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「エコー検査」で、なにがわかる?どんな時にするべき?【ベスタの小児科医が解説】
「しこりを腫れるけど、これは大丈夫?」
「赤ちゃんがよく吐くようになった、なんか機嫌が悪い」
「しょっちゅうお腹を痛がるけど、悪い病気では…?」
「関節が痛い、腫れている?」
「頻尿、おもらし、、検査って必要?」
お子さんの普段と違う様子、特に風邪でもないのに調子が悪そうな症状が続くと、“変な病気なのでは?”と、心配な気持ちになりませんか。
小児科医はお子さまの多様な症状に対し、問診・診察に加えて、どんな検査をすべきかどうかを考えますが、その中でとても役立つ検査の一つが「エコー(超音波)検査」です。お子さんの体に負担をかけることなく、体の中の様子を詳しく調べることができます。
当院(ベスタこどもとアレルギーのクリニック)は365日診療体制を整え、西武池袋線「中村橋駅」から徒歩1分の場所で、練馬区、中野区、杉並区、西東京市など西武線沿線にお住まいの皆さまにとって、いつでも頼れる地域のクリニックでありたいと願っています。この記事が、保護者の皆さまの不安を少しでも和らげる一助となれば幸いです。
もくじ
- 1 はじめに:エコー(超音波)検査ってどんな検査?
- 2 エコー検査でどんなことがわかるの?
- 3 どんな症状の時にエコー検査をするの?
- 3.1 “しこりがある”
- 3.2 “胸の腫れが成長に伴う変化か、しこりなのかわからない。”
- 3.3 “膿性鼻汁が続く”
- 3.4 “耳の下が腫れている、痛い”
- 3.5 “川崎病を疑う症状がでている” “心雑音を指摘された”
- 3.6 “生後1-2か月の赤ちゃんが嘔吐を繰り返している”
- 3.7 “赤ちゃんの機嫌が悪い、吐いている、血便がでた”
- 3.8 “よくお腹を痛がる”
- 3.9 “急な右下腹部痛”
- 3.10 “陰嚢(睾丸)が腫れている、痛い”
- 3.11 “頻尿、おもらし、排尿時痛、夜尿、血尿、、、”
- 3.12 “肥満症がある” “肝機能異常、高脂血症”
- 3.13 “皮膚が真っ赤に腫れあがっていて痛い、熱がある”
- 3.14 “関節が痛い、腫れている”
- 3.15 “赤ちゃんのおしりの割れ目がおかしい”
- 3.16 “赤ちゃんの股関節の開きが悪い”
はじめに:エコー(超音波)検査ってどんな検査?
エコー(超音波)検査は、人の耳には聞こえない高い周波数の音波(超音波)を体に当て、その反響を画像として映し出す検査です。
体にプローブと呼ばれる小さな機械を当てるだけで、痛みも放射線の被ばくもなく、リアルタイムで体の中の臓器の形や動き、血の流れなどを観察できます。
特に、体が小さく、じっとしているのが難しいお子さんにとって、この「痛みがなく」「安全で」「すぐに結果がわかる」エコー検査は、非常に有用な診断ツールなのです。

当院では、Canonの「Aplio me」という機種を使用しています。Canonの超音波診断装置の主要なブランドであるAplioシリーズの中でも、Aplio meはコンパクトで高度な画像処理技術を有する最上位シリーズです。
https://epicus.medical.canon/jp/products/aplio-me.html
エコー検査でどんなことがわかるの?
みる臓器や疾患によって得意不得意はありますが、エキスパートがエコーをすれば、「そんなことまでわかっちゃうの!?」というところまでみえてしまうのが、エコー検査です。
赤ちゃんは骨が薄いので、大泉門という骨のすき間から「脳出血」や「水頭症」などを調べることができます。背中からエコーをあてて「脊髄」をみることもできます。
上顎にあてて「副鼻腔炎」も評価できます。首のリンパ節や血管、唾をつくる唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下線)、甲状腺などは非常によくみえます。「リンパ節炎」、「耳下腺炎(おたふくかぜなど)」、「甲状腺疾患」などが疑われるときは大変有用です。
心臓の動きや弁膜や血液の流れ方などをみることができます。肺に水がたまっているかどうかもわかります。
お腹では、肝臓、胆のう、脾臓、すい臓、腎臓、膀胱、胃腸、精巣、卵巣などさまざまな臓器をみることができます。お腹の中に腫れものがある時、肝臓の数値が高い時、腹痛が続く時、尿トラブル時などに病気を探すのにとても役立ちます。
内臓の病気だけでなく、「外傷」も評価できます。高い所から落ちた時、交通事故にあった時、腎臓や肝臓など裂傷が生じていないかどうか、お腹の臓器周囲に水がたまっていないかどうか。
関節もみえやすいので、「関節リウマチ」、「先天性股関節脱臼」、「関節炎」なども評価できます。
皮膚や乳腺のしこり(皮下腫瘤、乳腺腫瘍)、皮膚感染(蜂窩織炎)をみることもできます。
意外と知られていないですが、エコーは“何でも屋”なんです。
どんな症状の時にエコー検査をするの?
