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赤ちゃんのしゃっくりが多い原因とは?対処法や注意点を解説

しゃっくりは、赤ちゃんの体が未発達なため起こる生理現象で、ほとんど心配はいりません。しかし赤ちゃんが頻繁にしゃっくりしたり、長く続いたりすると、体の異常ではないかと不安になりますよね。
今回の記事では、赤ちゃんにしゃっくりが多い原因、ご家庭でできる対処法から、病院を受診すべきサインの見分け方まで解説します。赤ちゃんのしゃっくりに対する理解を深め、少しでも不安を和らげましょう。
赤ちゃんのしゃっくりが多い原因

しゃっくりは、横隔膜などの呼吸器に関わる筋肉が、意思に関係なく痙攣する現象です。痙攣に合わせて声帯が閉じると「ヒック」と音が出ます。
赤ちゃんのしゃっくりは、大人よりも起こりやすいですが「よく出る=異常」とは限りません。
特に新生児〜乳児期は、横隔膜や自律神経の働きがまだ未熟なため、ちょっとした刺激でしゃっくりが出やすいのが特徴です。横隔膜の発達に伴って回数は自然に減ってきますが、生後6か月〜1歳を過ぎる頃まではしゃっくりが多い状態が続きます。
ここでは、赤ちゃんのしゃっくりが多い原因について詳しく見ていきましょう。
①横隔膜(おうかくまく)が未発達
赤ちゃんは、横隔膜を調節する神経が未熟です。呼吸を調節する脳の機能が完成していないため、刺激に対して神経が過敏に反応してしまいます。例えば、少し驚いたり、おむつが濡れて不快に感じたりするだけでも、刺激が横隔膜に伝わり、痙攣を引き起こします。
体が成長し神経の働きが安定すると、横隔膜の働きも安定していき、しゃっくりの回数は自然と減るでしょう。
②授乳やミルクによる胃の膨張
赤ちゃんは、母乳やミルクを飲むのが上手ではなく、空気も飲み込んでしまうことがあります。そのため胃の中に空気がたまり、胃が膨らみがちです。
膨らんだ胃が横隔膜を下から押し上げるように刺激すると、横隔膜が痙攣し、しゃっくりが始まります。
特に、ミルクなどを勢いよく飲んでるとき、泣いた直後の呼吸が乱れているとき、哺乳瓶が合っていない状態は空気も飲み込みやすいです。
授乳後のしゃっくりは、胃が膨らんで横隔膜を刺激しているサインと考えられます。授乳後にゲップをさせることで、予防につながる場合があります。
③体温変化や冷えによる自律神経の刺激
赤ちゃんは体温調節を行う自律神経がまだ未発達なため、少しの冷えや温度差にも反応しやすいです。体が冷えると熱を逃がさないように筋肉が反応し、その刺激が横隔膜に伝わることで、しゃっくりが出ることがあります。
特に、濡れたおむつのまま過ごしたときや汗をかいたあと、お風呂上がり、暖かい部屋から涼しい場所へ移動したときなどは冷えやすいので、服装や室温に気をつけましょう。
赤ちゃんのしゃっくりを優しく止める5つの方法

赤ちゃんのしゃっくりは成長過程の生理的な現象で、無理に止める必要はほとんどありません。しゃっくりは、てんかん発作のような病的な痙攣とは異なる体の反応です。
しかし、赤ちゃんがより快適に過ごせて、保護者の方の不安を減らすには、しゃっくりを優しく止める必要があります。ここでは、ご家庭でできる以下の7つの対処法を紹介します。
①少量の授乳やミルクを与える
少量の母乳やミルクなどを飲ませると、しゃっくりが落ち着く場合があります。赤ちゃんが何かを「吸って飲み込む(吸啜:きゅうてつ)」という運動が、横隔膜の痙攣のリズムを整えるきっかけになるためです。
ただし、母乳やミルクは少量にすることが重要です。たくさん飲ませてしまうと、かえって胃が膨らみ、横隔膜への圧迫が強まります。結果、しゃっくりが悪化する可能性もあるため注意してください。
②ゲップをさせて胃の空気を抜く
ゲップで胃の中の空気を外に出してあげることは、しゃっくりの予防と対処の両方につながります。
ゲップをさせる際は、縦抱きで赤ちゃんのあごを保護者の肩に乗せ、頭を支えながら背中を下から上に向かって優しくなでてください。または、保護者の膝に赤ちゃんを座らせ、体を少し前に傾けたら、赤ちゃんのあごと胸を支え背中をさすりましょう。
背中を強く叩く必要はなく、優しくさするだけでも空気は食道を上がってきます。5分ほど試しても出ない場合は、無理せず一度休ませてあげましょう。
③背中をさすってリラックスさせる
赤ちゃんの背中を優しくなでたり、ゆっくりさすったりする行為も、しゃっくりを落ち着かせるのに効果的です。
体の機能は、興奮を促す交感神経と、リラックスさせる副交感神経からなる自律神経によりコントロールされています。背中へ心地良い刺激を与えることで副交感神経が優位になり、赤ちゃんをリラックスさせることにつながります。
しゃっくりは神経が過敏な状態なので、興奮が鎮まれば、横隔膜の痙攣も治まりやすくなるでしょう。手のひら全体で、赤ちゃんの背中をゆっくり円を描くようになでてください。温もりを感じることで、赤ちゃんは安心感を得られます。
④縦抱きで姿勢を変える
赤ちゃんが横になった状態でしゃっくりをしているなら、縦抱きにしてあげましょう。
横になっている状態は、胃にあるミルクや空気がたまりやすく、横隔膜を圧迫しやすい体勢です。そのため、体を起こしてあげることで、重力によって胃の内容物が下がり、横隔膜への物理的な圧迫を軽減できます。
授乳後でなくても、姿勢の変更だけでしゃっくりが落ち着くパターンは少なくありません。
まだ首がすわっていない赤ちゃんの場合は、頭と首をしっかりと支え、ゆっくりと優しく抱き上げましょう。
⑤体を温めて冷えを防ぐ
赤ちゃんは体温調節が未熟なため、冷えがしゃっくりのきっかけになることがあります。体が冷えると筋肉が収縮し、その刺激が横隔膜に伝わってしゃっくりが出ることがあります。
しゃっくりが始まったら、おむつが濡れていないか、汗で服が湿っていないか、お腹や手足が冷えていないかを確認しましょう。冷えている場合は、おむつや肌着を替えて体を温めると落ち着きやすくなります。
ただし温めすぎて汗をかくと、逆に冷えの原因になるため注意してください。
赤ちゃんのしゃっくりを止めるときの注意点

