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新生児(赤ちゃん)の耳が潰れているのは治る?折れ耳の原因と治療法

生まれた赤ちゃんの耳が折れ曲がっていたりすると、「このまま治るのかな?」「何か病気だったらどうしよう?」心配になりますよね。赤ちゃんの耳の形が変形していても、聴力に直接影響がないケースが多いです。
しかし、耳の形を整えたいと考えるならば、耳の軟骨が柔らかい生後数か月の間に治療を行うことが大事です。
この記事では、赤ちゃんの耳の変形の原因から、治療方法までを詳しく解説します。子どもの将来のために、一緒に正しい知識を身につけましょう。
もくじ
赤ちゃんの耳の形が気になる?折れ耳のセルフチェックと見分け方

赤ちゃんの耳の形の変形は、一定数みられることがありますが、変形の多くは赤ちゃんの命や健康に直接関わるようなものではありません。
しかし、親御さんからすれば不安になるのも無理はないでしょう。ここでは、耳の変形タイプや変形の原因、聴覚への影響について解説します。
正常な耳の形とは
耳の形は、一人ひとり異なり、個性があります。完全に左右対称の耳を持つ人はほとんどいません。(※1)
正常な形の目安として、耳の縁部分がなめらかなカーブで不自然な折れや角がないか、頭との位置関係が適切で極端に目立ったり埋没していないか、耳たぶやしわのバランスが自然かなどを確認しましょう。
主な耳の変形タイプ
赤ちゃんの耳の変形には、以下のようにいくつかのタイプがあります。

変形の原因と先天的疾患との関係
赤ちゃんの耳の変形には、外からの圧迫による一時的な変形と生まれつきの軟骨の形・発達によるものの2つの原因が挙げられます。
1つ目は、妊娠中〜生後にかけての圧迫が影響するケースです。お腹の中で赤ちゃんが成長する過程で、子宮の壁や赤ちゃん自身の腕などが耳に長時間当たり、耳の形が一時的に変わることがあります。生まれてからも、寝る向きの癖で同じ方向から耳が押され続けると、形に影響が出ることがあります。
2つ目は、もともとの軟骨の形や発達の仕方により、生まれつき耳が特徴的な形をしているケースです。軟骨が作られる過程での個性や遺伝的な要素が関係し、両親や親戚と似た耳の形になることもあります。
また、耳の変形が先天的な疾患として現れることがあります。耳の形だけでなく、顔つき、手足の指、口の中など全身の状態をあわせて確認し、総合的に評価します。
聴覚への影響
耳の外側部分の変形だけであれば、聴力そのものに直接影響が出ることはほとんどありません。(※2)しかし、耳の形の変形に加えて、耳の穴(外耳道)が生まれつき狭窄していたり、音を鼓膜から奥へ伝える部分(中耳)に異常があったりする場合、音が内側にうまく伝わりにくくなる伝音性難聴を合併している可能性があります。
産院で行う新生児聴覚スクリーニング検査をクリアしていれば、まずは耳の外側の形だけの問題と考えて良いでしょう。
赤ちゃんの折れ耳は放っておいても良いの?

赤ちゃんの折れ耳は、自然に形が整うこともありますが、自己判断で放置することには注意が必要です。
耳の上部が折れている、形を整えてもすぐ戻る、左右差が大きい、寝る向き癖で耳がつぶれる、皮膚の赤みやかぶれがある、耳の穴が狭く見えるといった場合は、早めに医師へ相談しましょう。
テープなどで耳を固定すると皮膚トラブルの原因になったり、無理に力を加えると軟骨や皮膚を傷つけたりする恐れがあるため、自己流の対応は避けてください。
折れ耳の治療法

折れ耳など、耳の形の変形に対する治療法として、矯正治療と手術(折れ耳修正術)の2つがあります。
ここでは、それぞれの治療方法と早期治療が重要な理由について解説します。
矯正治療
折れ耳の矯正治療は、専用の器具を使い、耳の形を整えていく方法です。ワイヤーやシリコンでできた器具を耳に装着し、ギプスのように耳を優しく正しい形に保ちます。その形で軟骨が固まるのを待ちます。
治療は生後できるだけ早い時期(1週間以内)に始めるのが望ましく、生後6週〜6か月を過ぎると十分な矯正効果が得られないとされています。。
矯正効果が弱い場合は後述する手術に移行するケースも少なくはありませんが、1歳を過ぎても継続的に矯正治療を続けることが大事です。ある程度の治療効果が見込めるだけでなく、将来的に手術する際も侵襲が少なくなります。
手術(折れ耳修正術)
赤ちゃんの耳の軟骨が硬くなった場合や、変形の程度が強く矯正だけでは改善が難しい場合は、手術が検討されます。
手術では、耳の後ろ側など傷跡が目立ちにくい部分を少しだけ切開し、軟骨の形を整えたり、医療用の糸で縫い合わせて形を作ったりします。耳の形状や周辺の皮膚の状態を踏まえて術式が選択されます。
赤ちゃんの耳の矯正治療は、見た目を整える目的が中心となるため、保険適用外(自費)となることが多いのが実情です。ただし、聴力や耳の機能に影響がある場合や、明らかな先天的異常を伴う場合には、保険適用となることもあります。まずは小児科や専門医で状態を確認し、相談しましょう。
早期治療が重要な理由
折れ耳治療の早期治療が重要な理由は、早い時期であるほど、矯正治療で形を整えられる可能性が高いからです。
生まれたばかりの赤ちゃんの耳の軟骨は、お母さんからのホルモンの影響で、柔らかく、形を整えやすい特別な状態にあります。この時期に治療を始めることが重要で、生後1週間以内に矯正を開始できると理想的です。
この時期を過ぎると、軟骨は徐々に大人と同じようにしっかりとした硬さに変わっていき、矯正器具のような弱い力で形を変えることは難しくなります。
赤ちゃんの折れ耳が気になったら小児科に相談しよう

赤ちゃんの耳の形の相談で受診して良いのかなとためらってしまうことがあると思います。かかりつけの小児科医は、赤ちゃんの全身の健康状態を継続的に見ています。
耳の形はもちろん、全身を丁寧に診察し、ほかに何か心配な点がないかを総合的に判断してくれます。まずはかかりつけ医に相談することで、全体的な視点からのアドバイスを得ることができます。
1か月健診や予防接種など、定期的な受診の際でも、気軽にご相談してみましょう。
まとめ
耳の形は個性の一つですが、ほかの子と違うと心配になる気持ちは自然なことです。赤ちゃんの耳の軟骨が柔らかい生後間もない時期であれば、手術をしなくても矯正治療で形を整えられる可能性があります。自己判断で悩まず、気軽にかかりつけ医に相談しましょう。
赤ちゃんの耳の形が気になったら、ぜひベスタこどもとアレルギーのクリニックにご相談ください。まずは耳の形状や状態を確認し、ご両親のご意向をうかがった上で治療方針を検討します。必要に応じて、手術が可能な医療機関の受診をご案内します。
参考文献
- Lin Y, Dobbe JGG, Lachkar N, Smit TH, Breugem CC, Streekstra GJ.Human Auricles Are Not Symmetrical: A Comparative Study Using Landmark-Based and Surface-Based Software.J Craniofac Surg,2025,36(7),2559–2563.
- 一般社団法人 日本形成外科学会:「その他の耳の変形」
- 形成外科診療ガイドライン2 p120〜123 2021年度版
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監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