”小児科のクリニックの日常診療でよくある症状”、”検査する部位”、”検査で何がわかるのか?”を具体的にご紹介します。
お子さまにあてはまる症状がある場合は、一度ご相談ください。
“しこりがある”
→ 体表エコー
皮膚にある「しこり」であれば、頭部・顔・首・体幹・手足など、どこでも検査可能です。
くびやお腹などにある腫瘤(腫れ物)なども検査可能です。
“胸の腫れが成長に伴う変化か、しこりなのかわからない。”
→ 乳腺エコー
成長に伴う乳腺の腫大なのか、別の腫瘤なのか、エコーで判別可能です。男児の乳腺肥大であれば、エコー以外にも精査が必要です。
“膿性鼻汁が続く”
→ 副鼻腔エコー
上顎洞に液状のたまりがあるかどうかはエコーでわかり、その場合は「副鼻腔炎」と診断できます。ただし、“副鼻腔はキレイです!”と言い切るのは難しいです。
“耳の下が腫れている、痛い”
→ 頚部エコー
耳下腺腫脹やリンパ節腫脹などの可能性があります。触診ではわかりにくい場合もありますが、エコーをすれば、何がどのように腫れているのかわかります。
発熱に伴ってリンパ節が腫れているときは、「化膿性リンパ節炎」、「川崎病」、「伝染性単核球症」、「頚部の膿瘍(膿みのかたまり)」などの疾患を考える必要があります。
子どもの耳の下が腫れている!おたふく?リンパ節?原因と緊急性の目安
“川崎病を疑う症状がでている” “心雑音を指摘された”
→ 心臓エコー
熱、目の充血、紅斑、リンパ節腫脹などは「川崎病」を疑う症状であり、川崎病の心臓合併症である「冠動脈瘤」についての評価が望ましいです。
心雑音については先天的な心疾患や弁膜症を評価します。
*当院では心雑音に対するエコー精査は行っておりません。
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“生後1-2か月の赤ちゃんが嘔吐を繰り返している”
→ 腹部エコー
生後2-3週間以降から徐々に嘔吐が激しくなり、毎日のように嘔吐を繰り返している場合は「肥厚性幽門狭窄症」という疾患を疑います。
“赤ちゃんの機嫌が悪い、吐いている、血便がでた”
→ 腹部エコー
「腸重積」という疾患を疑います。エコーでは、腸が二層に重なってみえる“ターゲットサイン◎”という特徴的な所見がみられます。
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“よくお腹を痛がる”
→ 腹部エコー
学童期~青年期におこる腹痛の原因としては、「便秘」、「胃腸炎」、「過敏性腸症候群」、「自律神経失調症/起立性調節障害」などがメジャーですが、他にも、「先天性胆道拡張症」、「水腎症」、「尿路結石」、「膵炎」など、 “エコーをすればわかったのに、、、”といった疾患の可能性もあります。
“急な右下腹部痛”
→ 腹部エコー
「虫垂炎」、いわゆる “盲腸”を疑います。小児の虫垂炎は、大人と比べ、一気に悪化して、虫垂が破ける危険性が高いと言われています。虫垂炎の診断は時に難しいですが、早期診断が大事です。エコーをみれば、虫垂が腫れているかどうかがわかります。
“陰嚢(睾丸)が腫れている、痛い”
→ 精巣エコー
痛みが強い場合は「精巣捻転」という緊急性の高い疾患の可能性があります。陰嚢が腫れているときは、「精巣上体炎」、「陰嚢水腫」、「鼠径ヘルニア」などの可能性もあります。
“頻尿、おもらし、排尿時痛、夜尿、血尿、、、”
→ 腹部(腎臓・膀胱)エコー
尿のトラブルは、腎臓~尿管~膀胱~尿道に至る“尿路”に異常があります。「水腎症」、「水尿管症」、「腎嚢胞」、「尿路結石」、「膀胱炎」など、腎膀胱エコーでわかる所見は多岐にわたります。
“肥満症がある” “肝機能異常、高脂血症”
→ 腹部エコー
健診で肥満を指摘された場合や、他の目的で行った血液検査で肝機能がたまたま引っかかった場合にエコーは有用です。「脂肪肝」など肝臓の状態をチェックすることができます。
“皮膚が真っ赤に腫れあがっていて痛い、熱がある”
→ 体表エコー
皮膚が真っ赤に腫れあがっていて、発熱している時は、「蜂窩織炎」という皮膚の感染を疑います。さらに深部まで感染が拡がっている「壊死性筋膜炎」という重症感染症の可能性もあり、それらの鑑別にもエコーは有用です。
“関節が痛い、腫れている”
→ 関節エコー
大人では「関節リウマチ」が有名ですが、小児では「若年性特発性関節炎」という関節疾患があります。発熱していて関節痛が強い場合には、「化膿性関節炎」という細菌感染症に注意が必要で、速やかな外科的処置が望ましい場合があります。関節に炎症があると、関節液貯留や滑膜肥厚といった所見がみられます。
“赤ちゃんのおしりの割れ目がおかしい”
→ 脊髄エコー
赤ちゃんの仙尾部(おしりの割れ目のところ)に、深いへこみがある、割れ目が斜めになっている、毛が生えている、血管腫などがある、など気になる症状がある場合、脊髄内にも何らかの異常がある可能性があります。生後2‐3ヶ月以内であれば、脊髄エコーでのスクリーニングを行うことができます。
“赤ちゃんの股関節の開きが悪い”
→ 股関節エコー
「先天性股関節脱臼」のスクリーニングにエコー検査は非常に有用とされています。
*当院では、股関節脱臼のエコーは行っておりません。
何か思い当たる症状はあったでしょうか。このブログをご覧になり、当院でのエコー検査を希望される場合は、腎夜尿症外来から予約をお取りください。
https://besta-kids.reserve.ne.jp/sp/index.php?
医療上の免責事項 本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や状況に応じた医学的な診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。
監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
