他に症状がなければ、一刻を争うような病気の可能性は低いですが、腎炎や腫瘍などの病気が隠れていることがあります。
むくみが強い、尿が少ない、頭痛といった症状を伴う場合は、急性糸球体腎炎が考えられるので、夜間や祝日でも救急医療機関を受診することが望ましいです。
顕微鏡的血尿(検尿で偶然見つかる血尿)については、別の記事「検尿異常」をご参照ください。 → https://www.besta-kids.jp/2025/05/09/1745/
当院は365日診療を行っています。お子さんに血尿が見られたとき、驚いてしまうかもしれませんが、慌てず冷静に対応することが大切です。わからないことや不安なことがあれば、いつでもご相談ください。私たち小児科医療チームが、お子さんと保護者の皆さまを全力でサポートいたします。
💡当院で可能な検査
当院では、以下の検査を行うことができます。
尿検査:血尿の有無や感染の有無を調べます。
血液検査:腎機能や炎症の有無を確認します。
超音波検査(エコー):腎臓や膀胱の状態を確認します。
これらの検査と臨床症状で、肉眼的血尿の大まかな原因を突き止めることができます。
(CT検査など追加精査が必要な場合もあります。)
血尿について気になることがあれば、当院の腎夜尿症外来にご相談ください。
専門外来の案内:https://www.besta-kids.jp/special-outpatient/#link03
治療方法
血尿の原因に応じて、以下のような治療を行います。
尿路感染症
抗生物質の投与を行います。発熱している場合は入院がすすめられます。
尿路結石
小児で尿路結石が起こることはまれなので、原因を詳しく調べることが重要です。
通常は経過観察し自然排石を待ちますが、必要に応じて外科的治療を行います。
急性糸球体腎炎(主に溶連菌感染後)
一過性で自然軽快が期待できますが、症状の程度はさまざまです。血尿(+蛋白尿)だけで、自覚症状もなく、血圧正常なら外来経過観察も可能です。しかし、高血圧や腎機能の管理のため、入院を要する場合が多いです。→https://www.besta-kids.jp/2025/08/28/2574/
慢性糸球体腎炎
ステロイドや免疫抑制剤による治療を行いますが、軽症(血尿のみ)であれば、経過観察する場合もあります。診断確定や重症度判定のため、必要に応じて腎生検が可能な施設へ紹介します。→ https://www.besta-kids.jp/2025/09/01/2649/
腫瘍
小児の泌尿器系腫瘍の診療が可能な小児専門施設へ紹介します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 肉眼的血尿ってどんな色ですか?
A1. 肉眼で見て血尿が出ているとわかる場合を「肉眼的血尿」と呼びます。
尿の色は、
- 赤や黒っぽい茶褐色(ワイン色、コーラ色、濃いウーロン茶色、腎臓からの出血を疑う)
- にごった緑茶色(高度の血尿を示すことあり)
- 鮮やかな赤色(膀胱など下部尿路からの出血を疑う)
などがみられます。
オレンジ色の場合は血尿ではないことが多いですが、気になる場合は尿検査を受けることが大切です。
赤ちゃんのおむつ替え時に赤っぽい染みが見られることもありますが、これは尿酸が混じったれんげ砂様沈着で、病的な血尿ではありません。一方、オムツ全体がピンク~赤色に染まる場合は注意が必要です。
Q2. 子どもの血尿はストレスが原因で起こりますか?
A3. ストレスそのものが直接血尿の原因になることはありません。
血尿の原因の大部分は感染症や腎臓の病気など身体的な異常によるものです。
一方で、ストレスや疲労が続くことで免疫力が低下し、間接的に膀胱炎などの感染症を起こしやすくなることで血尿につながる可能性はあります。
また、ストレスによる体調悪化や筋肉への負担、脱水などが影響して潜血反応が陽性に出ることはあります。この点については、Q3もあわせてご参照ください。
Q3. 尿検査で潜血陽性と言われましたが、必ず血尿なのでしょうか?
A3. 尿検査で調べる潜血反応(ヘモグロビン試験紙法)は、赤血球だけでなく、ミオグロビンやヘモグロビンにも反応するため、実際に赤血球が混じっていない場合でも陽性になることがあります。例えば、血液中で赤血球が壊れて、血球の中身のヘモグロビンだけが尿に漏れ出る場合などです。
そのため、潜血陽性の際には尿沈渣検査を行い、実際に赤血球が尿中に存在しているかどうかを確認することが重要です。
Q4. 中村橋駅からベスタクリニックへの行き方は?
A4. 西武池袋線「中村橋駅」北口を出て、徒歩1分です。駅前の中杉通りを北に向かっていただき、右手に松屋が見える1つ目の道を左に曲がってください。1階が薬局(ココカラファイン)のビルの2階にございます。提携駐車場(40台)や駐輪場(15台)もございますので、お車や自転車でもお越しいただけます。詳しいアクセス方法は、こちらのアクセス案内ページをご覧ください。
関連リンク
腎臓専門外来の案内:https://www.besta-kids.jp/special-outpatient/#link03
検尿異常:https://www.besta-kids.jp/2025/05/09/1745/
肉眼的血尿:https://www.besta-kids.jp/2025/05/02/1687/
ネフローゼ症候群:https://www.besta-kids.jp/2025/05/24/1852/
慢性糸球体腎炎:https://www.besta-kids.jp/2025/09/01/2649/
溶連菌感染後急性糸球体腎炎:https://www.besta-kids.jp/2025/08/28/2574/
尿路感染症:https://www.besta-kids.jp/2025/05/02/1666/
包茎:https://www.besta-kids.jp/2025/05/16/1823/
夜尿:https://www.besta-kids.jp/2025/05/16/1773/
医療上の免責事項 本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や状況に応じた医学的な診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。
監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
参考文献
小児腎臓病学第3版
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この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
