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【こどもの喘息の治療 吸入吸入補助具(スペーサー)お話】
この記事を監修した医師

小児科専門医/院長
濵野 翔
気管支喘息では吸入薬が重要な治療の1つになります。
内服薬は飲めれば効果がありますが、吸入薬のような外用薬では手技がとても大事になります。
今回は吸入薬と小さなお子様が使用する吸入補助具(スペーサー)についてのお話です。
● 気管支喘息の吸入治療について
気管支喘息では気管支に慢性の炎症が起きています。
この炎症を普段から抑えることで、風邪をひいたり、台風がきたりしても、発作にならずにいられるようになります。
ステロイドというと副作用が気になってしまいますが、吸入ステロイドは副作用が少ないお薬です。
大規模な研究で小学生~高校生まで毎日吸入を行うと、身長が約1cm小さくなることが報告されていますが、他の有害事象はありませんでした。
吸入後に口の中のステロイドを「うがい」や「飲食」などで流さないと口の中にカビが生えてしまうことがあるので、その点は注意が必要です。
吸入方法には
・液体のお薬を機械を使って霧状にして吸入する「ネブライザー」
・ガスの力を使ってお薬を噴霧する「エアゾール(pMDI)」
・スペーサーという補助具を使用してpMDIを吸入する
・粉末状のお薬を吸入する「ドライパウダー(DPI)」
の4種類があります。
それぞれ特徴があるので、お子さんの状況に適した吸入方法を選択する必要があります。
(1)ネブライザー
よくクリニックで使用されるモクモクした煙を吸う方法です。
メリット:どの年齢でも使用できる
デメリット:大きい、音がうるさい、時間がかかる、高価
使用薬剤:パルミコート(ブデゾニド懸濁液)、メプチン、インタール、生理食塩水
(2)pMDI
成人がよく使用する薬です。デバイスを押すのと同時に薬を吸入する必要があります。
小児ではこの同期が難しいため、あまり使用しません。
同期が上手にできないと薬が気管支に届かずに口の中にとどまってしまい、効果が減弱してしまうためです。
もし使用するのであれば中学生以上がよいと思います。
使用している場合は同期できているかどうかを処方された医療機関などで確認してもらってください。
メリット:携帯しやすい、薬剤費のみ、ミスト状なので使用感が良い、薬の選択肢が多い
デメリット:中学生以上じゃないと難しい
(3)pMDI+スペーサー
スペーサーという吸入補助具を使用すると乳幼児でもpMDIタイプの吸入薬が使用できるようになります。
詳しい方法などは後述します。
メリット:ネブライザーに比較すると短時間で吸入が終わる、旅行などに携帯しやすい
デメリット:マスクを顔に密着させることができないと吸入できないなど手技の獲得に少し時間がかかる
(4)DPI
粉末状の薬を吸い込むタイプのお薬です。pMDIのように同期させる必要はありませんが、一定の吸気スピードが必要になります。
大体、小学生になると上手にできるようになります。
メリット:旅行などに携帯しやすい、薬剤費のみ、短時間で吸入できる
デメリット:使用感が気になる場合がある
<吸入デバイス別の開始年齢(目安)>
ネブライザー:全年齢で使用可能
pMDI:中学生~
pMDI+スペーサー:2歳頃~(乳児、1歳でも可能な場合あり)
DPI:6歳頃~
● pMDIと吸入補助(スペーサー)について
pMDIタイプの吸入薬は、お薬の噴霧にタイミングを合わせて吸い込む必要があります。
タイミングを合わせることが難しいとお薬が気管支まで届かず喉にくっついてしまい、うまく効果が出なかったり、副作用が出やすくなってしまいます。
吸入するタイミングが難しい方は吸入補助具(スペーサー)を使用することで上手に吸入することができるようになります。
pMDIタイプで吸入できるようになると、ネブライザーに比べて短時間で吸入できたり、持ち運びも楽になるなどのメリットもあります。
スペーサーは基本的に自費での購入になります。お近くの薬局、ネット等で2,000〜3,000円程度です。
スペーサーもさまざまな種類があるので、詳しくはかかりつけ医にご相談ください。
●スペーサー使用時の注意点
・お薬はよく振ってください
まず、多くのpMDIタイプのお薬は懸濁製剤といって缶の中でお薬が沈んでしまっているので缶を降って均一にしておく必要があります。
中には溶解製剤といって、もともと均一になっているお薬もありますが、症状や成長に伴ってお薬が変わったり何種類かのお薬を使ったりすることがあり、どれが懸濁製剤でどれが溶解製剤が分かりにくくなってしまうので、毎回降ってあげた方がいいと思います。
・お薬は正しい向きでスペーサーにつけてください
pMDIはスペーサーに逆向きに装着してしまうと、中に充填しているガスが上手くでなくなってします。
・ゆっくりと息を吸い込んでください
スペーサーがマスクタイプかマウスピースタイプかによって呼吸の仕方も変わりますが、気管支までお薬を届かせるためにゆっくりと息を吸う必要があります。
基本的には行き止めも必要になりますが、小さいお子さんの場合は難しいこともあるので5回ほど吸入出来れば大丈夫です。
・1回2吸入する場合は、1回ずつわけて吸入しましょう
どの年齢の患者さんでも1回2吸入する場合は、お薬の効果を得るためにも1回ずつに分けて吸入してください。
2回まとめて吸入するよりも1回ずつした方が効果が高いことが知らられている
・スペーサーの管理について
スペーサーは清潔を保てるよう使用後は水洗いしてください。
製品によっては中にお薬がくっつかないような素材でコーティングされているものもあります。。タオル等で擦ってしまうとそのコーティングがとれてしまうこともあります。
詳しくはかかりつけの医師や薬剤師にお聞きください。
●まとめ
小さなお子様でもネブライザーとスペーサーでの吸入は同じくらい効果があるという報告もあります。
どのタイプでも正しくに吸入できるように練習する必要があります。
かかりつけ医に相談しながらうまく付き合っていくことで、心配事も少なくなってくると思います。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
