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ヒブワクチンとは?効果・副反応と対象者・接種スケジュールを解説

ヒブワクチン(Hibワクチン)は、乳幼児が感染すると重い病気を引き起こすおそれがある「インフルエンザ菌b型(Hib)」を予防するためのワクチンです。細菌性髄膜炎や敗血症、喉頭蓋炎などの感染症の発症リスクを低減する効果があり、日本では乳幼児を対象に定期接種として行われています。
※日本では2024年4月1日以降、ヒブを含む「5種混合(DPT-IPV-Hib)」を定期接種で主に使用しています
一方で、「どんな効果があるのか」「副反応はあるのか」「いつ・何回接種するのか」など、接種前に知っておきたいポイントも多くあります。
この記事では、ヒブワクチンの効果や副反応、対象者、接種スケジュールについて、わかりやすく解説します。
もくじ
ヒブ(インフルエンザ菌b型)感染症とは?

「ヒブ」とは、「ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型(Hib)」という細菌の名前です。
名前に「インフルエンザ」と付くため混同されがちですが、冬に流行するインフルエンザウイルスとは全く異なる、細菌による感染症です。
ヒブは、主に5歳未満のお子さん、特に生後3か月から2歳くらいまでの、からだを守る免疫機能がまだ十分に発達していない赤ちゃんがかかることがあります。
ここでは、症状や感染経路について詳しく見ていきましょう。
症状
ヒブに感染したときの症状は、軽い鼻風邪のようなものから、緊急の対応が必要な重いものまで、幅が広いのが特徴です。
軽い症状の場合は、鼻水や咳、のどの痛みといった風邪に似た症状や、耳の痛みを伴う中耳炎などを起こすことがあります。
一方で、細菌が血液や髄液に侵入する「侵襲性感染症」になると、以下のような重い病気を引き起こす可能性もあります。

これらの重い症状は、初期段階では風邪と見分けるのが困難です。ご家庭で様子を見るのではなく、何かおかしいと感じたら、ためらわずに小児科を受診してください。
感染経路
ヒブは、私たちの身近にいる細菌の一つです。感染している人の咳やくしゃみに含まれるしぶきを吸い込む「飛沫感染」が主な感染経路です。
また、細菌がついたおもちゃやタオルなどを介して、口や鼻から体内に入る「接触感染」によってもうつります。
知っておきたいのは、感染しても症状が出ないまま鼻やのどの奥に菌を持っている「保菌者」がいることです。大人も保菌者になることがあり、本人は元気でも、知らないうちに免疫力の弱い小さなお子さんに細菌を広めてしまう可能性があります。
ヒブワクチンの効果(現在は5種混合に含まれます)

ヒブワクチンを接種することで、細菌性髄膜炎や敗血症などの重い感染症の発症を防ぐ効果が期待できます。これにより、難聴や発達の遅れなど、髄膜炎による後遺症のリスクを減らすことにもつながります。
また、多くの子どもが接種することで細菌が広がりにくくなり、周囲の子どもたちを守る「集団免疫」の効果も期待できます。
ヒブワクチンの副反応

大切なお子さんへのワクチン接種ですから、副反応について心配される方も多いと思います。5種混合では、接種後の発熱、接種部位の赤み・しこりなどが比較的よくみられます。ただしこれは、お子さんの体の中で免疫がしっかりと作られている証拠であり、多くは数日で自然に良くなる一時的なものです。
どのような反応があるかを知り、落ち着いて対応できるようにしておきましょう。
主な副反応と万が一の危険な症状は以下の通りです。