しゃっくりは驚かせると止まるといった話がありますが、赤ちゃんに行うのは避けたほうが無難です。大きな音を立てる、急に体を揺さぶるなどの行為は、赤ちゃんに恐怖やストレスを与えるかもしれません。
なかでも体を激しく揺さぶる行為は、乳幼児揺さぶられ症候群という重い脳損傷を引き起こす可能性があり、後遺症を残すこともあるため危険です。
しゃっくりは、強い刺激で無理に止める必要はありません。鼻をつまむ、息を吹きかけるなどの行為も、窒息のリスクがあります。赤ちゃんのしゃっくりに対しては、常に安全で優しい方法を選んでください。
しゃっくりで受診すべき目安

赤ちゃんのしゃっくりは、まれにほかの病気のサインである場合もあります。ここでは、受診を考えたほうが良い症状の目安や対処法を解説します。
しゃっくりが2〜3時間以上続く・または頻繁に起こる
赤ちゃんのしゃっくりは、通常は数分〜長くても30分ほどで自然に止まります。
ただし、2〜3時間以上続く場合や、1日に何度も長時間繰り返す場合は、念のため医療機関に相談しましょう。
例えば、長引くしゃっくりの原因として、胃食道逆流症(GERD)などが関係することがあります。胃食道逆流症では、しゃっくりのときに酸っぱい臭いがしたり背中を反らせて激しく泣いたりします。
このように他の病気が隠されていることもあるので、受診の際は「いつから続いているか」「1日の回数・時間」「起こりやすいタイミング」「発熱や嘔吐など他の症状があるか」をメモしておくとスムーズです。
機嫌が悪い・吐き戻しが多い・体重が増えない
しゃっくり以外に、機嫌の悪さ・吐き戻し・体重増加不良がある場合は、医療機関に相談しましょう。
特に、激しく泣き続けて落ち着かない、授乳のたびに大量に吐く、噴水のように吐く、吐いたものに血や黄色・緑色が混ざるといった症状は注意が必要です。
また、体重が成長曲線に沿って増えない、健診で体重の伸びを指摘された場合も受診を検討しましょう。
これらは栄養が十分に摂れていない、または体の不調が隠れているサインの可能性があります。
呼吸が苦しそう・顔色が悪いなどの異常
しゃっくりに加えて、呼吸が苦しそうだったり顔色が悪かったりする場合は、緊急性が高い可能性があります。呼吸器や心臓などの病気が隠れていることもあるため、夜間・休日でも救急外来の受診を検討し、必要なら救急車を呼びましょう。
特に、肩を上下させて息をしている、胸や肋骨の間がへこむ、小鼻がヒクヒク動く、ゼーゼー・ヒューヒューといった普段と違う呼吸音がある場合は注意が必要です。
また、顔色が青白い・土気色っぽい、唇や爪が紫っぽい(チアノーゼ)、ぐったりして反応が鈍い、意識がはっきりしないときも、早めに医療機関へ相談してください。
まとめ
赤ちゃんのしゃっくりは、体が発達の途中であるために起こる生理現象である場合がほとんどです。しゃっくりが気になるときは、ゲップを促したり、背中をさすってあげたりする方法を試してみましょう。驚かせるなどの強い刺激で止める必要はありません。
大切なのは、しゃっくり以外の赤ちゃんの様子です。呼吸が苦しそう、機嫌が極端に悪い、体重が増えないなど気になる症状があれば、医療機関に相談しましょう。
ベスタこどもとアレルギーのクリニックでは、赤ちゃんのしゃっくりに関する相談も受け付けています。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
参考文献
- Daniel Howes.Hiccups: A new explanation for the mysterious reflex. BioEssays,2012,34,6,p.451-453.
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監修
ベスタこどもとアレルギーのクリニック 院長 濵野 翔
日本専門医機構認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
医療上の免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の赤ちゃんの状態や健康に関する問題については、必ず医師の診察を受けてください。この記事の情報だけで判断せず、ご心配な点はかかりつけ医にご相談ください。
この記事を監修した医師
小児科専門医 / 院長 濵野 翔
ベスタこどもとアレルギーのクリニック
当院の記事は、「こどもとご家族に寄り添い、より良い医療を考える」という理念のもと、 小児科・アレルギーの専門医が監修しています。日々の子育てで不安に感じることがあれば、 いつでもご相談ください。
経歴
- 2009年 杏林大学医学部付属病院 初期研修
- 2011~2017年 杏林大学医学部付属病院 小児科
- 2018年 福岡市立こども病院 アレルギー・呼吸器科、2019~2023年 杏林大学医学部付属病院 小児科
専門・所属学会
- 日本小児科学会認定 指導医・専門医
- 日本アレルギー学会認定 専門医
- 日本小児アレルギー学会 ほか関連学会所属
