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シナジスは何歳まで打てる?対象年齢と接種が必要な条件を解説

「シナジスはいつまで打てるの?」「うちの子は対象になる?」と、RSウイルスへの疑問や不安を抱える保護者の方は少なくありません。
RSウイルスは多くの子どもが経験する感染症ですが、早産で生まれた赤ちゃんや特定の持病のある子どもは、重症化するリスクがあります。(※1)その重症化を防ぐ目的で使われるのがシナジスですが、接種には年齢や疾患など明確な条件があります。
この記事では、シナジスは何歳まで接種できるのか、対象となる子どもの条件、接種の流れや注意点までをわかりやすく解説します。
もくじ
接種対象の条件と年齢上限

シナジスを接種できる年齢には基準があり、病気の種類や出生時の週数によって異なります。ここでは、シナジス接種の対象となる条件や対象年齢を解説します。
対象となる基礎疾患(心疾患・ダウン症など)
接種対象は、RSウイルス感染時に重症化のリスクが高い乳幼児のみです。シナジスは、以下のような基礎疾患を持つ子どもが保険適用の対象となります。

流行シーズン中に継続して接種することが、RSウイルスによる重症化を防ぐための大切なポイントです。
早産児の在胎週数と流行初期の月齢による判断
早産児の場合、生まれたときの在胎週数と、RSウイルス流行開始時の月齢を組み合わせて、シナジス接種の対象かどうかが判断されます。
早産で生まれた赤ちゃんは、肺の発達が未熟であったり、母親から受け取る抗体が十分でなかったりします。そのため、RSウイルスに感染すると、重症化しやすい傾向があります。
以下の条件を満たす場合に限り、予防目的でシナジスが使用されます。
- 在胎28週以下で生まれた子: 流行開始時に1歳(12か月齢)以下であれば対象
- 在胎29週〜35週で生まれた子: 流行開始時に6か月(6か月齢)以下であれば対象
この基準は、生まれた週数と現在の月齢の両方を確認する必要があります。すべての早産児が対象になるわけではないため、該当するかどうかは主治医と相談しながら判断します。
何歳まで接種可能かの目安
シナジスの投与対象は、RSウイルスの流行初期(そのシーズンに投与を開始する時点)での月齢と条件で決まります。(※2)
在胎28週以下の早産:流行初期に12か月齢以下
在胎29〜35週の早産:流行初期に6か月齢以下
基礎疾患など(BPD、血行動態に異常のあるCHD、免疫不全、ダウン症、肺低形成、気道狭窄、先天性食道閉鎖、先天代謝異常、神経筋疾患):流行初期に24か月齢以下
対象の場合は、流行期を通して月1回の投与を継続します
シナジス接種のスケジュールと注意点

シナジスの効果を維持するためには、流行期に合わせて毎月継続して打つことが欠かせません。接種の流れやほかのワクチンとの兼ね合い、当日の注意点など、スムーズに受診するためのポイントを解説します。
接種開始から終了までの流れ
シナジスの効果は約1か月で弱まるため、流行期間中は1か月に1回のペースで定期的に筋肉注射をします。多くの場合は秋から春先にかけて計5回前後の接種を受けるスケジュールが一般的です。
接種にあたっては、まず在胎週数や基礎疾患の有無などをもとに医師が対象かどうかを判断し、必要性や接種時期について説明を受けます。
シナジス接種では、まず在胎週数や基礎疾患の有無を確認し、接種の必要性やスケジュールについて説明を受けます。途中で接種間隔が空いてしまうと予防効果が弱まるため、医師の指示通りに受診し続けることが大切です。
RSウイルス流行時期と接種タイミング
RSウイルス感染症の流行時期は、近年は冬ではなく春から夏にかけて早まる傾向があります。(※1)年や地域によって時期が前後することもあり、2025年は例外的に1月から増加しています。(※3)
流行が本格化する前に1回目の接種を済ませておくのが理想的です。接種のタイミングは流行の状況によっても変わるため、かかりつけ医や保健所と相談しながら、適切なスケジュールを立てましょう。
定期予防接種との同時接種が可能
シナジスは、定期予防接種と同時に受けることができます。
乳児期はヒブや肺炎球菌、五種混合(DPT-IPV-Hib)など予防接種が多く、スケジュール管理が負担になりがちですが、シナジスはほかのワクチンと体内での働きが異なるため、同日に接種しても問題ありません。定期予防接種は病気に対する免疫を体に覚えさせる方法で、効果が長く続く一方、免疫ができるまでに時間がかかります。
一方、シナジスはRSウイルスに対する抗体を直接補う薬で、接種後すぐに効果が現れますが、効果は約1か月で弱まります。
副反応は比較的少なく、左右の太ももに分けて同日に接種することで通院回数を減らせるため、赤ちゃんや保護者の負担軽減にもつながります。予防接種のスケジュールは、かかりつけの医師と相談しながら無理のない形で進めましょう。
接種当日の注意点
接種当日は子どもの体調をよく観察し、発熱(37.5℃以上)がないか、強い咳や鼻水、下痢がないか、ミルクの飲みが悪い・元気がないといった普段と違う様子がないかを確認しましょう。
受診時には母子健康手帳、健康保険証、子ども医療費受給者証、診察券、必要に応じて紹介状やお薬手帳を持参します。注射は太ももの前外側に行われ、量は体重に応じて決まります。当日の入浴は問題ありませんが、注射部位を強くこすらず、激しい運動は避けて普段通りに過ごしてください。
帰宅後に気になる変化があれば、すぐ医療機関に連絡できるようにしておくと安心です。
接種費用と助成制度の仕組み

