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【子どものぶつぶつ・湿疹】スマホ写真で医師に伝える撮影のコツ
この記事を監修した医師

小児科専門医/院長
濵野 翔
「さっきまで全身に赤いぶつぶつがあったのに、病院に来たら消えちゃった」
診察室で、保護者の方から非常によくお聞きする言葉です。
発疹は時間とともに見た目が大きく変化します。 そのため、一番ひどかった時の様子がわからないと、診断に迷うことがあります。 そんな時、ご家庭で撮っていただいた1枚の写真が、大きな手がかりになります。
もくじ
「病院に着いたら子供のぶつぶつ・じんましんが消えた!」はよくあること

じんましんなどは、数十分で跡形もなく消えてしまうことも珍しくありません。 だからこそ、症状が出たその瞬間にスマートフォンで撮影しておくことが大切です。 また、ケガの場合も、血を洗い流す前の状態がわかると受傷の状況が把握しやすくなります。
まず知りたい!診察で本当に役立つ写真の撮り方

では、どのような写真だと私たち医師にとってわかりやすいのでしょうか。 気をつけていただきたいポイントは、光の色、撮る距離、そしてピントの3つです。
1.明るい部屋の自然な光で撮る
お部屋のオレンジ色の照明の下で撮ると、発疹の赤みが正確にわかりにくくなります。 できるだけ窓際の自然な光か、白っぽい照明の下で撮影するのがおすすめです。 フラッシュを使うと患部が白飛びしてしまうため、オフにしておきましょう。
2.赤ちゃんや子供の皮疹は「引き」と「寄り」の2枚セットで記録する
患部だけをドアップで撮った写真を見せていただくことがよくあります。 しかし実は「体のどの部分に、どのくらいの範囲で広がっているか」も重要です。 まずは少し離れた位置から、体全体が入るように「引き」で1枚撮影してください。
そのあとで、発疹やケガのアップである「寄り」の写真を1枚撮ります。 この「引き」と「寄り」の2枚セットがあると、伝わる情報量が格段に上がります。
3.スマホを近づけすぎず、ピントをしっかり合わせる
写真がブレていたりピントが合っていなかったりすると、診断が難しくなります。 発疹の表面がザラザラしているか、水ぶくれになっているかの判別ができないためです。 カメラを近づけすぎると、スマートフォンはピントを見失いやすくなります。
ピントが合わない時は、無理に近づかず、少し離れた位置から撮影してみてください。 今のスマートフォンは画質が良いので、離れて撮って後から拡大しても十分に確認できます。
「動いてブレてしまう」時のちょっとした工夫

お子さんが痛がったり痒がったりして動いてしまう時は、無理に静止させなくて大丈夫です。 どうしても写真がブレてしまう場合は、動画で撮影しておくのも一つの手です。 診察室で、動画の中から一番ピントが合っている場面を一時停止して確認できます。
発疹写真と一緒に他の症状のメモも

発疹の様子を写真に残すことに加えて、熱などの症状をメモしておくとさらに診断の助けになります。 皮膚の症状だけでは診断が難しくても、他の症状の経過と合わせることでわかる病気もあるためです。
発疹などの症状の組み合わせで診断がつく病気
川崎病や突発性発疹などは、発疹に加えて発熱などの他の症状が合わさることで病気が特定できます。 発疹が1週間以上と長引く場合や、発疹以外にも気になる様子がある場合は要注意です。 発熱、関節の痛みや腫れ、咳、鼻水、下痢などがある時は、いつから出ているかのメモも一緒にとりましょう。 発疹の写真と症状のメモが揃うことで、医師はより正確に状況を把握できます。
記録が早期治療につながった筆者自身の経験
以前、腕や足に小さな赤い発疹が出たり消えたりを数ヶ月繰り返しているお子さんを診察したことがあります。 途中から発熱や関節症状があらわれ、全身型若年性特発性関節炎(sJIA)に伴うマクロファージ活性化症候群と診断しました。これは全身に強い炎症が起きる病気で、命に関わることもある非常に重大な状態です。
しかし、ご家族が適宜撮影してくださった写真と熱の経過記録があったおかげで、いち早く診断し速やかに治療を始めることができました。 この経験からも、さまざまな症状を発疹写真の推移と一緒に記録していただくことの重要性を強く実感しています。
【当院でできること】

練馬区・中村橋駅から徒歩1分のベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、一般外来やアレルギー外来にて、保護者の方が撮影された写真や動画も活用しながら丁寧に診察を行っています。気になる症状があれば、スマートフォンを持ってご相談にいらしてください。
FAQ

Q. 発疹だけでなく、うんちの異常も写真に撮っていいですか?
A. はい、ぜひ撮影してください。便の色や状態は大切な情報ですので、おむつごと撮影して診察時に見せていただけると大変助かります。
Q. ケガで血が出ている場合も、まず撮影したほうがいいですか?
A. いいえ、まずは止血と応急処置を優先してください。余裕があれば、処置の前に撮影しておいていただけると、傷の深さや出血量がわかりやすくなります。
Q. 診察の時、写真はどのタイミングで見せればいいですか?
A. 診察室に入ってすぐ、問診の際にお声がけいただき、画面をお見せください。最初の段階で拝見できると、その後の診察がスムーズに進みます。
Q. 何日も前から発疹が出ている場合、毎日撮ったほうがいいですか?
A. はい、1日1回でも撮影しておいていただけると、症状の変化を追いやすくなります。いつからどのように広がったかがわかると、診断の手助けになります。
Q. 咳やけいれんなどの様子も撮影したほうがいいですか?
A. はい、動きや音を伴う症状は「動画」での撮影が非常に有効です。発疹やケガは「写真」、咳やけいれんは「動画」と使い分けていただくとスムーズです。
Q. けいれんの動画をとる際の注意点は?
A. お子さんの安全確保を最優先にしてください。周囲の危険なものを退け、嘔吐物が詰まらないよう顔を横に向けてから撮影を開始します。動画には「顔色や目線の動き」「手足の動き(左右差や突っ張りなど)」が収まるように全身を写し、何分続いているか時計を確認しておくと、受診時の非常に重要な手がかりとなります。
[医療上の免責事項] 本記事は一般的な医療情報を提供するものであり、個別の症状に対する診断に代わるものではありません。具体的な症状がある場合は、必ず医師の診察を受けてください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
