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赤ちゃんの赤いあざ|種類と原因、受診の目安と治療が必要なケースを解説

赤ちゃんのすべすべな肌に赤いあざを見つけたら、「これって大丈夫?」「何か悪い病気だったらどうしよう」と不安になりますよね。
赤ちゃんの赤いあざには自然に消えていくものもあれば、治療が必要なものもあります。この記事では、その見分け方や受診の目安、治療が必要になった場合の治療方法などをわかりやすく解説します。
もくじ
赤ちゃんに赤いあざができる理由

赤ちゃんの赤いあざの多くは、皮膚の中の細い血管が増殖したり、拡張したりすることでできます。まれに体質や遺伝の影響も関係します。
①毛細血管の増殖と拡張
赤いあざの原因となる血管の異常には、主に「増殖」と「拡張」の2つのタイプがあります。どちらが原因かによって、あざの種類やその後の経過が大きく異なります。
その特徴を以下の表にまとめています。

同じように見える赤いあざでも、血管の状態によって経過が異なります。そのため、医師による正確な診断がとても大切です。
②遺伝との関係
赤いあざは、多くの場合遺伝とは直接関係しません。ご両親や親戚にあざがあっても、赤ちゃんにも同じようにあざができるとは限りません。まれに遺伝的な体質や遺伝子の影響が関係しているケースもあります。
一部のあざは特定の病気(症候群)の一症状として現れることがあり、その場合は医師による詳しい検査が必要になります。気になる場合は、早めに小児科に相談しましょう。
主なあざの種類と特徴

代表的な赤ちゃんの赤いあざとして、以下の3つが挙げられます。
- いちご状血管腫
- 単純性血管腫
- サーモンパッチ・ウンナ母斑
いちご状血管腫(乳児血管腫)
あざの見た目がいちごに似ていることから「いちご状血管腫」とも呼ばれています。いちご状血管腫は部位によって症状が異なり、視力低下や食べ物の飲み込みにくさなどにつながりかねません。
赤ちゃんに生じる赤いあざには、単純性血管腫やサーモンパッチもありますが、いちご状血管腫とは異なります。単純性血管腫やサーモンパッチは、生活機能にまでは影響を与えません。
いちご状血管腫は、以下のような経過をたどります。(※1)

いちご状血管腫は、基本的には自然に小さくなるのを待つことが多いあざです。大きくなる過程で皮膚が破れて出血したり、ただれたり(潰瘍)することもあります。
単純性血管腫(ポートワイン母斑)
単純性血管腫は、生まれつきある境界がはっきりした平らなあざです。「ポートワイン母斑」とも呼ばれるように、赤ワインのような赤紫色をしています。
主な特徴は以下のとおりです。
- いちご状血管腫と違い、自然に消えることはほとんどない
- 体の成長とともにあざも大きくなる。年齢とともに色が濃くなったり、皮膚が厚く盛り上がったりすることがある
- 顔や首、手足など、体のどこにでもできる
単純性血管腫で受診したほうが良いケースは、症候群が疑われる場合です。単純性血管腫が、一本の上肢・下肢のほぼ全体やそれ以上の範囲にあるときや、顔の片側のおでこから頬部にかけて広範囲に存在する種類があります。
サーモンパッチ・ウンナ母斑
サーモンパッチとウンナ母斑は、どちらも生まれつき見られる淡い赤あざです。毛細血管が一時的に広がっている状態が原因で、病的なものではありません。
サーモンパッチとウンナ母斑の特徴の違いは以下のとおりです。

これらのあざは、ほとんどが治療の必要もなく自然に薄くなっていきます。気づいたときは心配になるかもしれませんが、多くの場合は成長とともに落ち着いていくので、安心して見守っていただければ大丈夫です。
受診すべき目安と危険サイン

赤いあざのほとんどは健康に直接的な害のない良性のものですが、次のような変化があるときは早めの受診をおすすめします。
- 見た目の変化
- あざ周りの症状
- 目・鼻・口など機能に関わる部位のあざ
「昨日と比べて変わった」などちょっとした変化に気づいたら、かかりつけの小児科や皮膚科などへ相談しましょう。
見た目の変化(出血、ただれ、腫れ)
あざそのものの見た目に変化が現れたときは、注意深く観察してください。特に出血やただれは、あざの表面が傷ついているサインであり、速やかな対応が求められます。
それぞれの特徴について、以下の表にまとめています。

あざ周りの症状(かゆみ、発熱、赤み)
あざの周りにかゆみや赤み、発熱がある場合は注意が必要です。感染症などの別のトラブルが隠れていることがあります。
スキンケアをしてもかゆみが治まらない場合は受診を検討しましょう。あざの周囲が赤く腫れていたり、触ると熱を感じるときも要注意です。黄色い膿のようなものが出ている場合は細菌感染の可能性があります。
赤ちゃんが不機嫌で泣き続けたり、発熱していたりするときは早めに小児科を受診してください。
目・鼻・口など機能に関わる部位のあざ
あざができた場所によっては、見た目だけでなく、呼吸や飲むこと、見えることなどに影響が出ることがあります。少しでも「いつもと違うかな」と気になった時は、早めに小児科や皮膚科で相談しておくと安心です。
それぞれの部位の特徴については、以下の表を確認してください。

