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新生児の鼻づまりは受診すべき?注意したい症状と自宅でのケアのコツ

赤ちゃんの鼻から「フガフガ」「ズーズー」という音が聞こえると、心配になりますよね。
新生児の鼻づまりは、危険な病気でないことが多く、多くの赤ちゃんが経験する自然な現象です。
実際、
「生後すぐよりも、少し大きくなってから鼻がフガフガしてきた気がする」
という相談は、1か月健診でも特によく聞かれる内容のひとつです。
新生児期を過ぎて赤ちゃんが成長してくると、体が大きくなり、呼吸もしっかりしてきます。
その結果、空気の通り道が狭い鼻の中を空気が勢いよく通るようになり、呼吸音が目立つようになることがあります。
空気の通り道が狭くなるような上気道の病気が隠れていることもありますが、母乳やミルクがしっかり飲めていて、体重が順調に増えている場合は、心配のいらないケースがほとんどです。
ただし、鼻づまりに加えて咳が目立ってきた場合は、 風邪などの感染症が関係していることもあるため、注意が必要です。
この記事では、新生児の鼻づまりの原因から、受診すべき症状の見分け方、ご家庭ですぐに試せるケア方法までを解説します。赤ちゃんのつらさを和らげるために、正しい知識を身につけましょう。
もくじ
新生児の鼻づまりが起こる原因

新生児の鼻づまりは、風邪などの病気が原因とは限らず、成長過程でよく見られる症状のひとつです。赤ちゃんは鼻の通り道が狭く、少しの鼻水や乾燥、ホコリなどでも呼吸がしづらくなってしまいます。
ここでは、新生児が鼻づまりしやすい原因を詳しく見ていきましょう。
新生児の鼻腔構造
新生児は大人と比べて、構造的に鼻づまりを起こしやすい特徴があります。体が発達途中であり、鼻腔が狭かったり鼻の粘膜が敏感であったりします。
大人の鼻腔幅が1〜1.5cm程度なのに対し、新生児は数mmしかありません。鼻腔が小さいため少しの鼻水でもたまりやすく、鼻づまりを引き起こしやすくなっています。
鼻の粘膜がデリケートであり、わずかな刺激で腫れることも、鼻づまりを引き起こしやすい原因です。
一方、まれに鼻の奥の構造に問題がある後鼻孔閉鎖症(こうびこうへいさしょう)という病気のサインである可能性があります。後鼻孔閉鎖症は、鼻腔と喉の間が膜や骨でふさがっている状態で、重い呼吸困難や哺乳障害を引き起こす病気です。
鼻づまりが極端にひどく、常に呼吸が苦しそうな場合は、専門医へ相談しましょう。
空気の乾燥や温度変化
新生児の鼻は、環境変化に敏感です。空気の乾燥や急な温度変化は、鼻の粘膜を刺激し、鼻づまりの原因になる場合があります。
エアコンの使用や冬の乾いた空気は、鼻の粘膜を乾燥させます。粘膜が乾燥すると、鼻水が固まり、鼻くそとなって鼻づまりを引き起こします。鼻水の乾燥を防ぐには、加湿器などで部屋の湿度を50〜60%に保つことが大切です。
寒い場所から暖かい部屋に入ったときなど、急な温度差も鼻の粘膜を刺激します。刺激を受けた粘膜は、鼻を守ろうと鼻水の分泌を増やすため、鼻づまりが起こりやすくなります。
風邪やRSウイルスなどの感染症
新生児の鼻づまりは、ウイルスや細菌による感染症が原因の場合もあります。
ウイルスが鼻の粘膜に付着すると、体はウイルスを追い出すために防御反応を起こします。結果として、鼻水が多く作られて粘膜が腫れるため、赤ちゃんの狭い鼻腔では重い鼻づまりが起こりやすくなります。
赤ちゃんの鼻づまりで注意したいのが、RSウイルス感染症です。RSウイルス感染症では、風邪のような鼻水から始まり、次第に咳がひどくなります。「ゼーゼー」「ヒューヒュー」などの喘鳴(ぜんめい)が出て、呼吸困難に陥ることもあります。
咳や呼吸困難な症状など、気になる症状が見られたら、かかりつけの小児科に相談しましょう。
新生児の鼻づまりで注意したい症状

新生児の鼻づまりはよくある症状ですが、病気が隠れていることもあります。次のような様子が見られる場合は、早めに小児科を受診しましょう。
・肩や胸、お腹が大きくへこむ、ゼーゼー・ヒューヒューと苦しそうな呼吸
・唇や顔色が青白い
・授乳量が普段の半分以下
・息継ぎで何度も口を離す
・ぐったりして元気がない
・38℃以上の発熱がある
息苦しさが強い場合は、酸素投与などの治療が必要になることもあります。(※1)
新生児の鼻づまりを和らげる自宅ケア方法

