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赤ちゃんの下痢は病気のサイン?よくある原因と受診の目安を解説

赤ちゃんのうんちが急に水っぽくなったり回数が増えたりすることで、不安を感じるお母さんは少なくありません。
赤ちゃんは体が未熟なため、下痢が続くだけで脱水を起こしやすく、重い病気につながることもあります。特に便の色が白・赤・黒の時は、早急に受診すべき危険なサインです。
この記事では、感染症や食事、薬の副作用など、下痢の主な原因を整理し、自宅でのケアや病院を受診する目安も解説します。下痢のときに落ち着いて対応できるよう、赤ちゃんの健康を守るための知識を持っておきましょう。
赤ちゃんの下痢の主な原因5つ

赤ちゃんは大人に比べて下痢をしやすい傾向があります。胃腸の消化機能が発達の途中で、体の水分バランスを調節する力も未熟なためです。
赤ちゃんの下痢の代表的な原因は以下の5つです。
①ロタウイルス・ノロウイルスなどの感染性胃腸炎
②離乳食の開始や特定の食材による消化不良
③母乳やミルクが体質に合わない乳糖不耐症やアレルギー
④抗生物質など薬の副作用による下痢
⑤体の冷えや環境変化によるストレス反応
①ロタウイルス・ノロウイルスなどの感染性胃腸炎
赤ちゃんの下痢で頻度の多い原因は、ウイルスや細菌の感染によって起こる「感染性胃腸炎」です。
特に以下のウイルスは、乳幼児期にかかりやすいウイルスとして知られています。

これらのウイルスは感染力が強く、保育園などの集団生活の場で急速に広まることがあります。
感染経路は、ウイルスが付着したおもちゃなどを触った手で口元に触れる接触感染が多いです。嘔吐物や便の処理が不適切な場合に、ウイルスが空気中に舞い上がることでも感染します。
赤ちゃんが激しく吐いたり下痢をすると、あっという間に体の水分が失われ、脱水になりやすいので注意が必要です。
②離乳食の開始や特定の食材による消化不良
母乳やミルクから離乳食へ移行する時期は、赤ちゃんが下痢をしやすくなる時期でもあります。消化不良が主な原因であり、以下のような場合に下痢をしやすくなります。
- はじめての食材を試したとき
- 食べる量が増えたとき
- 消化しにくい食材(きのこ類・海藻・脂肪分の多い肉や魚など)
- 糖分の多い食材(果物やジュースなど)
離乳食が原因の下痢では、赤ちゃんの機嫌は比較的良く、食欲も落ちないことがほとんどです。下痢が見られたら、一度離乳食をお休みしたり、おかゆなど消化の良い食事に戻したりして、胃腸を休ませてあげましょう。
③母乳やミルクが体質に合わない乳糖不耐症やアレルギー
毎日飲んでいる母乳やミルクが、下痢の原因となる場合もあります。背景には、以下のような赤ちゃんの体質が関係している可能性があります。

母親が摂取したものが母乳の成分に影響を与えることもあります。基本的には気にしすぎる必要はありませんが、カフェインやアルコールなど一部は赤ちゃんに届くことがあるので、ほどほどを心がけると安心です。
④抗生物質など薬の副作用による下痢
中耳炎や気管支炎などで処方される抗生物質(抗菌薬)は、下痢の原因になることがあります。病気の菌を抑えてくれる一方で、腸の中の良い菌まで減らしてしまうことがあるからです。
赤ちゃんのお腹の中にはたくさんの菌がいて、消化を助けたり体を守ったりしています。抗生物質を飲むと、そのバランスが少し崩れて下痢を起こすことがあります。多くの場合は薬を始めて数日後に見られ、軽めで済むことがほとんどです。
気をつけたいのは、自己判断で薬をやめないことです。途中でやめてしまうと病気が治りきらなかったり、薬が効きにくくなる原因になることがあります。
⑤体の冷えや環境変化によるストレス反応
大人でも緊張するとお腹が痛くなるように、赤ちゃんもストレスや環境の変化でお腹の調子を崩すことがあります。言葉で伝えられない分、体調の変化がお知らせサインになることも。
脳と腸は自律神経などを介して密接につながっており、「脳腸相関」と呼ばれています。以下のような心身のストレスは腸の機能に直接的に影響を及ぼすと考えられています。

これらの原因による下痢は、発熱や嘔吐などを伴わず、短期間で回復することが大半です。赤ちゃんの機嫌も良く、食欲も変わらないようであれば、過度に心配する必要はありません。
室温や服装を調整してお腹を温かく保ち、できるだけ穏やかな環境で過ごせるよう心がけましょう。
ここまでに原因をお話しましたが、詳しい原因はわからないこともあります。
赤ちゃんの下痢症状で受診すべき目安

赤ちゃんは下痢が続くと脱水につながりやすいので、受診するかどうかの見極めが大切です。慌てずに全身の様子を見て、次のポイントを目安にしてください。
- 便の色や形が普段と違う場合
- 下痢が何日も続いている場合
- 下痢以外の症状がある場合
便の色や形が普段と違う場合
赤ちゃんの便は、その時の健康状態を教えてくれる大切なサインです。下痢のときは、色や形の変化が病気を見つけるヒントになることがあります。
いつもと違う便が出たら、体調が崩れている合図かもしれません。受診するときは、便のついたおむつをビニール袋に入れて持っていくか、スマートフォンで写真を撮っておくと診断に役立ちます。
以下のような便が出た場合は、自己判断せず速やかに小児科を受診してください。

