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痛くない!インフルエンザワクチン『フルミスト』とは?
【練馬区の小児科医が解説】痛くないインフルエンザワクチン「フルミスト」とは?
メリット・副作用を徹底ガイド|365日診療のベスタクリニック 
「今年もインフルエンザの季節がやってきた…」「注射、また大泣きしちゃうかな?」
毎年、冬が近づくとお子さんのインフルエンザ予防接種について頭を悩ませる保護者の方は少なくないでしょう。特に注射が苦手なお子さんにとっては、クリニックへ連れて行くだけでも一苦労ですよね。そんな保護者の皆さまに、新しい選択肢が登場しました。それが、鼻からスプレーする「痛くない」インフルエンザワクチン、『フルミスト』です 。
2024年のシーズンから日本でも正式に承認され、接種が始まったこの新しいワクチン 。聞いたことはあるけれど、「本当に効果があるの?」「副作用は大丈夫?」「うちの子は受けられる?」など、たくさんの疑問や不安をお持ちだと思います。
この記事では、保護者の皆さまのそんな疑問に一つひとつ丁寧にお答えします。
この記事を読むことで、以下のことが分かります。
- フルミストと従来の注射ワクチンの違い
- お子さんにとっての最大のメリットと、考えられるデメリット
- どんな副反応があり、どう対処すればよいか
- 喘息や卵アレルギーがある子でも接種できるのか
- 練馬区周辺での費用や助成金の最新情報
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、科学的根拠に基づき、小児科専門医・アレルギー専門医が監修した信頼性の高い情報提供を心がけています。急な副反応が心配な週末でも安心の365日診療で、練馬区、中野区、西武線沿線にお住まいの皆さまの子育てを力強くサポートします。私たちの理念である「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」に基づき、皆さまの不安に寄り添いますので、どうぞ最後までお読みください 。
そもそも「フルミスト」とは?注射じゃない新しいインフルエンザワクチン
フルミストは、注射器を使わずに鼻の中にシュッとスプレーするタイプの、新しいインフルエンザワクチンです 。正式には「経鼻弱毒生インフルエンザワクチン」と呼ばれます。
これは、病原性を非常に弱くしたインフルエンザウイルス(生きたウイルス)を鼻の粘膜に付着させることで、体がウイルスを「かかったふり」の状態になり、本物のインフルエンザウイルスに対する抵抗力(免疫)を獲得するという仕組みです 。
インフルエンザウイルスが体内に侵入する最初の場所は、鼻や喉の粘膜です。フルミストは、その「ウイルスの入り口」でブロックする『門番』のような免疫(粘膜免疫)を直接作り出すことができるため、より自然な感染に近い形で効果的な予防が期待できると考えられています 。
アメリカやヨーロッパでは長年使用されてきた実績があり、2023年に日本の厚生労働省でも正式に承認され、2024-2025シーズンから接種が開始されました 。日本小児科学会もその使用に関する考え方を示しており、安全性と効果が認められたワクチンです 。
お子さんと保護者のためのフルミスト3つの大きなメリット
フルミストには、従来の注射ワクチンにはない、お子さんと保護者の双方にとって嬉しいメリットがあります。
メリット1:「痛くない」ということ。注射への不安がなくなります!
最大のメリットは、何と言っても注射の痛みがないことです 。
毎年、予防接種のたびに泣き叫ぶお子さんを押さえつけながら接種するのは、お子さん本人だけでなく、保護者の方にとっても辛い時間ですよね。フルミストは鼻にスプレーするだけなので、針を刺す痛みや恐怖を感じることがありません。これにより、予防接種に対するお子さんのネガティブなイメージを払拭し、親子ともにストレスなくインフルエンザシーズンに備えることができます。
メリット2:より自然に近い免疫で、高い発症予防効果が期待できる!
前述の通り、フルミストはウイルスの侵入経路である鼻の粘膜に直接免疫を作ります。これにより、ウイルスが体内に広がる前にブロックする効果が期待でき、特に小さなお子さんにおいて高い発症予防効果が報告されています 。
また、注射ワクチンとは異なり、その年に流行するウイルスの型によらず効果が期待でき、効果持続期間も長いという特徴もあります 。
メリット3:原則1回の接種でOK。通院の負担を軽減!