シナジスは高価な薬剤ですが、対象の条件を満たす子どもであれば経済的なサポートを受けることが可能です。家計を心配せずに接種を継続するために、費用面や助成制度を解説します。
実際の費用の目安
シナジスは子どもの体重に合わせて投与量が決まるため、成長に伴って必要な量が増え、費用も高くなる傾向があります。
全額自己負担の場合、1回の接種で薬剤費が10万円を超えることも珍しくありません。
実際の薬剤費の目安は、体重3kgで約8万円、5kgで約14万円、10kgになると約27万円ほどになります。シーズン中に5回接種すると、合計で数十万〜100万円を超えることもあるでしょう。
これはあくまで健康保険や助成制度が使えなかった場合の金額です。実際には公的な制度が利用でき、0〜数千円程度と自己負担額は軽減されます。
自己負担が発生するケース
シナジスは原則として保険や自治体の助成を利用できますが、保険適用外で接種を希望する場合や、助成手続きが完了していない場合には自己負担が発生します。
所得制限が設けられている場合は、健康保険の自己負担分を支払うケースもあります。受診時に健康保険証や医療証を忘れると一時的に全額自己負担となりますが、後日手続きを行えば払い戻しを受けられるのが一般的です。
実際の負担額や条件は自治体ごとに異なるため、事前にお住まいの市区町村の子育て支援課や保険年金課で確認しておくと安心です。
接種後に起こりうる副作用と対応

シナジスは国内で承認されている抗体製剤であり、ワクチンとは異なります。ここでは、シナジス接種後のよくある副作用と、万が一の対応について解説します。(※2)
よくある副作用(発熱・腫れなど)
シナジスの注射後は注射した太ももの部位が赤くなったり、熱を持ったり、少し腫れたり、触ると硬く感じたりすることがあります。このような場合は、強く揉んだりこすったりせず、冷たいタオルや保冷剤でやさしく冷やしてください。
接種当日や翌日に37.5〜38℃台の発熱が見られることもありますが、水分が取れていて機嫌が良ければ、汗をかいた際に着替えをしながら様子を見る対応で問題ないことが多いです。
発疹や下痢、鼻水、咳など、風邪に似た症状が出ることもありますが頻度は高くありません。気になる症状がある場合は、医師に相談しましょう。
重篤な副反応の可能性と対応の流れ
まれではありますが、アナフィラキシーなどの重篤な副反応が起こる可能性も否定できません。アナフィラキシーは、薬に対するアレルギー反応で、呼吸困難や血圧の低下など、全身に症状を引き起こすことがあります。
以下の症状があり、アナフィラキシーが疑われる場合は、速やかに救急搬送を検討してください。
- 息が苦しそう、ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音がする
- 呼吸が速く、肩で息をしている、鎖骨の上がへこむ
- 顔色が悪く、ぐったりして反応が鈍い
- 意識がはっきりしない、力が入らない
- 全身にじんましんが広がる
- 吐き気や嘔吐を繰り返す
シナジスを接種したことや子どもの年齢、症状の内容と発生時刻を落ち着いて伝えましょう。可能であれば、接種を受けた医療機関にも状況を伝えておくと安心です。
まとめ
シナジスは、早産児や心臓・肺・免疫の病気をもつ赤ちゃんを、RSウイルスの重症化から守る予防薬です。体の抵抗力が弱い子どもにとって、感染を防ぐための大切な選択肢の一つです。
接種できるかどうかは、生まれたときの週数、基礎疾患の有無、流行開始時点での年齢(月齢)など、いくつかの条件をもとに判断されます。少し複雑に感じるかもしれませんが、医師がしっかり確認してくれます。
「うちの子は対象になるのかな」と迷いや不安があるときは、まずはかかりつけの小児科医に相談してみてください。
西武池袋線の中村橋駅から徒歩圏内にある「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」では、RSウイルス予防やシナジス接種に関する相談を積極的に受け付けています。練馬区内はもちろん、中村橋や富士見台周辺でシナジスの継続接種ができる小児科をお探しの親御さんは、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
- 厚生労働省:「RSウイルス感染症に関するQ&A」
- アストラゼネカ株式会社:「シナジス筋注液50㎎・100㎎」
- 国立健康危機管理研究機構感染症情報サイト:「RSウイルス感染症」
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こどもの病気コラムの一覧です。
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監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
