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赤ちゃんの頭の形がゆがんでる?原因と対処法、受診のタイミング
この記事を監修した医師

小児科専門医/院長
濵野 翔
「うちの子、頭の形がいびつかもしれない」と不安を感じる保護者の方は少なくありません。赤ちゃんのデリケートな頭の形は、多くのご家庭で共通する悩みです。 頭の形のゆがみは珍しいことではなく、その多くは日常の向き癖などが原因で起こります。
多くの赤ちゃんは、成長とともに少しずつ形が目立たなくなっていきます。しかし、ゆがみの程度が強い場合は、自然な改善があまり見込めないこともあります。 ある報告では、専門的に重度と判断された赤ちゃんのうち、約7割が3か月後も大きな改善が見られなかったとされています( J Clin Med:Noto et al. 2021 )。
そのため、その子に合わせた適切なケアや、受診すべきタイミングを知っておくことが大切です。 ごくまれに治療が必要な病気が隠れている可能性もあり、放置するとお顔の見た目や将来の歯の噛み合わせに影響することもあります。
この記事では、ゆがみが生じる理由からご家庭でのケア、専門医への相談の目安をやさしく説明します。
もくじ
頭の形がゆがむ原因と3つのタイプ

赤ちゃんの頭の骨は、いくつかのパズルのピースのように分かれています。骨のつなぎ目である「縫合」はまだ固まっておらず、非常に柔らかい状態です。 脳が急速に大きくなるスペースを確保できる一方で、同じ向きで長く寝ていると、その部分だけが平らになりやすい特徴があります。
赤ちゃんの頭の形にゆがみができる主な原因は以下の3つです。
①向き癖などによる「位置的頭蓋変形」
寝ているときに頭の柔らかい部分へ継続的に外圧がかかることで変化する状態を、「位置的頭蓋変形症」と呼びます。
主に3つのタイプがあります。
片側の後頭部が平らになり、上から見ると平行四辺形のようにゆがむ「斜頭症」。
後頭部全体が平らになり、いわゆる絶壁に見える「短頭症」。
早産の赤ちゃんなどに多く、頭が前後に細長くなる「長頭症」です。
これらは育て方の問題ではなく、成長の過程で生じることがあります。
②ごくまれに隠れている病気「頭蓋骨縫合早期癒合症」
頭のゆがみの多くは位置的頭蓋変形ですが、まれに「頭蓋骨縫合早期癒合症」という病気が原因の場合があります。 これは、本来なら脳の成長に合わせてゆっくり閉じるはずの頭蓋骨のつなぎ目が、生まれつき、あるいは生後早くに閉じてしまう状態を指します。 つなぎ目が早く閉じると脳が大きくなるスペースが足りなくなり、頭が特徴的な形に変形します。脳の発達そのものに影響を及ぼす可能性があるため、手術による治療が必要になるケースがあります。
③お腹の中や出産時の圧力
赤ちゃんの頭のゆがみは、生まれる前から始まっていることもあります。 母体の子宮内が狭い多胎妊娠や骨盤位(逆子)では、頭が圧迫されて変形することがあります。 また、狭い産道を通って生まれてくるときにも圧迫が起こります。吸引分娩や鉗子分娩による圧力で一時的に頭が細長くなることもありますが、これらは生後数週間から数か月で自然に丸みを取り戻すことが多いです。
頭のゆがみを放置することによる影響

向き癖などが原因の位置的頭蓋変形症は、命に関わるような緊急性の高いものではありません。しかし、そのまま放置すると、成長とともにお子さんの見た目や機能に影響が及ぶ可能性があります。
見た目のバランスと日常生活への工夫
頭のゆがみが強いまま成長すると、お顔の骨のバランスにも左右非対称な影響が及ぶことがあります。 おでこが片方だけ前に出たり、耳の位置が左右でずれたりします。 このような変形があると、日常生活のささいな場面で不便さを感じることがあります。例えば、帽子や自転車のヘルメットがうまくフィットしなかったり、眼鏡が傾いてしまったりします。
噛み合わせや発達との関連性
頭蓋骨は顎の骨と密接に連動しています。ゆがみが強いと顎の成長が左右非対称になり、将来的に歯の噛み合わせがずれる「不正咬合」につながることがあります。 また、もし頭蓋骨早期癒合症のような病気が隠れている場合は、脳の成長そのものが妨げられるおそれがあります。 少しでも気になるゆがみがある場合は、早い段階で専門医の診察を受けることが推奨されます。
自宅で今日からできる頭の形ケア

