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子どもがおしっこで痛がるときは?尿路感染症の症状と治療法【ベスタの小児科医が解説】
「おしっこすると痛い…」と子どもが訴えたり、何度もトイレに行ったりしていると、保護者の方はとても心配になりますよね。
今回は、子どもの尿路感染症について、熱の有無や年齢による違い、診断・治療の流れまで、小児科専門医の視点からわかりやすく解説します。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、科学的根拠と専門医(小児科・アレルギー科)監修による信頼性の高い情報提供を心がけています。 当クリニックは、西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分とアクセスしやすく、練馬区、中野区、杉並区、西東京市など西武線沿線にお住まいの多くの保護者の皆様にご利用いただいております。アレルギー専門外来や腎夜尿症外来といった専門的な診療に加え、365日診療体制で、急な体調変化にも対応できる点が強みです。 当院の理念「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」に基づき、お子様一人ひとりの状況と保護者の方のお気持ちに寄り添った医療を提供いたします。
もくじ
尿路感染症とは? 〜はじめに〜
尿路感染症は、膀胱・尿道・腎臓などに細菌が感染する病気です。感染している場所に応じて、病名が異なります。
- 感染が膀胱や尿道にとどまる場合:膀胱炎、尿道炎、亀頭包皮炎 → 通常は発熱なし
- 腎臓まで感染が及ぶ場合:腎盂腎炎 、急性巣状細菌性腎炎、腎膿瘍 → 発熱あり
乳幼児では明確な区別が難しく、熱を伴う場合は「有熱性尿路感染症」や「上部尿路感染症」と呼ばれることもあります。
症状と経過 〜熱の有無・年齢による違い〜
🔴 熱がある場合
高熱が出ているときは、腎盂腎炎や菌血症、敗血症のリスクがあり、特に乳児では重症化に注意が必要です。乳児が腎盂腎炎になると、高熱のみで、咳や鼻の症状がなく、全身状態不良、哺乳不良、不機嫌といった症状があらわれます。最初は元気でも徐々にぐったりしていく場合もあります。細菌感染が腎臓まで及んでいる状態なので、抗菌薬を使用しないとよくなりません。
乳児で「咳や鼻水がないのに高熱が続く」場合は、尿路感染症を疑って早めの受診が必要です。
🔵 熱がない場合
膀胱炎(女児に多い)や亀頭包皮炎(男児のみ)が中心で、一般的には発熱を伴いません。膀胱炎では排尿時の痛みや頻尿が主体になります。亀頭包皮炎では、亀頭や陰茎の発赤腫脹といった症状となります。膀胱炎を放置すると、細菌感染が腎臓まで進み、有熱性の尿路感染症=腎盂腎炎になってしまうこともあります。
診断の流れ 〜症状に応じた検査〜
尿検査
膀胱や尿管などの尿路というのは通常は無菌状態です。細菌が侵入してきたら、細菌とたたかうための免疫細胞=白血球(好中球)が尿中に出てきます。すると、尿試験紙で白血球反応や細菌反応(=亜硝酸反応)が陽性になったり、白血球細胞や細菌などを顕微鏡で確認できるようになります。尿培養検査で、原因菌が一定数以上検出されれば、尿路感染症と診断されます。
血液検査
高熱時に実施します。細菌とたたかうための免疫細胞=白血球(好中球)が高値となります。他に、炎症反応(CRP)が高値になったり、血液の中に細菌がみられる(=血液培養陽性、菌血症)こともあります。
画像検査
腎盂腎炎や腎膿瘍などの炎症部位や、尿路奇形の有無を評価するために腹部エコー検査やCT検査などの画像検査を行います。
治療法 〜熱の有無・症状別に〜
🔴 熱がある場合(腎盂腎炎、急性巣状細菌性腎炎、腎膿瘍など)
- 入院して点滴抗菌薬治療が基本です。
- 全身状態が悪い場合、血液検査で炎症が強い場合、エコーやCTで腎の炎症がある場合は入院となります。
- 状況に応じて、外来の抗菌薬投与も選択肢となります。
- 尿量を増やし、細菌を洗い流すために、多めに点滴を行う場合もあります。(=ハイドレーション)
🔵 熱がない場合(膀胱炎、尿道炎、亀頭包皮炎など)
- 自宅で抗菌薬の内服治療を行います。
- 水分を多めに摂取して排尿を促進します
- 亀頭包皮炎の場合は、外用の抗菌薬も使用します
膀胱尿管逆流症~尿路感染症を繰り返す場合は疑う~
再発する尿路感染では、**膀胱尿管逆流症(VUR)**が隠れていることがあります。
特に乳児期に有熱性の尿路感染症を起こした場合は20‐40%に認めるとされています。
精密検査(膀胱尿道造影検査など)が必要となり、専門医のフォローが求められます。
膀胱尿管逆流症(VUR)は程度に応じて対応はかわります。自然によくなることもあるので様子をみる場合もありますし、手術で治す場合もあります。
便秘とは相性が悪く、排便習慣を改善することが重要です。
排尿トラブルの鑑別 〜感染症以外にも注意〜
排尿痛・頻尿の原因は感染症だけではありません。
心因性頻尿
不安や緊張による頻尿です。私個人の経験ですが、おしっこがトイレで上手にできるようになってしばらくした後から、”おもらしが心配で頻繁にトイレに行くようになってしまった。”、という4‐7歳ぐらいの女の子をよく拝見します。尿検査やエコーを行っても異常はなく、夜間や何かに集中している時に頻尿はみられません。周囲が「大丈夫だよ」と声掛けし、安心できる状況をつくっていけば、成長とともに次第に症状が緩和していきます。
過活動膀胱
急な尿意や、昼間の頻尿が特徴です。尿失禁を伴う場合もあります。便秘との相性が悪く、排便習慣を改善することが重要です。
その他、外陰部の炎症、皮膚のかぶれなども排尿時痛や頻尿の原因になります。
おわりに 〜保護者へのメッセージ〜
「おしっこ」のトラブルには、さまざまな背景が隠れています。
頻繁に尿路感染症を繰り返す場合には、隠れた病気がないかチェックを受けましょう。
早めの受診と適切なケアで、子どもの健康を守りましょう!
尿路感染症、頻尿、排尿時痛について気になることがあれば、当院の腎夜尿症外来にご相談ください。血液検査、尿検査、腹部超音波検査が実施可能です。
腎臓専門外来の案内:https://www.besta-kids.jp/special-outpatient/#link03
検尿異常:https://www.besta-kids.jp/2025/05/09/1745/
肉眼的血尿:https://www.besta-kids.jp/2025/05/02/1687/
ネフローゼ症候群:https://www.besta-kids.jp/2025/05/24/1852/
慢性糸球体腎炎:https://www.besta-kids.jp/2025/09/01/2649/
溶連菌感染後急性糸球体腎炎:https://www.besta-kids.jp/2025/08/28/2574/
尿路感染症:https://www.besta-kids.jp/2025/05/02/1666/
包茎:https://www.besta-kids.jp/2025/05/16/1823/
夜尿:https://www.besta-kids.jp/2025/05/16/1773/
監修者
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
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参考文献
- 小児腎臓病学 改訂第3版
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
