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子供の花粉症の薬はどう選ぶ?症状別の使い分け・副作用・受診の目安

お子さんのくしゃみや鼻水、鼻づまりが続くと、「どの薬を使えばいいの?」「眠くなりにくい薬はある?」と迷いますよね。
子供の花粉症の薬は、年齢といちばんつらい症状に合わせて選ぶのが基本です。ただし、同じ「花粉症の薬」でも、子供に使える年齢や位置づけは薬ごとにかなり違います。
この記事では、主な薬の種類、症状別の選び方、副作用、市販薬の注意点、受診の目安をわかりやすく解説します。
子供の花粉症に使う薬は症状別に選ぶのが基本

子供の花粉症の薬は、症状・重症度・年齢で選びます。目安としては、
・くしゃみ・鼻水が目立つ:第2世代抗ヒスタミン薬
・鼻づまりがつらい:鼻噴霧用ステロイド薬を軸に、必要に応じて抗ロイコトリエン薬
・目のかゆみが強い:抗アレルギー点眼薬
です。
ただし、鼻噴霧用ステロイド薬は鼻づまりだけの薬ではなく、くしゃみ・鼻水にも有効です。
子供の花粉症に使われる主な薬の種類

お子さんの花粉症治療では、症状を和らげる対症療法が中心となります。治療の基本は、お子さんの症状の種類や強さに合わせて、最適な薬を選ぶことが重要です。
ここでは、代表的な薬の種類とその役割について解説します。
第2世代抗ヒスタミン薬
くしゃみや鼻水、目のかゆみに使う基本の飲み薬です。
代表的な薬には、フェキソフェナジン、レボセチリジン、ロラタジン、エピナスチンなどがありますが、使える年齢や剤型は薬ごとに異なります。
症状が強いときは、抗ヒスタミン薬に鼻噴霧用ステロイド薬や、病型に応じて抗ロイコトリエン薬を組み合わせることがあります。
眠気の出方には個人差があるため、服用後は様子を観察し、気になる変化があれば医師に相談しましょう。
ロイコトリエン受容体拮抗薬
ロイコトリエン受容体拮抗薬は、鼻づまりが強いタイプで使われることがある薬です。
花粉が体に入ると「ロイコトリエン」という物質が出て、鼻の粘膜を腫らし、空気の通り道を狭くします。この薬はその働きを抑えることで、詰まった鼻を通りやすくします。
抗ヒスタミン薬だけでは症状が十分に良くならない場合に、一緒に使われることが多い薬です。効果が出るまでに少し時間がかかることがあるため、医師の指示通り毎日続けて飲むことが大切です。
鼻噴霧用ステロイド薬
鼻噴霧用ステロイド薬は、子供の花粉症治療でとても重要な薬です。
鼻づまりだけでなく、くしゃみ・鼻水にも有効で、症状が強い子では治療の軸になります。
新しいタイプの製剤は全身への影響が少なく、主な副作用は鼻の刺激感、乾燥感、鼻血などです。小さい子では保護者が噴霧を手伝うこともあります。
抗アレルギー点眼薬
目のかゆみや充血には、抗アレルギー点眼薬を使います。
かゆみを早く抑えたいときに使うタイプと、症状が悪化しにくいように使うタイプがあります。
症状が強いときにステロイド点眼薬を使うこともありますが、眼圧上昇などの副作用確認のため眼科での管理が必要です。
重症例で使用する治療薬
重症の花粉症では、より専門的な治療が検討されます。基本的な飲み薬や点鼻薬を使っても症状が強く、日常生活に支障が出ている場合に限り、医師の管理のもとで行われます。
重症例で専門的に検討される治療
・経口ステロイド薬:鼻噴霧用ステロイド薬などでもコントロールできない重症・難治例で、短期間だけ検討されることがあります。
・オマリズマブ(ゾレア):12歳以上で、既存治療で効果不十分な重症・最重症の季節性アレルギー性鼻炎に限って検討されます。花粉特異的IgE陽性、過去治療、体重、総IgE値などの条件があります。
・舌下免疫療法:症状をその場で抑える薬ではなく、長期的な改善を目指す治療です。
症状・年齢別の薬の選び方

