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百日咳から子ども守るためにできること
東京都で百日咳が流行中!~子どもを守るために今できる予防策~
東京都では現在、百日咳(ひゃくにちぜき)の患者報告数が増加しています。2024年には400件と前年の3倍以上に急増しました*1。百日咳は乳幼児にとって重症化しうる病気のため、お子さんを守るための正しい知識と予防策が大切です。本記事では、百日咳の症状や感染経路、乳児の重症化リスク、妊婦さんの予防接種(Tdapワクチン)や就学前の追加接種の重要性、治療法や近年の耐性菌についてわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、科学的根拠と専門医(小児科・アレルギー科)監修による信頼性の高い情報提供を心がけています。 当クリニックは、西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分とアクセスしやすく、練馬区、中野区、杉並区、西東京市など西武線沿線にお住まいの多くの保護者の皆様にご利用いただいております。アレルギー専門外来やおねしょ(夜尿症)外来といった専門的な診療に加え、365日診療体制で、急な体調変化にも対応できる点が強みです。 当院の理念「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」に基づき、お子様一人ひとりの状況と保護者の方のお気持ちに寄り添った医療を提供いたします。
もくじ
百日咳とは?症状と感染経路
百日咳はその名の通り、長期間にわたり激しい咳が続くことが特徴の呼吸器感染症です。原因は百日咳菌(ボルデテラ・パータシス)という細菌で、すでに感染している患者さんの咳やくしゃみのしぶきに含まれる菌を吸い込むことで感染します(飛沫感染)*2。潜伏期間は約7〜10日間で、初期は鼻水や軽い咳など風邪に似た症状ですが、徐々に咳が激しくなり、短く連続した咳発作が起こります。咳の合間に息を吸うと笛を吹いたような「ヒュー」という音が出ることもあります。激しい咳は数週間ほど続き、場合によっては百日(約3か月)近く咳が長引くこともあります*3。
乳児は重症化しやすいので要注意⚠
生後6か月未満の赤ちゃんが百日咳にかかると、無呼吸発作や肺炎などを起こして命に関わる危険性があります*4。一方で成人が百日咳に感染した場合は比較的軽症で済み、受診が遅れがちです。その結果、大人が気付かないうちに乳児にうつしてしまうことがあり、赤ちゃんの周りでは家族も含め特に注意が必要です*4。
妊婦さんへの百日咳ワクチン接種で赤ちゃんを守る
生後間もない赤ちゃんは、生後2か月になるまでは百日咳ワクチンを接種できず、十分な免疫を持っていません。そのため赤ちゃんが自力で免疫を獲得するまで、周囲の大人が百日咳から守ってあげる必要があります。『妊婦さんが妊娠中に百日咳ワクチン(Tdap)を接種することは、赤ちゃんを感染から守る有効な予防策』とされています。海外では妊婦への百日咳ワクチン接種が推奨されており、新生児への予防効果が報告されています*5。日本では妊婦への百日咳ワクチン定期接種は行われていませんが、妊娠中に小児用三種混合ワクチン(DPT)を受けることもあります*6。詳しくは主治医の先生とご相談ください。また、赤ちゃんを迎えるご家庭ではご家族皆さんで予防接種を受け、赤ちゃんに百日咳をうつさない環境づくりも心がけましょう。
就学前に忘れずもう一度!三種混合ワクチンの追加接種
百日咳に対する免疫を得るには、ワクチン接種が最も有効です。日本ではジフテリア・百日咳・破傷風を含む**三種混合ワクチン(DPT)**を乳児期に計4回(生後3か月〜1歳半ごろ)定期接種します*7。しかし、百日咳ワクチンの効果は接種後5〜10年ほどで徐々に弱まるため*8、幼い頃に4回受けても小学校入学前の5〜6歳頃には免疫が薄れて再びかかりやすくなります。実際、4回接種を完了した子どもでも百日咳にかかる例が報告されています*7。そのため、就学前の追加接種(5〜6歳で百日咳含有ワクチンをもう1回)を忘れず受けておきましょう(日本小児科学会も入学前の追加接種を推奨しています*8)。追加接種によって免疫が再び高まり、百日咳にかかるリスクを大きく減らせます。

百日咳の治療法:早めの受診と抗菌薬
百日咳と診断された場合は、マクロライド系の抗菌薬(抗生物質)で治療します*9。適切に服用すれば百日咳菌を体から排除でき、咳の期間を短くし周囲への感染拡大も防げます。激しい咳が続く場合は、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
広がる耐性菌…予防接種の大切さ
最近、百日咳菌に対して抗生物質が効きにくいマクロライド耐性百日咳菌の存在が報告されています。中国で耐性菌が広がり、日本でも検出報告があります*10。耐性菌に感染すると従来の抗菌薬が効かず治療が困難になるおそれがあります。だからこそ、百日咳にかからないよう予防接種で備えておくことが一層重要です。ワクチンで免疫をつけておけば、たとえ耐性菌に接触しても発症を防げる可能性が高まります。
まとめ:予防接種で百日咳からお子さんを守りましょう
現在の百日咳の流行*1も、適切な予防接種で乗り越えられます。今一度お子さんの予防接種状況を確認し、接種漏れや就学前の追加接種がまだであれば早めに小児科で相談しましょう。『百日咳はワクチンで予防可能な病気です』また、妊娠中の方や新生児を迎えるご家庭も、赤ちゃんを守るためにご家族で予防接種を検討してください。予防接種はお近くの小児科クリニックで受けられますので、疑問があれば医師に相談しましょう。
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医療上の免責事項 本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や状況に応じた医学的な診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。
監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
引用文献(*1〜*10)
*1 東京都感染症情報センター. 「百日咳 患者報告数」
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/
*2 東京都感染症情報センター. 百日咳の感染経路と症状
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/
*3 FDOC.JP 百日咳の経過についての解説
https://fdoc.jp/byouki/column/100nichi/
*4 東京都感染症情報センター. 乳児の重症化リスク
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/
*5 VACCINE4ALL.JP 妊婦Tdapワクチンの効果と安全性
https://vaccine4all.jp/tetanus_diphtheria_pertussis/
*6 VACCINE4ALL.JP 日本での妊婦への適応外接種について
https://vaccine4all.jp/tetanus_diphtheria_pertussis/
*7 大阪府小児科医会. 三種混合ワクチンの接種回数について
https://osk-pa.or.jp/vaccine/dpt/
*8 日本小児科学会. 「就学前追加接種の推奨」
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=73
*9 東京都感染症情報センター. 百日咳の治療と抗菌薬の使用
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/
*10 国立感染症研究所(NIID). マクロライド耐性百日咳菌に関する報告
https://www.niid.go.jp/niid/ja/pertussis-m/pertussis-iasrs/11773-pr5151.html
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