従来の注射ワクチンは、13歳未満のお子さんは通常2回の接種が必要でした 。忙しい中で2回もクリニックへ通うスケジュールを調整するのは大変です。
一方、フルミストは原則として1シーズンに1回の接種で完了します 。これにより、保護者の方の通院負担が大幅に軽減されるのも大きなメリットです。
気になる副反応と安全性。小児科医が教える正しい対処法
新しいワクチンと聞くと、副反応が心配になるのは当然のことです。フルミストの副反応の多くは軽度で一時的なものですが、事前に知っておくことで、いざという時に落ち着いて対応できます。
よくある軽度な副反応
フルミスト接種後、数日以内に以下のような風邪に似た症状が出ることがあります。これらは体の免疫がきちんと働いている証拠でもありますので、過度に心配する必要はありません 。
- 鼻水・鼻づまり:最も多く、接種したお子さんの約半数に見られます 。
- 咳、喉の痛み:10%程度のお子さんに見られます 。
- 微熱:数%のお子さんに見られますが、ほとんどは1〜2日で自然に下がります 。
🏠ご家庭での対処法(ホームケア)
これらの症状が見られた場合は、まずはお家でゆっくりと休ませてあげてください。
- 安静にする:激しい運動は避け、静かに過ごしましょう。
- 水分補給:水分をこまめに摂るように心がけてください。食欲がなければ無理に食べさせる必要はありません 。
- 解熱剤の使用:熱が高く、お子さんがつらそうにしている場合は、解熱剤(アセトアミノフェンなど)を使用することも可能です。ただし、自己判断せず、かかりつけ医に相談してから使用しましょう 。
🏥こんな時はクリニックへご相談を
ほとんどの副反応は自然に軽快しますが、以下のような症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 38.5℃以上の高熱が2日以上続く
- 呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている(喘鳴)
- ぐったりしていて、水分も摂れない
- 全身にじんましんが出る、顔やまぶたが腫れるなど、強いアレルギー反応を疑う症状
🐘**ベスタこどもとアレルギーのクリニックは365日診療しています。**🐘土日や祝日に急に症状が出て不安になった時でも、いつでもご相談ください。
🔍「うちの子は受けられる?」接種可否チェックリスト
フルミストは誰でも接種できるわけではありません。安全に接種するために、対象となる条件や注意が必要なケースについて、解説します。
接種できるお子さん
- 年齢が2歳以上19歳未満であること 。
原則として接種できないお子さん(禁忌)
以下の項目に当てはまるお子さんは、フルミストを接種することができません。
- 2歳未満のお子さん(喘鳴のリスクが高まるという報告があるため)
- 重い免疫不全の状態にある、または重い免疫不全の方と日常的に接するお子さん(ワクチンウイルスが感染する可能性があるため)
- 過去にゼラチンで、アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応を起こしたことがあるお子さん
- アスピリンを内服中のお子さん(ライ症候群のリスクがあるため)
- 妊娠中の方
接種に注意が必要で、専門医への相談を推奨するお子さん
お子さまに喘息や卵アレルギーがある場合、接種できるかご不安ですよね。特に「重度の喘息」や「重度の卵アレルギー」の判断は、専門的な知識が必要です。自己判断はせず、必ず事前に医師に相談してください。
- 気管支喘息のあるお子さん: コントロールが良好でない場合や、最近喘鳴(ゼーゼー)があった場合は、フルミストの接種で発作を誘発する可能性があります。日本小児科学会も、喘息患者には従来の注射ワクチンを推奨しています 。しかし、注射への恐怖心が非常に強い場合など、個々の状況に応じて接種を検討することもあります。
- 卵アレルギーのあるお子さん: 現在のインフルエンザワクチンは、製造過程で卵成分がほとんど除去されており、重度のアナフィラキシー歴がなければ、多くの場合安全に接種可能とされています 。フルミストも同様です。
当クリニックでは、お子さま一人ひとりの喘息のコントロール状況やアレルギーの程度を丁寧に診察し、どちらのワクチンがより安全で適切かを保護者の方と一緒に考えます。 不安な点があれば、どんなことでもご相談ください 。
よくあるご質問(FAQ)
保護者の皆さまから特によくいただく質問をまとめました。
- フルミストを接種した後にインフルエンザになりました。インフルエンザの薬は使用していいの?