花粉症の薬は、症状の強さや困っている内容によって選び方が変わります。同じ症状でも年齢によって使える薬や量が異なります。
ここでは、症状別・年齢別に適した薬の選び方を解説します。
くしゃみ・鼻水が強い場合
くしゃみや鼻水が強い場合は、抗ヒスタミン薬が基本の治療になります。
くしゃみやサラサラした鼻水は、体の中で「ヒスタミン」という物質が増えることで起こります。ヒスタミンが神経や血管を刺激すると、連続するくしゃみや止まらない鼻水につながります。
抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンの働きを抑えることで、症状を和らげます。水のような鼻水や発作のようなくしゃみが続くときに効果が期待できます。眠くなりにくいタイプの薬もあり、子供の日常生活への影響を抑えながら治療することが可能です。
鼻づまりが強い場合
鼻づまりは、花粉によって鼻の粘膜が炎症を起こし、腫れて空気の通り道が狭くなることで起こります。息苦しさから眠りが浅くなったり、日中に集中力が落ちたりする原因にもなります。
抗ヒスタミン薬にて鼻閉の改善が乏しい場合、鼻噴霧用ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬を併用します。これにより粘膜の腫れを和らげ、より高い効果が期待できます。鼻づまりが続く場合は、早めに医師へ相談しましょう。
目のかゆみが強い場合
目のかゆみが強い場合は、飲み薬に加えて抗アレルギー点眼薬を併用するのが治療の基本です。お子さんが頻繁に目をこすっていたり、白目が充血したりしている場合、飲み薬だけでは症状を抑えきれていない可能性があるためです。治療のポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- 抗アレルギー点眼薬を正しく使う
- 花粉を洗い流す
- 目の周りを冷やす
症状が特にひどい場合には、短期間だけステロイド点眼薬を使用することもあります。眼圧上昇などの副作用管理が必要なため、医師に相談のもと使用してください。
年齢による処方の違い
子供の花粉症では、「何歳ならこの薬」と大きく分けるより、薬ごとに対象年齢が違うと考える方が正確です。
たとえば、フェキソフェナジンのドライシロップやレボセチリジンのシロップ/ドライシロップは6か月頃から使える製剤があります。一方で、鼻噴霧用ステロイド薬は製剤によって2歳未満・3歳未満・5歳未満では使えないなど差があります。ディレグラ配合錠とオマリズマブは12歳未満では使いません。具体的な年齢は、処方された薬の添付文書や医師の説明で確認しましょう。
特に小さなお子さんの場合、安全に使える薬の選択肢は限られます。自己判断で市販薬を選んだり、安易に薬を使い回したりすることは、思わぬ副作用につながる危険があるため避けてください。
子供の花粉症薬の副作用と注意点

子供の花粉症薬は効果が期待できる一方で、副作用や使い方の注意点も理解しておくことが大切です。眠気やだるさなどは日常生活に影響することがあります。
ほかの薬との飲み合わせや、長く使う場合の安全性も気になるポイントです。ここでは、代表的な副作用と併用時の注意、長期使用の考え方について解説します。
主な副作用(眠気・だるさなど)
第2世代抗ヒスタミン薬でも、薬によっては眠気やぼんやり感が出ることがあります。
特に子供では、眠そうにしていないかだけでなく、集中しづらそう、機嫌が悪い、動きが鈍いなどもサインになります。
一方で、鼻噴霧用ステロイド薬の主な副作用は、鼻の刺激感、乾燥感、鼻血などの局所症状です。
市販薬を使う時の注意点
花粉症の薬とほかの薬を一緒に使うときは、成分の重なりに注意が必要です。
市販の風邪薬には、鼻水を抑えるために抗ヒスタミン成分が含まれていることがあります。すでに花粉症で抗ヒスタミン薬を飲んでいる場合、同じような成分を重ねてとってしまい、強い眠気やだるさなどの副作用が出やすくなります。
また市販の点鼻薬には血管を収縮させる成分が入っているものが多く、使い続けると薬剤性鼻炎を起こすことがあります。2歳未満では禁忌で、2歳以上でもできるだけ避けたい薬です。
自己判断で市販薬を追加するのは避けましょう。病院や薬局を利用するときは、お薬手帳を持参し、現在飲んでいる薬を伝えることが大切です。
長期使用における安全性
子供の花粉症薬は、医師の管理のもとであれば長期使用も可能です。
現在主に使われている第二世代抗ヒスタミン薬やロイコトリエン受容体拮抗薬、鼻噴霧用ステロイド薬は、安全性が確認されています。特に鼻噴霧用ステロイド薬は、鼻症状が強い場合に効果が期待される治療です。ただし、長く使う場合には守るべきポイントがあります。
長く使用するうえで大切な点は次のとおりです。
- 定期的に受診する
- 自己判断で中断しない
- 成長や体重の変化に合わせて用量を調整する
医師と相談しながら続けることで、安全に症状をコントロールできます。
受診の目安と治療開始のタイミング