ここでは、赤ちゃんの鼻づまりを和らげるために自宅でできるケア方法を見ていきましょう。すべてを行う必要はありません。
赤ちゃんやご家庭の状況に合わせて、できることを1つ試すだけでも十分です。
①鼻吸い器を使用する
鼻吸い器は、鼻水を物理的に取り除くことができます。鼻の中をきれいにすると、鼻水に含まれるウイルスなどを排出するのにも役立つため、感染症の悪化予防にもつながるでしょう。
市販の鼻吸い器には、手動タイプと電動タイプがあります。手動は加減しやすい一方、口で吸うタイプは感染リスクに注意が必要です。電動は安定した吸引力で衛生的ですが、作動音に赤ちゃんが驚くことがあります。
使用する際は、お風呂上がりなど鼻水がやわらかいタイミングに行い、赤ちゃんの頭を軽く固定して先端を浅めに入れます。吸引は片方数秒程度にとどめ、やりすぎないようにしましょう。使用後は毎回洗って乾かし、清潔を保つことも大切です。
②お風呂や蒸しタオルを使って保湿する
鼻の中の乾燥が鼻づまりの原因となるので、加湿して乾燥を防ぎましょう。
お風呂は鼻の乾燥対策に効果的です。体が温まり、血行が良くなるので、鼻の通りも改善されやすくなります。
蒸しタオルを赤ちゃんの鼻の付け根に数秒当てると、鼻周りの血行が良くなり、鼻水がやわらかくなります。蒸しタオルは、タオルを濡らして固く絞り、電子レンジで人肌程度に温めて用意しましょう。
③授乳や寝かしつけに効果的な体勢にする
鼻がつまると、赤ちゃんはミルクを飲んだり眠ったりすることが苦しくなります。仰向けの体勢は、鼻水が喉にたまりやすくなるため、上半身を少し高くすることで鼻水が流れやすくなり、鼻の通りが良くなります。
授乳の際は、縦抱きに近い姿勢で授乳しましょう。頭が高い位置にあることで鼻の通りが良くなり、息継ぎがしやすくなります。ただし、角度をつけすぎるとミルクが耳管に流れ込み、中耳炎の原因になることもあります。
寝かしつけのときは、畳んだバスタオルなどを背中に敷き、頭から背中に緩やかな傾斜をつけましょう。鼻が通りやすくなり、寝つきを促します。
窒息のリスクを避けるために、顔周りに枕やタオル、ぬいぐるみを置くのはやめてください。SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを高めるうつぶせ寝も避けましょう。(※2)
④綿棒で鼻くそを取り除く
赤ちゃんの鼻に固まった鼻くそが見える場合は、取り除くだけで鼻づまりが改善することがあります。
鼻くそを取るときは、赤ちゃん用の細い綿棒を使い、必要に応じてベビーオイルやぬるま湯で少し湿らせてから行いましょう。赤ちゃんが動かないように頭をやさしく支え、綿棒は鼻の入り口付近に当てて軽く回しながら絡め取ります。
綿棒を奥まで入れると粘膜を傷つけたり出血したりするため避けてください。固くこびりついている場合は無理に剥がさず、加湿や保湿でやわらかくしてから取るのが安心です。
鼻づまりで病院に行くべき受診目安

授乳量の減少などが見られる場合は、早めにかかりつけの小児科に相談しましょう。特に、ミルクの量が普段の半分以下になったり、苦しそうに何度も口を離したりする場合は注意が必要です。
鼻づまりで眠れず何度も起きる、寝ているときに呼吸が止まっているように見える場合も受診を検討してください。
さらに、あやしても泣き止まない、元気がなく笑顔が少ない、38℃以上の発熱がある、鼻水が黄色や緑色で粘り気がある、咳や目やにが出るときも早めの相談が安心です。
新生児は鼻呼吸が中心のため、鼻づまりが続くと授乳がうまくできず、脱水や栄養不足につながることがあります。受診するときは、授乳量やおしっこの回数、症状が出た時期、体重の推移などをメモしておくとスムーズです。
まとめ
新生児の鼻づまりは、体が未熟なことや環境の変化が原因であることが一般的です。まずは部屋の加湿や鼻吸い器の使用、体勢の工夫など、ご自宅でできるケアを優しく試してあげてください。
大切なのは、赤ちゃんの様子をよく観察することです。この記事で紹介したような注意すべきサインが見られたら、すぐに小児科へ相談しましょう。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、赤ちゃんの鼻づまりの相談を受け付けています。気になる症状があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
- Huang Y, Zhao J, Hua X, Luo K, Shi Y, Lin Z, Tang J, Feng Z, Mu D. Guidelines for high-flow nasal cannula oxygen therapy in neonates. World J Pediatr, 2022, 18, 10, p.705-715.
- こども家庭庁:「赤ちゃんが安全に眠れるように〜1歳未満の赤ちゃんを育てるみなさまへ〜
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監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