日常の中で頭にかかる圧力を上手に分散させてあげることが大切です。頭が柔らかい生後すぐから首がすわる頃までは、ご家庭でのケアの効果が出やすい時期です。
寝かせ方や抱き方と抱っこ紐の活用
首の筋肉を育むタミータイムの進め方
タミータイムとは、赤ちゃんが起きているときに、保護者の見守る前でうつ伏せにして過ごす遊びの時間です。 後頭部にかかる圧力を減らすだけでなく、首や背中の筋肉を鍛え、運動発達を促す効果が期待されています( Pediatrics:Tummy Time Systematic Review )。 最初は1回3分から5分程度、機嫌が良いときに始め、徐々に慣らしていきます。生後3か月頃には、1日の合計が30分から60分になることを目安に楽しんでみてください。 床は硬めの場所を選び、授乳直後は避けるなどの安全配慮が必要です。赤ちゃんが嫌がったり眠そうにしたりした場合は、すぐに仰向けに戻します。
赤ちゃんの頭の形を医療機関で治療する方法

頭蓋成長を利用したヘルメット治療
病的な原因に対する外科的治療(手術)
病院を受診するタイミングと相談先の選び方

ご家庭でのケアを試しても改善が難しい場合は、適切なタイミングで専門医に相談することが大切です。
かかりつけ小児科と専門外来の役割
いつも同じ方向ばかり向く強い向き癖があり、反対側を向かせようとすると嫌がる場合は、首の可動域に制限がある可能性があります。首の筋肉が硬くなる「先天性筋性斜頸」が隠れていることもあり、その場合は理学療法などの治療が役立ちます。 生後3か月から4か月を過ぎてもゆがみが変わらない、あるいは強くなっている場合も受診を検討する目安です。 まずは全体の発達を確認してくれるかかりつけの小児科に相談し、必要に応じて「頭の形外来」などの専門外来を紹介してもらう流れがスムーズです。 近年は、AIを用いた画像解析による診断技術も進歩しており、早期の判断に役立っています( Orthod Craniofac Res:Azimi et al. 2025 )。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでの対応
ベスタこどもとアレルギーのクリニックは、西武池袋線の中村橋駅から徒歩1分の場所にあり、当院では赤ちゃんの頭の形に関するご相談を定期的にお受けしています。エコー検査を用いて、頭蓋骨早期癒合症などの病的なゆがみがないかを診察します。 ご家庭でできるポジショニングのアドバイスや、タミータイムの進め方の指導、AIを用いた画像解析、ヘルメット治療を行っています。ヘルメット治療を強要することはなく、ご家族に寄り添った対応を心がけています。どうぞお気軽にご相談ください。
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としています。赤ちゃんの頭の形や発育・発達には個人差があります。記事の内容だけで判断せず、ご心配な点がある場合は、かかりつけ医または専門の医療機関へご相談ください。
よくある質問(FAQ)

Q1. 市販のドーナツ枕は頭の形の改善に効果がありますか?
ドーナツ枕や柔らかいクッションは、赤ちゃんの窒息事故や乳幼児突然死症候群のリスクを高めるおそれがあります。安全な睡眠を最優先するため、赤ちゃんの就寝中には枕を使用しないことが強く推奨されています。
Q2. 練馬区周辺で赤ちゃんの頭の形について相談できる病院はありますか?
練馬区内にあるベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、赤ちゃんの頭の形のご相談をお受けしています。診察によって病気によるゆがみを鑑別し、必要であれば専門の医療機関へ紹介する連携体制をとっています。
Q3. 頭の形のゆがみは大きくなると自然に治りますか?
軽度な変形であれば、寝返りやおすわりなど赤ちゃんが自分で動く時間が増えるにつれて、自然に目立ちにくくなることが多いです。しかし、中等度から重度な変形の場合、自然な改善だけでは左右差が残る可能性があります。
Q4. ヘルメット治療を始めるのに最適な時期はいつですか?
一般的に、赤ちゃんの頭蓋骨が柔らかく、脳の成長スピードが最も速い生後3か月から6か月頃が適齢期とされています。骨が硬くなり始める高月齢から開始すると、改善に時間がかかる傾向があります。
Q5. 頭の形がゆがんでいると、脳の発達に遅れが出ますか?
位置的頭蓋変形自体が脳の発達を直接妨げるという明確な因果関係は証明されていません。ただし、首の動かしにくさや運動発達のゆっくりさが、向き癖や頭のゆがみと共通して関係していることはあります。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