適切な時期に、適切な治療を始めることが症状の悪化を防ぎ、お子さんの健康につながります。ここでは、受診の目安や初期療法について解説します。
受診すべき症状
市販薬で様子を見ることもできますが、改善しない、または症状が強い場合は花粉症以外の病気が隠れている可能性があります。受診を考える目安は次のとおりです。
受診を考えたいサイン
- 鼻づまりが強く、口呼吸やいびきが続く
- 眠りが浅い、日中ぼんやりする
- 耳を痛がる、聞き返しが増える
- 目の症状が強く、こすり続ける
- 毎年同じ時期に症状を繰り返す
- 小さい子で、市販薬を使って良いか迷う
特に小さなお子さんは症状をうまく伝えられません。普段と違う様子に気づいたら、早めに医師へ相談しましょう。
花粉飛散前からの初期療法
花粉が本格的に飛ぶ前から治療を始めることは、症状の悪化を防ぐための有効な対策の一つと考えられています。(※3)
毎年、花粉の季節に症状が悪化するお子さんには、「初期療法」という考え方があります。花粉症は、一度炎症が強くなると粘膜が過敏になり、わずかな花粉にも強く反応しやすくなります。その結果、薬を使っても症状を抑えにくくなることがあります。
花粉飛散前や、鼻のムズムズ・軽いくしゃみが出始めた段階で治療を始めることで、炎症の進行を抑えられる可能性があります。そのため、シーズン中の症状が軽くなることも期待されています。
まとめ
花粉症の症状はつらく、日常生活へも影響を及ぼします。しかし、症状を見極めて飲み薬や鼻スプレー、目薬などを適切に選ぶことで、症状の緩和が期待できます。
初期療法など症状が軽いうちから適切な治療を始めることで、つらいシーズンをできるだけ快適に過ごすことができます。お子さん一人ひとりの年齢や症状に合わせた薬の選択や生活指導が重要になります。
練馬区中村橋にあるベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、小児アレルギーに配慮した診療を行っています。西武池袋線の中村橋駅から徒歩圏内で、お仕事帰りや土曜日、日曜日でも受診しやすい体制を整えています。お子さんの花粉症で気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 小児アレルギー性鼻炎診療の手引き2024
- 日本アレルギー学会 アレルギーポータル「花粉症」「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」
- PMDA添付文書:モンテルカスト、ディレグラ、ゾレア
- ChitsuthipakornW,HoangMP,KanjanawaseeD,SeresirikachornK,SnidvongsK.Combinedmedicaltherapyinthetreatmentofallergicrhinitis:Systematicreviewandmeta-analyses.InternationalForumofAllergy&Rhinology,2022,12,12,p.1480-1502.
- K Sheth Shamil, P Patel Prakruti, M Gandhi Anuradha, J Shah Bela, K Desai Chetna.Old versus new antihistamines: Effects on cognition and psychomotor functions.J Family Med Prim Care,2022,11,10,p.5909-5917.
- 第119回日本耳鼻咽喉科学会総会ランチョンセミナー.ガイドラインに基づいたアレルギー性鼻炎・花粉症治療―第2世代抗ヒスタミン薬を中心に―.日本耳鼻咽喉科学会会報,2019,122,3,p.187-191.
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監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
