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赤ちゃんのよだれかぶれの原因と治し方|悪化させないケアのコツ

赤ちゃんのぷにぷにした口の周りが赤くなっているのを見ると、とても心配になりますよね。「毎日ケアしているのに、赤ちゃんの口の周りが赤くなってしまう…」
「痛そうでかわいそうだけど、どうしたらいいの?」
と悩む保護者の方はとても多いです。
よだれかぶれは正しい方法でケアすれば、ほとんどが改善します。
この記事では“今日からできるスキンケア”と“受診の目安”をわかりやすく解説します。
もくじ
よだれかぶれとは

よだれかぶれは、よだれが原因で起こる皮膚の炎症です。
医学的には「刺激性接触皮膚炎(しげきせいせっしょくひふえん)」の一種です。
口周りの皮膚が赤くなり乾燥してかゆみを伴うのが特徴で、湿疹やブツブツができることもあります。
ここでは、原因や症状、似ている病気との見分け方について詳しく見ていきましょう。
①原因
よだれかぶれの主な原因は「化学的な刺激」と「物理的な刺激」の2つに分けられます。
化学的な刺激は、よだれに含まれる食べ物を消化しやすくする酵素によるものです。消化酵素が肌に長時間付着すると、皮膚を守るバリア機能を壊すため、肌がダメージを受けて炎症を引き起こします。
よだれに混じった母乳やミルク、離乳食の食べかすなど、様々な成分が混ざることで、肌への負担がさらに大きくなります。
物理的な刺激は、よだれを拭き取ろうとして、ゴシゴシ擦ることです。赤ちゃんの皮膚は薄く、わずかな摩擦でも簡単に傷ついてしまいます。傷ついた部分から炎症が起こりやすくなります。
②症状
よだれかぶれの症状は、よだれが付きやすい口の周りから始まります。最初は気づきにくいかもしれませんが、日頃から赤ちゃんの口元をよく観察してあげましょう。
症状は、以下のように段階的に進行します。

症状が出やすいのは、よだれがたまりやすい口の周り、あご、頬です。寝返りやうつ伏せでよだれが垂れると、首にも広がることがあります。
③月齢ごとの特徴
よだれかぶれが起こりやすい時期は、離乳食を食べ始める生後5~6か月頃です。以下のように成長段階に応じて、かぶれやすさが異なります。

赤ちゃんのよだれかぶれは、成長に伴いだ液の量が減り、徐々に改善しますが、個人差があり、1歳以降も続くことがあるため、ケアは続けていくことが重要です。
④似ている病気との見分け方
新生児や乳児期の発疹のほとんどは、自然に良くなる良性のものです。しかし、中には適切な診断と治療を必要とする病気が隠れていることもあります。
よだれかぶれに似ている病気の原因や特徴を表にまとめました。

特定の食べ物を食べた後に症状が出たり、通常の保湿ケアで改善しなかったりする場合は自己判断せず、医師に相談することが大切です。
よだれかぶれを改善する自宅ケア

赤ちゃんのよだれかぶれは、自宅でケアすることで症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。
ここでは「スキンケアの方法」と「市販薬の選び方と塗り方」を紹介します。
スキンケアの方法
よだれかぶれのスキンケアは「優しく洗う」ことと「すぐに保湿する」ことが重要です。
まず、よだれを吸い取るようにガーゼやコットンを肌に押し当てて、食べかすや汚れが目立つときは、ぬるま湯で洗い流します。その後、水分をタオルで抑えるように拭き取ってください。肌を清潔にした後は、乾燥しやすいのですぐに保湿しましょう。
スキンケアは赤ちゃんの肌に合う、無香料・無着色・低刺激性の製品が基本です。保湿剤を十分な量を手に取り、優しく肌に乗せるように広げましょう。
市販薬の選び方と塗り方
スキンケアを徹底しても赤みやかゆみが改善しない場合、市販薬も選択肢になります。
市販薬を選ぶ際は、症状の程度に合わせて成分を選びましょう。