緑色の便は「胆汁」という消化液の色素が原因であり、腸の中を通る時間が短かったときによく見られるものです。赤ちゃんが元気で機嫌も良ければ、心配しなくても大丈夫なことがほとんどです。
他の症状を伴う場合は、医師に相談しましょう。
下痢が何日も続いている場合
赤ちゃんが元気そうに見えても、下痢が長く続く場合は注意が必要です。一般的に、下痢が1〜2週間以上続く状態を「遷延性(せんえんせい)下痢症」と呼び、何らかの原因が隠れている可能性があります。
受診を検討すべき期間は以下のとおりです。
- 新生児〜生後3か月頃まで:2〜3日以上続く場合(体力がなく、脱水になりやすいため)
- 生後4か月以降の乳幼児:1週間以上続く場合
下痢に加えて体重が増えない、機嫌が悪い時間が増えるなどの変化がある時は、早めに小児科医に相談して原因を調べてもらいましょう。
下痢以外の症状がある場合
下痢だけでなく他の症状も一緒に出ているときは、体調が悪化しているサインかもしれません。脱水も早く進むことがあるので、以下の症状が出ていれば早めに受診を考えてください。
- 高熱
- 繰り返す嘔吐
- 元気がない
- ぐったりしている
- 激しい腹痛
- 脱水症のサイン
- けいれん
赤ちゃんの下痢への対処と予防

赤ちゃんの下痢には、病院にかかる判断だけでなく、お家でのケアや日常の予防も大切です。状況に応じて家庭でできる工夫と医療機関での対応を組み合わせていくことが安心につながります。ここでは、そのためのポイントをご紹介します。
- 小児科で治療を受ける
- 水分補給と食事でケアする
- おむつかぶれを防ぐスキンケアをする
- 家庭内での衛生管理を徹底する
- ロタウイルスワクチンで予防する
小児科で治療を受ける
赤ちゃんの下痢で受診すべきか迷ったときは、一人で判断せずに小児科に相談するのが安心です。下痢が長引いて元気がなく見えるなど、普段と様子が違うときは早めに受診しましょう。
診察では、お母さんが気づいたことを伝えるのがとても役立ちます。
例えば、下痢が始まった時期や便の回数・色・状態、熱や嘔吐があるかどうか、水分や食事のとり方、おしっこの回数や色、機嫌の変化などです。家庭や保育園で同じ症状が出ている人がいるかも大切な情報になります。
治療は原因や症状によって変わります。多くの場合は水分をしっかり補いながら様子を見ます。
細菌が原因と考えられるときには抗生物質が使われることもあり、お腹の調子を整える薬が出ることもあります。
水分補給と食事でケアする
下痢の時に一番注意したいのが「脱水症」です。
赤ちゃんは少しの下痢や嘔吐でも水分を失いやすいため、こまめな水分補給を心がけましょう。母乳やミルクは続けてOK、経口補水液は赤ちゃん用を少量ずつ与えると安心です。
離乳食は下痢がおさまって食欲が戻ってから、やわらかいおかゆや野菜スープなど消化の良いものを少しずつ始めます。脂っこいものや冷たいものは控え、赤ちゃんの機嫌や便の様子を見ながらゆっくり普段の食事に戻していきましょう。
おむつかぶれを防ぐスキンケアをする
下痢が続くとおむつ交換の回数が増え、おしりが赤くただれる「おむつかぶれ」を起こしやすくなります。下痢便に含まれる消化酵素や、便が酸性に傾くことなどが、赤ちゃんのデリケートな皮膚を刺激するために起こります。
痛々しいおむつかぶれは、以下のような丁寧なスキンケアで予防・改善できます。

赤みやただれがひどい場合は、自己判断で市販薬を使わず、小児科で適切な塗り薬を処方してもらうことが大切です。
家庭内での衛生管理を徹底する
赤ちゃんの下痢がロタウイルスやノロウイルスなどの感染性胃腸炎による場合、その感染力は強く、家族に広まってしまう可能性があります。
家庭内での二次感染を防ぐため、以下のような感染対策を徹底しましょう。
- 手洗いを徹底する
- おむつは適切に処理する
- 衣類やシーツは消毒して洗う
- よく触る場所を消毒する
- タオルは共用しない
家庭での感染対策は、子どもや家族を守るために欠かせません。手洗いやおむつの処理、ちょっとした片づけを心がけるだけで、家庭内での感染の広がりを減らせるでしょう。
ロタウイルスワクチンで予防する
赤ちゃんの下痢で、特に重症化しやすいのがロタウイルス胃腸炎です。激しい嘔吐や白っぽい下痢が特徴で、脱水により入院が必要になることもあります。
予防の基本は「ロタウイルスワクチン」で、接種によりリスクを減らせます。ロタウイルスワクチンには、以下のような特徴があります。
- 種類:飲むタイプの経口ワクチン(2回接種と3回接種がある)
- 接種時期:生後2か月〜14週6日までに開始が推奨される
- 公費助成:定期接種の対象で無料
接種できる期間は限られているため、早めに小児科に相談して計画的に進めることが大切です。
まとめ
赤ちゃんの下痢では、便の状態だけでなく機嫌・食欲・おしっこの回数など全身の様子を観察することが大切です。水分が摂れて元気があれば自宅で落ち着く場合もありますが、ぐったりしている、高熱や嘔吐がある、血便が出るなどの危険サインは見逃せません。
判断に迷った時や、少しでも不安を感じた時は、一人で抱え込まず、かかりつけの小児科医に相談してください。ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、赤ちゃんの下痢の診療を受け付けています。赤ちゃんの下痢がなかなか治らない場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
https://www.besta-kids.jp/pediatrics/
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監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
