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夜尿症(おねしょ)

夜尿症について

夜尿症とは、5歳以上のお子さんに見られる「おねしょ」が、月に1回以上、3か月以上続く状態を指します。一般に「おねしょ」と呼ばれますが、医学的には「夜尿」といいます。実は、7歳のお子さんでも約10人に1人が夜尿症を経験しているといわれており、決して珍しいことではありません。

夜尿症にはさまざまな原因があります。主に以下の3つが関係していることが多いです。

  1. 夜間の尿量が多い(抗利尿ホルモンの分泌不足)
  2. 膀胱の容量が小さい・過敏(夜間に尿をためにくい)
  3. 深い眠りで尿意に気づかない(脳と膀胱の連携が未熟)

また、便秘や精神的ストレスが影響していることもあります。

夜尿症の治療

生活習慣の改善と夜尿日誌の活用

まずは、毎日の生活習慣を見直すことが夜尿症改善の第一歩です。

  • 夕食後から就寝前までの水分摂取はコップ1杯程度に控える。(就寝前の1-2時間は飲水を控える。)
  • 塩分の多い食事を控えめにする。
  • 就寝前には必ずトイレに行き、膀胱を空にしておく。
  • 規則正しい生活を心がける。
  • 寝冷えしないようにお腹や体を暖かくして寝る。
  • 夜中に無理に起こしてトイレに連れて行かない。

また、治療の一環として「夜尿日誌」をつけることが推奨されます。
以下のような内容を記録します
【基本項目】
・夜尿の有無/寝る時間・起きた時間
【必要に応じて】
・夕食以降に摂取した水分量 / おむつの重さ / 朝一番の尿量 / 日中の我慢尿量
この日誌をつけることで、パターンを把握しやすくなり、医師との相談にも役立ちます。
記録の負担が大きくなりすぎないよう、当院ではご家庭と相談しながら、お子さんにとって必要な情報に絞って夜尿日誌をつけていただいています。

薬物療法・アラーム療法

生活習慣の改善のみでは十分な効果が得られない場合、薬物療法が検討されます。お子さんの夜尿症のタイプに応じて、以下のような薬剤が使われます。

デスモプレシン(抗利尿ホルモン剤)

体内の水分を再吸収させ、夜間の尿量を減らします。夜間の尿量が多いタイプの夜尿症(多尿型)に特に効果があります。内服薬(錠剤)または口腔内崩壊錠(OD錠)があり、寝る前に服用します。即効性があり、短期間で効果を実感しやすいのが特徴です。

■メリット

・服用後、早い段階で効果を感じられることがあります
•宿泊行事などの一時的な対応としても使用可能

■デメリット・注意点

•薬をやめると再発するケースもあります
•長期的な根本治療にはなりにくい場合があります
•最も注意が必要なのは低ナトリウム血症(水中毒)です
•頭痛、吐き気、けいれんなどの症状が現れることがあります。
•水分制限を守ることが大切です(特に服用前後の水分摂取)

抗コリン薬(膀胱容量を増やす薬)

膀胱の過敏性を抑え、尿をより多くためられるようにします。膀胱が小さいタイプ、頻尿傾向のあるお子さんに用います。プロピベリン(バップフォー®)、オキシブチニン(ポラキス®)などが代表的な薬です。

■メリット

•昼間の頻尿や切迫感にも効果が期待できます
•膀胱型夜尿症への対応に有効

■デメリット・注意点

•単独では効果が不十分な場合があり、他の薬との併用が必要なこともあります
•口の渇き、便秘、ほてり、めまいなどの抗コリン作用
•長期使用時は副作用に注意しながらの定期的な評価が必要です

アラーム療法

アラーム療法は、夜尿の根本改善を目的とする治療法で、特に5〜7歳以降のお子さんに有効とされています。おねしょを感知するセンサー付きのアラームを使い、尿が出た瞬間にアラーム音が鳴ります。これにより「尿意→目覚め→排尿を止める」反応を学習していきます。

■メリット

•行動療法の一種であり、再発が少ない
•体の自然な発達を促し、長期的な改善につながりやすい
•薬を使わずに治療できる安心感

■デメリット・注意点

•効果が出るまでに時間がかかる(通常2〜3か月以上)
•家族の協力が必要(夜間に対応する保護者の負担)
•根気強く継続する姿勢が必要

■有害事象・リスク

•機器のトラブル(誤作動、アラーム音が小さいなど)
•睡眠の質の一時的な低下(アラームで目覚めるため)

■継続のコツ

•最初の2週間は「夜中に目覚めるだけでもOK」と考える
•起こしすぎず、本人が「気づく」ことを重視する
•成功体験を積み重ねることで、自然と自信が育ちます

腎・夜尿症 専門外来のご案内

焦らず、温かく見守りましょう
夜尿症は病気というより、「体の発達の個人差」に近いものです。焦らず、お子さんと一緒に前向きに取り組むことが大切です。これらを組み合わせることで、徐々に改善が見込めます。何よりも大切なのは、お子さんを責めず、温かく寄り添う気持ちです。
夜尿症について気になることがあれば、当院の腎夜尿症外来にご相談ください。一人ひとりに合った対応を一緒に考えていきましょう。
専門外来の案内:https://www.besta-kids.jp/special-outpatient/#link03