薬を塗る際は、清潔な指で患部より少し広めに優しく乗せるように塗布してください。
病院を受診する目安

セルフケアを1週間ほど続けても改善しない、または悪化している場合は受診を考えるタイミングです。ここでは、受診の目安となる症状やクリニックでの治療法を見ていきましょう。
①受診の目安となる症状
よだれかぶれは、ひどくなる前の対応がとても重要です。ご自宅でのケアで改善しない時に加え、特に次のような症状は悪化のサインです。早めに医療機関を受診しましょう。
- 赤みが強く、範囲が広がっている
- 皮膚がじゅくじゅくしている
- 黄色いかさぶたや、膿(うみ)が出ている
- かゆみが強そうで、頻繁にかきむしる
- ブツブツがたくさんできている
- 皮膚が硬くなっている
これらのサインを早期に認識し、適切な治療を行うことが重要です。自己判断で様子を見続けず、一度専門家に相談しましょう。
②治療法
病院では、よだれかぶれの重症度に合わせて、主に塗り薬(外用薬)による治療を行います。医師は赤ちゃんのデリケートな肌を考慮し、症状に合わせて最適な薬を処方します。

症状が広範囲に及ぶ場合は、飲み薬が必要になることもあります。細菌をしっかりなくすため、医師に指示された期間は必ず薬を使い切ることが大切です。
よだれかぶれの再発を防ぐための日常ケア

よだれかぶれの治療で一時的に症状が良くなっても、赤ちゃんの肌はまだ発達途中なので再発することがあります。
ここでは、よだれかぶれの再発を防ぐための具体的な対策を見ていきましょう。
①スタイ(よだれかけ)をこまめに交換する
スタイはよだれを吸収する便利な育児用品ですが、使い方を誤ると逆効果です。濡れたスタイが長時間肌に触れると、皮膚がふやけて負担がかかります。ふやけた肌は、わずかな摩擦でも傷つきやすく、かぶれを悪化させる原因になるのです。
スタイは肌に直接触れるため、吸水性と通気性に優れた綿100%のものを選びましょう。
サイズは赤ちゃんの首回りにフィットするもの、デザインはできるだけシンプルなものがおすすめです。
少しでもスタイが湿ったら、すぐに新しいものに交換する習慣をつけましょう。特に授乳や食事の後はよだれの分泌が増えるため、こまめなチェックが不可欠です。
②口の周りを清潔に保つ
よだれかぶれ再発予防の基本は、肌を清潔に保つことです。
授乳や食事の後、起きた後、よだれの量が多いときなどのタイミングを目安に、口の周りを清潔にしてあげましょう。
よだれを拭くときは水で濡らして固く絞ったガーゼやコットンを使ってください。肌に優しく押し当て、よだれや汚れを「吸い取らせる」イメージでケアしましょう。
③こまめに保湿する
肌を清潔にした後は必ず保湿しましょう。保湿ケアは、失われた皮脂膜の代わりとなり、肌のバリア機能を補強する役割があります。また、肌の乾燥を防ぐとともに、汚れや食べかすが直接肌に触れないように守ってくれます。
保湿のタイミングは、朝の起床後と夜のお風呂上がりの1日2回が基本です。それに加え、口周りを拭いた後や食事の前にも、その都度塗り直しましょう。保湿剤を塗った上からワセリンを薄く重ね塗りすると、保護効果がさらに高まります。(※1)
④爪を短く切る
よだれかぶれにかゆみが出ると、赤ちゃんは無意識に患部を掻いてしまいます。赤ちゃんの爪は薄くても鋭いため、簡単に皮膚を傷つけてしまいます。
赤ちゃんの爪は伸びるのが早いため、週に1〜2回はチェックする習慣をつけましょう。かゆみが強い時は、夜間など無意識に掻きやすい時間帯だけミトンを使うのも一つの方法です。
まとめ
赤ちゃんの肌トラブルは、保護者の方が自分を責めてしまいがちです。
でも、よだれかぶれは誰にでも起こる“成長の途中の肌だからこそ起こるもの”。
正しいケアで必ず良くなりますので、一人で悩まずご相談くださいね。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、赤ちゃんのよだれかぶれの相談も受け付けています。「なかなか治らない」とお悩みのお母さんは、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
- 第28回日本慢性期医療学会 ドライスキンのある患者に対しワセリン使用方法の違いによる保湿効果
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こどもの病気コラムの一覧です。
https://www.besta-kids.jp/category/pediatrics-column/
監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