接種後30分は院内で待機していただくのは、こうした万が一の事態にすぐに対応するためです。帰宅後に心配な症状が出た場合も、自己判断せずに接種した医療機関へご相談ください。
接種できない人
例えば、通常37.5℃を目安とする明らかな発熱がある場合や、普段より熱が高く明らかに体調が悪いと判断される場合は接種できません。また、気管支炎でひどく咳き込んでいる、胃腸炎で嘔吐や下痢が続いているといった重い急性の病気にかかっているときも、まずはその病気の治療を優先します。
過去のワクチン接種で重いアレルギーを起こしたことがあるお子さんも注意が必要です。ワクチンの成分や、5種混合ワクチンに含まれる破傷風トキソイドでアナフィラキシーを起こした経験がある場合は接種できません。その他にも、当日の診察結果から医師が総合的に判断して見合わせるケースもあります。
今日はどうかなと迷うような体調のときは自己判断でキャンセルせず、まずは受診して医師に相談することが大切です。
注意が必要な人
接種できないわけではありませんが、事前に医師へ伝え、より慎重に判断する必要があるお子さんもいます。以下の項目に当てはまる場合は必ず問診票に記入し、診察時にお伝えください。
- 心臓、腎臓、肝臓、血液の病気などで、定期的に通院や治療を続けている
- 以前の予防接種で、接種後2日以内に熱が出たり、全身に発疹が出たりしたことがある
- これまでに、けいれん(熱性けいれんを含む)を起こしたことがある
- 過去に、免疫の働きに問題があると診断されたことがある
- ご家族に、生まれつき免疫の働きがよくない方(先天性免疫不全症)がいる
- ワクチンの成分(卵や抗生物質など)でアレルギーが心配だと言われたことがある
事前情報は、接種後の経過をより注意深く観察したり、接種後の過ごし方について個別にアドバイスしたりするために、とても重要になります。ささいなことでも構いませんので、心配な点は遠慮なくご相談ください。
ヒブワクチンの接種スケジュールと回数

ヒブワクチンは、適切な時期に決められた回数を接種することが重要です。複数回接種して免疫の基礎を作り、その後に追加接種をすることで、その免疫を長く記憶させます。
標準的な接種は生後2か月から始まり、現在はヒブワクチンを含む「5種混合ワクチン」が基本です。このスケジュールは、赤ちゃんがヒブ感染症で重症化しやすい時期に合わせて組まれています。

もし推奨される月齢から接種の開始が遅れてしまっても、一定期間は定期接種として公費で受けることができます。(例:練馬区の場合、5種混合は7歳半まで、ヒブ単独は5歳の誕生日前日まで、公費で受けることができます。)
ヒブワクチンでよくある質問

生後2か月から始まるワクチンデビューの時期は、保護者の皆様にとって疑問や不安がたくさん出てくることと思います。
ここでは、ヒブワクチンに関してよく寄せられるご質問に丁寧にお答えしていきます。
他のワクチンと同時に接種できる?
ヒブワクチンは他のワクチンと同じ日に接種することができます。これを同時接種と呼び、現在の日本の予防接種では広く一般的に行われています。
特に生後2か月の時期には、5種混合ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンなどを同時に接種します。
ヒブワクチンを含む混合ワクチンは、他のワクチンと同時に接種しても、効果が弱くなったり安全性に大きな問題が生じたりしないことが報告されています。(※1)同時接種に不安があれば、お子さんの体調に合わせてスケジュールを調整することも可能ですので、医師にご相談ください。
単独でヒブワクチンを接種している場合はどうする?
2024年4月以前に「単独のヒブワクチン」と「4種混合ワクチン」を別々に接種し始めているお子さんの場合、原則として、これまでと同じ種類のワクチンで接種を完了させます。
ただし、引っ越しなどでかかりつけ医が変わった場合などは、医師の判断で5種混合ワクチンへ切り替えることもあります。自己判断せず、必ず母子健康手帳をお持ちになりご相談ください。
まとめ
ヒブワクチンは、乳幼児に細菌性髄膜炎や敗血症、喉頭蓋炎などの重い後遺症を残す可能性がある「インフルエンザ菌b型(Hib)」を防ぐ、極めて重要なワクチンです。
練馬区中村橋にあるベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、初めてのワクチンデビューを迎える親御さんのために、練馬区の個別接種スケジュールに合わせた丁寧な計画作りをお手伝いしています。
中村橋駅周辺や練馬区内で「予防接種をどこで受ければいいか迷っている」「副反応が心配」「かかりつけの小児科を探している」という方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。
https://www.besta-kids.jp/vaccination/
参考文献
- V Usonis, S Meriste, V Bakasenas, I Lutsar, F Collard, M Stoffel, N Tornieporth.Immunogenicity and safety of a combined hepatitis A and B vaccine administered concomitantly with either a measles-mumps-rubella or a diphtheria-tetanus-acellular pertussis-inactivated poliomyelitis vaccine mixed with a Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine in infants aged 12-18 months.Vaccine,2005,23,20,p.2602-2606.
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監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