答え:使っても良いですが、注意点があります。
詳細:
- フルミストは弱められた生ウイルス(ワクチンウイルス)を使っています。抗インフルエンザ薬がワクチンウイルスの増殖を抑えてしまい、ワクチンの効果を下げる可能性があります。
- 米国CDCのガイドラインによると、ワクチン接種前48時間以内、または接種後2週間以内に抗ウイルス薬を使った場合には、ワクチンの効果が十分でない可能性があるため、再接種を考慮します。
- 重症のインフルエンザや合併症のリスクがある場合は、ワクチン接種歴にかかわらず、医師が判断して抗ウイルス薬の使用が推奨されます。インフルエンザを発症したら、できるだけ早く治療を始めることが重要です。
保護者のみなさまへ:
もしお子さんがフルミストを接種した後にインフルエンザの症状が出たら、医師に「ワクチンを打った日」を伝えてください。抗ウイルス薬を使うかどうかは、いつ接種したか、症状の重さ、過去の健康状態などを見て判断されます。
- フルミストスプレーした後に鼻水が増えました。かんでもいいですか?くしゃみは?
答え:はい、鼻をかんだり、くしゃみしたりしても大丈夫です。これらは副作用としてよくある反応の一部です。
詳細:
- 接種時、また直後に「軽い鼻の刺激感」「くしゃみ」「鼻水が出る」「鼻が少し詰まる」などの症状が出ることがあります。これはワクチンが鼻の粘膜に付着して、免疫を誘導する過程で起きる軽い反応で、通常はすぐに治まります。
- 接種直後にくしゃみや鼻水が出て、ワクチンの液が少し漏れたり(鼻から垂れたり)することがありますが、それだけで「再接種」が必要とはされていません。
- ただし、鼻づまりがひどいとワクチンが鼻の粘膜に十分届かない可能性があるため、接種を延期する場合もあります。
- アレルギー性鼻炎で抗アレルギー薬を飲んでいますが、フルミスト接種できますか?
答え:ほとんどの場合、できます。ただし、お子さんの状態や薬の種類によっては医師と相談するべきです。
詳細:
- アレルギー性鼻炎そのものは、フルミストの「禁忌(絶対に使えない条件)」には通常含まれていません。慢性的な鼻炎などを持っていても、健康な状態であれば接種可能です。
- 抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬など)を飲んでいること自体は、ワクチン接種を妨げるものではなく、公的FAQにもそのような制限は一般に示されていません。
- ただし、「活発なくしゃみ」や「鼻詰まりがひどい」「粘膜がひどく腫れている」など、ワクチンの噴霧が十分に鼻の粘膜全体に行き渡らない状態があるときは、医師が延期を判断することがあります。鼻づまりがひどいとワクチン液がうまく広がらない可能性がありますので、主治医に相談してください。
- いつ接種するのが良いですか?
答え:効能持続期間が長いことがメリットなので、早めに接種することが望ましいです。
詳細:
- 米国のCDCなどでは、9月~10月ごろに接種を開始するのが理想とされています。流行が始まる前に免疫をつけるためです。
- ただし、流行が既に始まっていても、ワクチンを受けていないなら接種する価値はあります。流行の後半でも、感染の予防、重症化の抑制に役立ちます。
おわりに(保護者の皆さまへ)
今回は、新しいインフルエンザワクチン「フルミスト」について解説しました。 「痛くない」という大きなメリットがある一方で、生ワクチンならではの注意点もあります。大切なことは、メリットとデメリットを正しく理解し、お子さん一人ひとりの体質や状況に合わせて最適な選択をすることです。
私たちの理念である「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」を胸に、これからも皆さまをサポートしてまいります。フルミストについて、またそれ以外のことでも、何か少しでも気になることがあれば、一人で悩まず、どうぞお気軽に当院にご相談ください。
WEB予約はこちらから:(https://www.besta-kids.jp/) アレルギーや夜尿症のご相談はこちら:専門外来ページへ
リンク
参考文献
- 日本小児科学会. 経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方. 2024.
- 厚生労働省. インフルエンザQ&A.
- 第一三共株式会社. フルミスト®点鼻液 添付文書.
医療上の免責事項 本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の症状や状況に応じた医学的な診断・治療を代替するものではありません。お子さまの症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指示に従ってください。
監修:ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野翔
本記事は小児科専門医・アレルギー専門医が監修しています。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