あざの治療方法

赤ちゃんのあざな主な治療方法には「レーザー治療」「薬物療法」「外科手術」があり、あざの種類や状態に合わせて最適な方法を選択します。
なお、いちご状血管腫や単純性血管腫など、赤ちゃんや子どもの皮膚に発生するあざは保険適用の対象となることが一般的です。
ただし、治療回数はあざの状態や広さによって異なるため、複数回の治療が必要になることもあります。保険適用の範囲や費用はクリニックによって異なることがあるので、事前に確認しておきましょう。
レーザー治療
レーザー治療は、主に「単純性血管腫」や、色が薄く平坦なタイプの「いちご状血管腫」などに対して行われることが多い治療法です。レーザー治療では、あざの赤い色にだけ反応する、特殊な波長の光を照射します。
周りの正常な皮膚へのダメージを最小限に抑えられるのが大きな特徴です。
レーザー治療の詳細について以下の表にまとめています。

治療の効果には個人差があり、完全に消すというよりは「目立たなくする」ことを目標に進めていきます。一般的に、顔や首は効果が出やすいですが、手足のあざは回数がかかる傾向があります。
薬物療法
薬物療法は、特に急に大きくなるいちご状血管腫に対して、体の機能に影響が出ないように行われます。主にヘマンジオルシロップという飲み薬を使い、血管の増えすぎを抑えて赤みを薄くする効果が期待できます。
低血糖・徐脈などの副作用が出ないか確認しながら進めるため、治療の最初は入院または医師管理下で少量から始めます。その後は、血管腫が大きくならないように、医師の指示に沿ってしばらく治療を続けることが必要です。自己判断で薬を止めたり減らしたりすると、再び大きくなってしまうことがあるため注意が必要です。
レーザー治療と併用する場合もあり、お子さまの状態に合わせて最適な治療法を一緒に考えていきます。
外科手術
レーザー治療で十分な効果が得られない場合や、血管が深いところまで広がっている場合には手術が選択されることがあります。治療法は、あざの位置や深さ、将来的な変化を踏まえて診察のうえで決められます。
家庭でできるケアと日常の注意点

日常のちょっとしたケアが、あざが悪くならないように守るだけでなく、もし治療が必要になった時にも効果をしっかり引き出す助けになります。特別なことをしなくても、ご自宅でできることがいくつかありますので、無理のない範囲で取り入れてみてください。
スキンケアと紫外線対策
乾燥はかゆみを引き起こす原因になり、かき壊して出血することがあるため、スキンケアや紫外線対策があざの悪化防止に必要です。
赤ちゃんがあざをかいてしまうと、出血したり細菌が入って感染を起こしたりする危険性があります。保湿は、かゆみ→掻破→出血→感染の悪循環を断ちます。
紫外線は、あざの色を濃く見せたり、将来的にシミのような色素沈着の原因になったりすることがあります。レーザー治療を受けた後の皮膚は、軽い火傷をしたような敏感な状態です。この時期の紫外線対策は、治療効果を左右するくらい重要といえるでしょう。
こすれや外傷を避ける
わずかな摩擦や圧迫がきっかけで、表面が破れて出血したり、ただれたりすることがあります。ただれると強い痛みを伴い、治った後も傷あととして残りやすくなります。
爪を丸く削る、通気性の良い肌着を着る、オムツを締め付けすぎないなど、日常での対策を心がけましょう。
写真で記録を撮る
赤ちゃんのあざは、週単位・月単位で色や大きさが変化することがあります。その変化をご家庭で写真に撮って記録しておくことは、医師が診断や治療方針を決定するうえで、診察時の重要な判断材料となります。
同距離・同照明・同角度で週に1枚撮影しましょう。1円玉や定規などのスケールを一緒に写すと、あざの大きさがわかりやすいです。写真を保存する際は、ファイル名に日付を入れてください。(例:2025-11-20_face1.jpg)
写真という客観的なデータで裏付けることで、「治療を開始すべきか、様子を見て良いか」を、より正確に判断できるようになります。
まとめ
あざを見つけたときに大切なのは、保護者の方が自己判断で悩まず、一度は専門医に相談することです。出血やただれ、目や口の周りのあざなど、気になるサインがあれば早めに受診しましょう。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、赤ちゃんのあざに関するご相談も随時受け付けています。状態を診察し、詳しい検査や治療が必要と判断した場合には、専門性の高い大学病院や形成外科にご紹介するなどして最適な治療法及びケアをご提案いたします。
参考文献
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こどもの病気コラムの一覧です。
https://www.besta-kids.jp/category/pediatrics-column/
監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
