トピックス
子どもが頭を打った!慌てないための観察ポイントと受診の目安
この記事を監修した医師

小児科専門医/院長
濵野 翔
子どもが転んだり落ちたりして頭を強く打つと、保護者としてはとても心配になります。
すぐに救急車を呼ぶべきか、それとも自宅で様子を見てよいか、迷うことも多いのではないでしょうか。
まずは落ち着いて、お子さんの状態をしっかり観察することが大切です。
この記事では、頭を打ったときの具体的なチェックポイントや、家庭でできる予防策についてわかりやすくお伝えします。
子どもが頭を強く打ったときの対応

慌てずにまずは全身の様子を観察
子どもが頭を打つとすぐに病院へ行かなければと焦るかもしれません。
まずは子どもの様子をしっかり観察してください。
打った直後に大声で泣き出したか
その後はいつも通り遊んでいるか、嘔吐はないか、機嫌はもどったか
たんこぶができているか
落ち着いたら、頭を打ったときの状況を整理しましょう
(落ちた高さは何㎝くらい?どこをどのようにぶつけたか?)
たんこぶができていたら、保冷剤をタオルで包んで10分ほど冷やしてあげてください。
急いで医療機関を受診する具体的な目安
次のような症状が1つでもある場合は、頭の中で出血しているおそれがあります。
休日や夜間であっても、すぐに救急外来を受診するか救急車を呼んでください。
・呼びかけても目を開けない
・ぼんやりしている
・手足がガクガクと震えるけいれんが5分以上続いている
・打った直後から何度も繰り返し(目安として3回以上)吐いている
元気なように見えても、受診すべき目安
- 高所からの転落(2歳未満で約0.9m以上、2歳以上で約1.5m以上)
- 危険な交通事故:車との接触、ヘルメットなし、車から放り出された、車が横転した
- 強い衝撃:高速で動く物体が頭にぶつかった
- たんこぶ(血腫)が大きい。(3-5cm以上)
- 頭に明らかなへこみがある
- 耳や鼻から透明な水が出る(髄液の漏れ)
- 目の周りや耳の後ろにあざができている。(パンダの目徴候、バトル徴候)
- 乳児の頭の頂上にある柔らかい部分(大泉門)が膨らんでいる
- 数秒〜数分間でも意識を失っていた
- 事故前後の記憶がない(健忘)
- 複数回(繰り返し)吐いている
- 激しい頭痛、または時間が経つにつれて「悪化する頭痛」
- (乳幼児で)機嫌が悪い状態が続いている
頭部外傷時のCT検査の適応については慎重な判断が求められます。深く掘り下げた別記事も参照してください。
家庭でできる頭部打撲の予防策

頭を打つ事故の多くは、少しの工夫で防ぐことができます。 お子さんの成長に合わせて、家庭内の環境を見直してみましょう。
おうちの中の転落・転倒対策
頭を打つ事故は、ソファや大人用ベッドなどからの転落が非常に多く見られます。
おむつ替えのわずかな時間でも、お子さんから目を離さない工夫が大切です。
寝返りをうつ時期になったら、できるだけ床に近い低い位置でお世話をすると安心です。
つかまり立ちを始めた時期は、まだバランス感覚が未熟で転倒しやすくなります。
テレビ台やローテーブルなど、家具の角に柔らかいクッション材を取り付けておきましょう。
転倒しやすいフローリングには、滑り止めマットや厚手のジョイントマットを敷くことをおすすめします。
階段・段差・窓の安全対策
ハイハイや歩行で行動範囲が広がる時期には、階段の上下にベビーゲートを設置しましょう。
ごきょうだいが開けたままにしてしまうこともあるため、ご家族全体で閉める習慣をつけることが大切です。
少しの段差でもつまずくことがあるため、部屋の境界にはスロープマットを置くのも一案です。
窓やベランダの近くには、踏み台になるようなソファや箱を置かないことが重要な予防策です。
網戸に寄りかかって破れる事故もあるため、子どもの手の届かない位置に補助錠をつけてください。
換気をする際も、お子さんが一人で部屋にいる時は窓を大きく開けないようにしましょう。
日常の道具に潜む危険と対策
食事用のハイチェアやベビーカーを使用する際は、毎回シートベルトを着用してください。
お風呂場も水や石鹸で滑りやすいため、滑り止めのバスマットを活用するとよいです。
自転車にお子さんを乗せる際は、近距離の移動であってもヘルメットの着用をお願いいたします。
おわりに:迷ったときはいつでもご相談を

お子さんが頭を打ったとき、ご家庭での判断に迷うのは当然のことです。 少しでも不安を感じたり、いつもと違う様子が見られたりする場合は、ためらわずに医療機関にご相談ください。 中村橋駅近くのベスタこどもとアレルギーのクリニックでも、お子さんの状態をしっかり診察し、ご家族の不安に寄り添ったサポートを行っています。 気になることがあれば、お一人で悩まずにいつでもお声がけくださいね。
医療上の免責事項
本記事は一般的な医学的情報を提供するものであり、個別の診断や治療に代わるものではありません。お子さんの症状について不安がある場合は、医療機関を直接受診し、医師の診察を受けてください。
よくある質問(FAQ)

Q. たんこぶができているのですが、お風呂には入ってもよいでしょうか?
A. 頭を打った当日は、長時間の入浴は避けたほうが安心です。血行が良くなると、腫れや内出血がひどくなる可能性があります。シャワーでさっと汗を流す程度にして、静かに休ませてあげてください。
Q. 頭を打った後、そのまま寝てしまいましたが起こしたほうがよいでしょうか?
A. 大泣きした後に疲れて寝てしまうことはよくあります。無理に起こす必要はありませんが、寝ている間も顔色や呼吸の様子をこまめに観察してください。もし、呼びかけたり刺激したりしても全く反応しない場合は、すぐに救急外来を受診してください。
Q. 練馬区の休日急患診療所でも頭部の診察はしてもらえますか?
A. 休日急患診療所は主に内科や小児科の初期救急を担当しており、レントゲンやCTなどの詳しい検査ができない場合があります。強い衝撃を受けた場合や症状が重い場合は、事前に電話で状況を伝え、頭部外傷の対応が可能な救急病院を受診すべきかご相談いただくことをおすすめします。
Q. 頭を打ってから何日くらい様子を見れば安心ですか?
A. 頭の中でのゆっくりとした出血は、数週間から数ヶ月後に症状が出ることがごく稀にあります。しかし、ほとんどの危険な症状は打った後24時間以内に現れます。まずは最初の2日間は、特に注意深く様子を観察してください。
Q. 保冷剤で冷やすのを嫌がるのですが、どうすればよいでしょうか?
A. 無理に冷やす必要はありません。冷やすことで痛みが和らいだり腫れを抑えたりする効果はありますが、お子さんが嫌がって泣き叫ぶと、かえって血圧が上がり腫れが強くなることがあります。嫌がる場合は無理に冷やさず、安静を保つことを優先してください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
